誇り高き弱虫の幻想郷生活   作:パラリズム

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人里、夏の水泳教室


第448話

幻想郷にも、暑い夏がやって来た。その日、人里では慧音主催の水泳教室が行われる事になった。水泳教室と言っても、その会場は人里にある川である。慧音曰く、里の子供達同士のコミュニケーションの場とする事も目的の1つだと言う。参加を募る貼り紙を寺子屋に貼った結果、10人以上の人間の子供達が参加を希望した。予想よりも人数が集まった為、慧音は急遽人里と縁のある者達数人に監督役として助っ人を依頼するのだった。慧音の依頼を受けたのは、定期的に寺子屋の教師をしているラディッツと、イベントのチラシ製作と宣伝を依頼され、取材を兼ねてやって来たはたて、緊急事態の為の救護係として、里に薬を販売しに来ている鈴仙、里の子供達に人気で、面倒見が良い小傘。他の参加者としてやって来たのは、ラディッツが行くからと飛び入り参加を決めたフラン、小傘の誘いで共に来たザーボンと華扇、雷鼓だった。再三確認しておくが、直接慧音から依頼を受けたのはラディッツ、はたて、鈴仙、小傘のみである・・・あっと言う間に水泳教室の日となった。その日は、雲1つ無い快晴であり、太陽が照り付ける絶好の水泳日和だった。現在、参加希望の子供達を集めて慧音の挨拶中である

 

慧音:えー・・・まずは、参加を希望してくれた皆に心からの感謝を。そして、この日を迎えられた事をとても嬉しく思う。このイベントは、水泳教室と銘打ってはいるが、里の皆との交流を主な目的としている。我々もしっかり監督をするつもりだ。どうか安心して、皆に心からこのイベントを楽しんで貰いたい。

 

その後も、基本的なルール、注意事項等、慧音の説明は少しの間続いた。説明が終わった瞬間、待ちくたびれたとばかりに、子供達は各々準備を始めた。彗音は、ラディッツや小傘達に向き直った

 

慧音:皆。突然の呼び掛けにも関わらず、こうして集まってくれて、本当に感謝するよ。

 

慧音は、ゆっくりと頭を下げる

 

ラディッツ:気にするな。アンタには世話になってるし、良い息抜きにもなる。

 

はたて:息抜きもそうだけど、イベントの取材も出来るし大助かりだわ♪

 

小傘:子供達との交流は楽しいし、呼んでくれて嬉しいです♪

 

鈴仙:注意を怠るつもりはありませんが、もしもの時は御任せ下さい。

 

華扇:未来ある子供達の為とあらば、我々は助力を惜しまないわ。

 

慧音:本当に有難う・・・それしか言葉が見付からないな・・・

 

フラン:ねぇ御兄ちゃん、私もう暑くて限界なんだけど・・・

 

ラディッツ:フラン、俺達は遊びに来た訳じゃねぇんだぞ・・・

 

フラン:やーだー!私も水浴びしたーい!

 

フランは、吸血鬼らしからぬ発言をしつつ駄々をこねる。一応解説しておこう。フランは、パチュリーの魔法により弱点の日光と流水を無効化しているのだ

 

ラディッツ:ったく、コイツは・・・

 

ザーボン:しかし、コレだけの人数が居れば多少遊んだとしても問題は無いと思うが・・・

 

雷鼓:だね。その分、私達がしっかり見張ってれば良い訳だし。

 

鈴仙:ですね。

 

ラディッツ:フム、確かにな。

 

フラン:それじゃあ・・・

 

ラディッツ:ま、良いだろう。但し、羽目を外し過ぎてガキ共に怪我をさせん様にな。

 

フラン:分かってるって♪

 

はたて:一応、フランには私が付いてくわ。それなら問題無いでしょ?

 

ラディッツ:いつも世話を掛けるな。

 

はたて:良いって事よ♪

 

はたては、にこやかにそう答える

 

慧音:水遊びをするならば、近くの茶屋の一室を更衣室として特別に貸し出してくれているから、其処を使うと良いぞ。

 

はたて:分かったわ。それじゃ、早速着替えに行くわよ♪

 

フラン:おぉーっ♪

 

フランとはたては、水遊びをすべく、茶屋の一室へと向かった。一応解説しておこう。このイベントを開催するにあたり、慧音が交渉した際に、川の近くにある茶屋を営む人間達が「奥の部屋を、特別に更衣室として貸し出しても構わない」と申し出てくれたのだと言う。フランやはたてもだが、水泳教室の参加者である子供達もまた、この茶屋の一室を利用しているのだった。そんなこんなで、着替えを終えたフランやはたても含めた水泳教室(と言う名の交流会)が始まった。水遊びをしている者達を、ラディッツや華扇達が茶屋の外に特設された長椅子に座り、のんびりと見守っている

 

雷鼓:皆元気だねぇ。

 

慧音:子供らしくて結構な事だ。

 

ラディッツ:あぁ、そうだな。

 

と其処へ、水遊びをしていた子供達の内の数人が小傘に駆け寄る

 

子供A:小傘姉ちゃんも、一緒に泳ごうよ。

 

小傘:えっ?わちきも?

 

子供B:行こう行こう♪

 

小傘:えーっと・・・

 

小傘は、子供達数人に誘われて少し困惑している

 

華扇:どうぞ行ってらっしゃいな、小傘♪

 

ザーボン:我々の事は気にせず、存分に。

 

小傘:そう・・・ですか?それじゃあ、折角だし・・・

 

子供A :やったーっ♪

 

子供B : 早く早く♪

 

子供達は、小傘の腕をグイグイ引っ張っている

 

小傘:わわっ!ちょっと待って!このままはマズいから、せめて着替えさせて!ね?

 

子供達:はーい♪

 

小傘:と言う訳で、ちょっと部屋を御借りしますね。

 

それから少しして、小傘は水着に着替えて再び姿を現した。それと同時に、「待ってました」と言わんばかりの勢いで、子供達に手を引かれたり背中を押されたりして、彼女は先に遊びを続けていた子供達の元に連れて行かれ、そのまま水遊びに参加するのだった

 

雷鼓:結局、小傘も強制参加させられた訳だけど・・・

 

強制参加とは言ったが、当の小傘は笑顔で先に川で遊んでいたフランや子供達と水の掛け合いをしたり、じゃれ合ったりして楽しんでいる

 

ラディッツ:鈴仙、お前は行かんのか?

 

鈴仙:正直かなり暑いですし、何もかも脱ぎ捨てて川に飛び込みたいのは山々ですが、私は一応仕事で此処に来てますので。

 

ラディッツ:そうだったな。

 

サラッと出た鈴仙の問題発言は軽くスルーする一行であった。その後、監督をしている面々にも八百屋の店主から川で冷やしていた西瓜や、茶屋の店主から甘味の差し入れがあり、それらを味わいつつ互いに語り合ったりと、参加者全員にとって実りある交流会となったのだった

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