誇り高き弱虫の幻想郷生活   作:パラリズム

446 / 499
パチュリー、乙女の悩み!?


短編 その11
第446話


ある日の早朝、舞台は紅魔館。パチュリーは、御気に入りの推理小説(以前ラディッツからプレゼントされた物)を夜通し読みふけっていて、入浴する事ををすっかり忘れており、のんびりと朝風呂に入った

 

パチュリー:私とした事が、魔導書なら兎も角、推理小説を読んでて時間を忘れるなんて・・・

 

そして、悲劇は突然彼女に降り掛かった。風呂上がりの為にバスタオルを身体に巻いただけのパチュリーの目に入ったのは、近くにあった体重計だった

 

パチュリー:・・・そう言えば、最近計って無かったわね・・・まぁ別に何とも思って無いんだけど・・・

 

等とブツブツ言いながら体重計に乗り、数値を確認した瞬間、パチュリーは愕然とした

 

パチュリー:う、嘘・・・どうしてこんなに・・・い、いやいや有り得ないわ・・・

 

パチュリーは、体重計に乗ったまま様々な姿勢を取ってみるが、勿論結果は変わらない

 

パチュリー:そ、そうよ!このバスタオルが重いんだわ!コレを取ればきっと・・・

 

そう言って、身体に巻いたバスタオルを取り払うも、やはり結果は同じだった

 

パチュリー:そんな・・・バカな事・・・

 

ラディッツ:ふぅ、起き掛けの走り込みは流石に効くぜ・・・

 

呆然と立ち尽くすパチュリー。その直後、脱衣場のドアを開けてラディッツが姿を現した

 

パチュリー・・・えっ?

 

ラディッツ:あん?

 

生まれたままの姿だったパチュリーは、ラディッツと目が合った瞬間に顔が真っ赤になった

 

パチュリー:ちょっと!何で貴方が此処に来るのよ!

 

ラディッツ:いや、日課の早朝走り込みで汗かいたから、飯の支度の前に流しとこうと・・・

 

パチュリー:何でこのタイミングなのよ!

 

ラディッツ:いつもこの時間には此処を使ってるんだが・・・と言うか、素っ裸で何してるんだお前?

 

パチュリー:み、見てるんじゃないわよ!さっさと出てけ!

 

パチュリーは、魔法弾をラディッツに連射する。対するラディッツは、飛んで来る魔法弾を回避しつつそのまま退室する

 

ラディッツ:ったく、何だってんだ・・・

 

それから少しして、いつもの服を着たパチュリーがムスッとした表情で脱衣場から出て来る

 

パチュリー:待たせたわね。

 

ラディッツ:こんな時間に一体何をしてたんだ?

 

パチュリー:何でも良いでしょ、私の勝手よ。

 

ラディッツ:・・・まぁどうでも良いが・・・

 

パチュリー:・・・見た?

 

ラディッツ:何をだ?

 

パチュリー:だから・・・その・・・私の・・・

 

真っ赤になり、口ごもるパチュリーの様子を見たラディッツは、察した様に口を開いた

 

ラディッツ:生憎と、俺には女の裸を見て喜ぶ趣味はねぇよ。だから、別に誰かに言いふらしたりもしねぇから安心しろ。

 

パチュリー:そ、それは別に心配してないけど・・・ほんのちょっとくらい興味持ってくれたって・・・

 

パチュリーは、後半消え入る様な程小声で呟いた

 

ラディッツ:何か言ったか?

 

パチュリー:何でも無いわよ!ほら、さっさと汗流して来なさいよ。じゃないと、食事の時間が遅くなるでしょ?

