妖怪の山の上にある守矢神社。其処には、かつて外の世界で蛙と体か入れ替わった後に幻想入りし、神の力により元の身体を取り戻したギニューや、地獄から甦った後、一度は幻想郷と敵対していたが、戦いの末に改心した他の隊員達が新たな家族として迎えられ、平和を守るべく活動していた。彼等の隊には、神社の巫女である東風谷早苗が6人目のメンバーとして加入しており、賑やかさに拍車が掛かっていた。しかし、その日の彼等はそうでは無かった・・・
隊員達:・・・
ギニュー:コレは由々しき事態だ。万一、此処で選択を誤ってしまえば、我々の未来は大きく変わるだろう・・・
神社の一室で、隊長のギニューを中心に、皆いつもの賑やかさが嘘の様に、とても真剣な顔付きで何やら話し合っている。神社の二柱である神奈子や諏訪子、彼等が来てからと言うものの、神社にしょっちゅう遊びに来ている魔理沙や文も、その様子を陰から見守っていた
神奈子:やっぱり、この前の緊急会議でのあの事かねぇ・・・
諏訪子:だろうねぇ・・・
魔理沙:確か、フリーザ・・・だっけか?ソイツが敵になってる訳だしなぁ・・・
諏訪子:あのザーボンとか言う奴に食って掛かった時のあの口振りからするに、本当に心から忠誠を誓っていただろうからね。ショックも大きいだろうさ。
文:かつての主に見切りを付け、此方側に付くか・・・それとも、その者への忠義を取り我々の敵側に付くか・・・彼等にとっては、運命の分かれ道ですからね。
神奈子:万一の時の事も考えて、覚悟は決めておいた方が良いかも知れないな。
諏訪子:だなぁ・・・
魔理沙:ま、万一って何だよ!アイツ等が私達を裏切るって思ってるのか?
神奈子:その可能性も無くは無いだろうな。
魔理沙:そんなバカな事があるかよ!アイツ等は、皆気の良い奴等ばっかりだ!それなのに・・・
文:しかし、彼等は元々我々と敵対していた存在・・・再び悪い方に進む可能性も0ではありませんね。
諏訪子:お前は、早苗同様に奴等と仲が良いから、奴等を信じたい気持ちは大きいだろう。けど・・・
魔理沙:そんな事はさせない!私、アイツ等を説得して来る!
魔理沙は、意を決して特戦隊の面々の方へと移動し始める
魔理沙:な、なぁ・・・
ギニュー:ん?
早苗:魔理沙さん、今日も来てたんですね♪いらっしゃい♪
魔理沙:あ、あぁ。邪魔してるよ。
ジース:で?何か用か?
魔理沙:いや、その・・・くっ・・・フリーザとか言う奴の所に戻るかどうかを考えてるなら、頼むから考え直してくれ!
魔理沙のその言葉を聞き、特戦隊と早苗は少し驚いた様な顔をする
魔理沙:そりゃ、前は色々あったけどさ・・・でも、今はお前達の事も大事な友達だと思ってる・・・だから・・・闇に戻る事だけはしないでくれ・・・
魔理沙は、泣きそうになりながら俯く
ギニュー:成る程、我々の事をそんな風に思ってくれていたのだな。
ジース:けど、それならもう大丈夫だ。
魔理沙:えっ?
魔理沙は、その言葉を聞いて顔を上げる
ギニュー:そりゃ、あの会議で話を聞いた時はそうしようとも考えたが・・・我々特戦隊一同は、既にこの幻想郷と共にある。フリーザ様には申し訳無いが、もうあの方の元に戻るつもりは無い。コレは、隊員皆の総意だ。
ジース:ま、時の界王神の前で、此処でやり直すって・・・この幻想郷の平和の為に戦うって宣言しちまったしな。
リクーム:神様にああ言っちまった以上、しょうがねぇわな。
バータ:おうよ。
グルド:だよな。
早苗:ですです♪
魔理沙:そ、そうなのか?そっか・・・
そう話す特戦隊の面々を前に、魔理沙は安心した様子で座り込む。それを聞いていた二柱と文も、特戦隊の面々の所へとやって来る
文:貴方達とのこの関係がコレからも続いて行くならば、それはとても嬉しい事ですね。
諏訪子:ん?さっきの事は、もう隊の総意として決まった事なんだろう?