 

ラディッツ:あぁ、分かってるよ。

 

パチュリー:・・・バカ・・・

 

ラディッツが脱衣場に入るのを見届けた後、パチュリーは大図書館へと移動し、朝食が出来るまでの間に再び本を読むのだった。それから数時間後、先に料理の支度を整えたラディッツと咲夜が館の住人達を起こし、皆揃って広間で朝食となった。机の上には、肉料理や野菜、スープ等が並べられていた。朝食から結構ガッツリめのメニューにも関わらず、美味しそうに食べ進める館の住人達だったが、パチュリーだけは食べずに固まったままだった。彼女は思った。「太った原因絶対コレだ!」と・・・

 

レミリア:パチェ、どうかしたの?

 

パチュリー:えっ?な、何が?

 

レミリア:いや、さっきから全然手を付けて無いみたいだから・・・

 

パチュリー:あ、あぁ・・・コレは・・・その・・・

 

悟空:どっか体調でも悪いんか?

 

パチュリー:た、体調は大丈夫よ!ただ、ちょっと食欲が無くて・・・

 

美鈴:いけませんよパチュリー様。幾ら種族的には食事を摂る必要が無いと言っても、しっかり食べなくては身体にも毒です。

 

小悪魔:そうですそうです。

 

パチュリー:そ、それは分かってるんだけど・・・

 

悟空:食わねぇんなら、オラが貰っちまっても良いか?

 

悟空は、パチュリーの皿に手を伸ばすが、ラディッツがそれを止める

 

ラディッツ:人の飯まで食おうとするなカカロット。御代わりはちゃんと用意してあるんだからよ。

 

悟空:そうは言うけどよぉ・・・

 

パチュリー:良いわよ、私の分も食べちゃって。

 

悟空:やったー♪いっただっきー♪

 

悟空は、嬉しそうにパチュリーの皿の上に乗った料理を食べ始める。その直後、パチュリーはスッと立ち上がって歩き出した

 

フラン:パチェ?何処行くの?

 

パチュリー:大図書館よ。と言っても、本を読みに戻る訳じゃないけど・・・

 

レミリア:どう言う事?

 

パチュリー:実は、昨日全然寝てなくて・・・だから、一眠りして来るわ。

 

そう言って、パチュリーはその場を後にした

 

フラン:パチェ、何だか元気無かった・・・

 

美鈴:大丈夫でしょうか・・・

 

ラディッツ:・・・成る程、そう言う事か・・・

 

咲夜:えっ?何がそう言う事なんですか?

 

レミリア:ラディッツ、何か知ってるの?

 

ラディッツ:ま、あくまでも予想だがな・・・飯の後、様子を見に行ってやるとするか・・・

 

レミリア:御願いするわ。

 

そんなこんなで朝食後、ラディッツは大図書館へとやって来た。一眠りするからと言って先に戻っていたパチュリーはと言うと、机に向かってはいるものの本は開かず、只々ボーッとしているのだった

 

パチュリー:・・・

 

ラディッツ:パチュリー、邪魔するぞ。

 

そんなパチュリーに、ラディッツが声を掛ける

 

パチュリー:・・・何の用?

 

ラディッツ:何、少し話をと思ってな。

 

パチュリー:話?

 

ラディッツ:単刀直入に聞くが・・・お前、ダイエットとかしてるだろ。

 

パチュリー:ブフッ!?

 

ラディッツの予想外の言葉に、パチュリーは思わず吹き出してしまった

 

パチュリー:な、何で貴方がそれを・・・!?

 

ラディッツ:さっき、脱衣場で鉢合わせした時、一瞬だったがお前が体重計に乗ってたのが見えた。で、その次が飯の時のお前の様子・・・明らかに食べたいのに我慢してる様に見えたんで、もしかしたらと思ってな。

 

パチュリー:・・・ハァ・・・どうしてそう言う所だけ無駄に鋭いのよ・・・

 

パチュリーは、呆れた様子で溜め息を吐き、その後ゆっくりと口を開いた

 

パチュリー:思い返してみれば、最近事ある毎に皆と一緒に色んな所に遊びに行っては、美味しい物を沢山食べてるわ・・・極めつけは・・・貴方よ!

 

パチュリーは、キッとしてラディッツを指差す

 

ラディッツ:あん?

 

パチュリー:貴方が来てから、ほぼ毎日絶品料理の数々が食卓に並ぶわ!以前よりも遥かに豪華なのが、それはもう沢山!咲夜の料理も美味しいけど、貴方の料理は彼女に負けず劣らず、コレまたスッゴく美味しくて、ついつい食べ過ぎちゃうのよ!朝昼晩だけじゃなく、オヤツの時間にまで毎回毎回・・・あーもう!本当に御馳走様!

 

ラディッツ:妙な怒り方だな・・・俺が思うに、原因は料理だけじゃねぇだろうけどな。

 

パチュリー:えっ?

 

ラディッツ:パチュリー、お前・・・食った後大した運動もせずに、此処で本読んでばっかりだろ。

 

パチュリー:うぐぅっ・・・

 

痛い所を突かれて、パチュリーの身体に電流が走った

 

パチュリー:そ、そんな事無いわよ!健康体になってからは、毎食後にちゃんと身体動かしてたりするもの!

 

ラディッツ:因みに、それはどれくらいの時間だ?

 

パチュリー:・・・ほんの数分程度・・・

 

ラディッツ:不足してるにも程があるだろ・・・まぁ元が病弱体質なだけに、仕方ねぇのもあるだろうが・・・

 

パチュリー:・・・

 

俯くパチュリーに対し、ラディッツは静かに口を開く

 

ラディッツ:世界には、食いたくても食えずに命を落とす奴も居るって聞くぞ。腹一杯食える事は幸せなんだ。

 

パチュリー:それは・・・分かってるわよ・・・でも・・・

 

ラディッツ:俺は色恋沙汰ってのには疎いがよ・・・少なくとも、俺は無理に食うのを我慢してガリガリに痩せこけてる奴よりも、食いたいもんを腹一杯食ってる奴の方が好きだがな。

 

パチュリー:えっ?そ、そうなの?

 

ラディッツ:あぁ。戦士としては、ウエイトはあった方が有利だしな。

 

パチュリー:・・・やっぱり戦闘方面での話になるのね・・・

 

一瞬キラキラ乙女心を感じたパチュリーだったが、戦闘種族ならではの価値観に直ぐ様溜め息を吐いた

 

ラディッツ:まぁ俺が見た限り、お前には痩せる必要があるとは思えん。そのままでも良いと俺は思うがな。

 

パチュリー:ほ、本当に?

 

ラディッツ:あぁ。

 

パチュリー:そう・・・

 

ラディッツ:他の連中に、余り心配を掛けるなよ。それと、どうしてもって言うなら、トレーニングくらい幾らでも付き合ってやるぜ。

 

パチュリー:そうね・・・気が向いたら、御願いするわ。

 

パチュリーは、微笑みながらそう答えた

 

ラディッツ:ま、言いたい事はそれだけだ。それじゃ、邪魔したな。

 

パチュリー:あ、ラディッツ!

 

ラディッツ:どうした?

 

パチュリー:えっと・・・心配掛けてゴメンなさい・・・それと・・・有難う。

 

笑顔での謝罪と御礼の言葉を受け取ったラディッツは、満足そうにその場を後にした

 

パチュリー:そのままでも・・・か・・・でも・・・

 

パチュリーは、軽く自分の身体(主に腰回り)を触ってみる

 

パチュリー:むぅ・・・やっぱり、運動量は増やさなきゃ駄目かも知れないわね・・・

 

その後、パチュリーは普段よりも遥かに長い時間肉体的なトレーニングをしたが、無理が祟って酷い筋肉痛になり、動けないまま永遠亭の御世話になったのはまた別の話・・・




自分もですが、運動不足の人は急に無理な食事制限や慣れない運動はしない様にしましょうね

却って辛い事になります・・・

実は、以前にも似た様な話をやった事が後で判明しました

あの時は太ったとかでトレーニングした訳では無いけど・・・
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。