ギニュー:そうだ。
諏訪子:それじゃ、さっきから何をそんなに真剣そうに悩んでたのさ?
神奈子:あ、確かに・・・
文:それは気になりますね。
ギニュー:あぁ、その原因は・・・コレだ!
ギニューが懐から取り出したのは、甘味処の新作試食会と掛かれたチラシだった
神奈子:コレ・・・は・・・
文:あぁ、今度人里の甘味処で開かれる新作の試食会のチラシですね。確か、抽選で選ばれた人達を招待するって話だったかと・・・
ギニュー:そうだ。この早苗が、つい先日人里でその抽選で見事に当選してな。で、早苗の力の加護により我々も見事に当選し、それに呼ばれる事になったのだ。
諏訪子:フーン・・・それで?
ギニュー:新作スイーツは6品あるのだが・・・食べたい品に偏りが出来てしまい、どれにするか決めかねてしまっているんだ!
ギニューの声の大きさと迫力、そして悩んでいた理由のあまりの下らなさに、二柱と文は盛大にズッコケてしまうのだった
魔理沙:えっと・・・相談の理由ってコレなのか・・・?
ギニュー:うむ、そうだ。
諏訪子:そんな下らない事で真剣に悩むな!
ギニュー:く、下らないとは何だ!
早苗:さっきも言いましたけど、皆の好みが見事に偏って、どれにするか全然決まらなくて!
神奈子:そんな事、2回も言わんで良い!
リクーム:俺は、やっぱりチョコレートが良いと思うぞ。
バータ:俺もチョコレートが良い。だが、苺味も捨て難い・・・
グルド:俺は抹茶味も良いと思ってるが・・・
ジース:俺は苺と・・・バニラ味も惹かれるな。
神奈子:そんなんどうでも良いわ!
思わず力一杯ツッコミを入れる神奈子だった
諏訪子:あー・・・ちょっと良いかな?
早苗:何でしょうか?諏訪子様?
諏訪子:その新作スイーツ、6品あるんだよな?
ジース:そう書いてあるが・・・
諏訪子:さっきの話から察するに、それって味も6種類別々のがあるって事で良いのかな?
早苗:そうみたいですね。
諏訪子:それじゃあさ・・・アンタ達は丁度6人居るんだし、各々別々の味を試食しつつ、それを皆でちょっとずつ分け合えば良いんじゃないのかな?それなら、全部の味を全員が楽しめる訳だし・・・
諏訪子のその提案を聞いた特戦隊は、皆一斉に納得した様に手を打った
バータ:そ、そんな手があったとは・・・
ジース:それならば、全員で全種類のスイーツを味わえるな。
グルド:じゃあ、次は誰がどの味をメインで頼むかを決めないと。
リクーム:俺は、チョコレートだもんねー♪
早苗:駄目ですよ、此処は皆平等に行かないと。
ギニュー:その通りだ。と言う訳で、公平さを取ってジャンケン大会をやるぞ!勿論、全員参加だぞ!後出しは厳禁だ!行くぞーっ!
隊員達:おぉーっ!
そんなこんなで、隊員全員参加のジャンケン大会が始まったのだった
神奈子:バカばっかり・・・
諏訪子:6人も居て、誰もその結論に行き着かなかったのか・・・
文:アハハ・・・
魔理沙:・・・
神奈子と諏訪子は呆れて深い溜め息を吐き、文も苦笑いを浮かべるしか出来なかった。魔理沙だけは、呆れつつも少しホッとした表情を浮かべていたのだが、賑やかとあまりのアホらしさのせいで誰も気付かなかったとか・・・