再度人里で演劇会が開催される事になり、役者を集める事を任されたラディッツ。彼が向かったのは、幻想郷の最東端にある博麗神社だった。其処では、華扇一派と霊夢の組手が行われていた。
ザーボン:はあぁぁっ!
霊夢:何のっ!
ザーボンと霊夢、2人の放った気弾が正面からぶつかり、爆煙を巻き上げる
ザーボン:くっ・・・何も見えん・・・気配も無い・・・一体何処へ・・・
霊夢:隙ありよ!
爆煙で霊夢を見失い、辺りを見渡すザーボン。霊夢は、それに紛れてザーボンの背後に回り込んでいた。直ぐ様それに気付いて身構えたザーボンだったが、霊夢はすかさず御祓い棒をザーボンに突き付けるのだった
華扇:其処まで!勝者、博麗霊夢!
華扇の言葉の後、2人共構えを解いた
霊夢:ふぅ・・・
ザーボン:御見事です霊夢さん。私もまだまだ修行が足りませんね。
霊夢:そうね。
華扇:ザーボン、貴方は気の察知に少し時間が掛かるわね。視覚だけに頼っていては、今の様になるわよ。
ザーボン:申し訳ありません、華扇様。
霊夢:でも、幻想郷に来たばかりの頃よりは間違い無く強くなってるわよ。まだまだコレからコレから♪
ザーボン:はい。
一応解説しておこう。ザーボンは、元々気を感じ取る技術は無く、スカウター頼りだった事を反省しており、幻想郷に来てからは師である華扇やパートナーの小傘、修行仲間の霊夢と共に真面目に修行を続けているのだ。その際、気を探る技術を教え込まれていた。まだまだ修行が必要なものの、彼は日々成長し続けているのだった
雷鼓:御疲れ、ザーボン♪
小傘:タオルをどうぞ。
傍で見学していた小傘と雷鼓が、ザーボンに歩み寄る
ザーボン:有難うございます。
ザーボンは、小傘に手渡されたタオルで汗を拭う
ラディッツ:よぅ、やってるな。
小傘:あ、ラディッツさん。
霊夢:珍しいわね。御参りなら、賽銭箱は此方よ。それとも、アンタも修行しに来たの?
ラディッツ:生憎と、そのどっちでもねぇな。ザーボン、お前に少し用があってな。
ザーボン:私に用だと?
ラディッツ:実はだな・・・
ラディッツは、後日人里で開催される演劇の演目が白雪姫に決定した事、それに役者として出演して欲しくて、気を探って此処(博麗神社)にやって来た事を伝えた
ザーボン:演劇会か・・・
小傘:そう言えば、里の子供達がそんな事言ってたっけ。
霊夢:で、演目が白雪姫と・・・
ラディッツ:そうだ。
雷鼓:白雪姫ってアレよね?意地悪な母親の嫌がらせで命の危機になる女の子を、御供の小人達や王子様が助けて幸せになる話。
華扇:大分ザックリしてるわね・・・
ラディッツ:まぁ大まかな流れはそうらしいな。詳しくは知らんが・・・で、その中に出て来る王子の役で、お前に出演して貰いたいと思ってな。
ザーボン:私が・・・王子の役を?
ラディッツ:あぁ。
雷鼓:へー、良いじゃない♪ザーボンって美形だし、ハマり役じゃん♪
霊夢:まぁそうねぇ・・・
ザーボン:し、しかし・・・
華扇:人里の子供達を楽しませるのもまた、贖罪と言えるわ。それに、何事も経験よ。
ザーボン:な、成る程・・・
華扇:師匠命令よ、ザーボン。里の子供達の笑顔の為に、演劇に役者として参加なさい。
華扇は、ビシッとそう言い放つ
ザーボン:華扇様の仰せのままに。
華扇の命令に背く事は出来ず、ザーボンは軽く御辞儀しながら了承するのだった
ラディッツ:出演決定って事で良いんだな?
ザーボン:そうなるな。
霊夢:コレで王子役は彼として、他は決まってるの?
ラディッツ:いや、他の役はまだだ。
霊夢:フム・・・
雷鼓:ハイハイハーイ♪
雷鼓が元気良く手を挙げる
ラディッツ:どうした?
雷鼓:王子様の御相手の白雪姫役に・・・この子を推薦するわ♪
そう言いつつ、雷鼓は横に居た小傘をズイッと前に出す
小傘:・・・へっ・・・?
小傘は、突然の事にポカンとしている
ラディッツ:と言ってるが、どうだ?
小傘:い、いやいやいや!わちきみたいな地味で目立たない子に、そんな重要な役無理だって!
小傘は、アワアワしながら断ろうとしている
霊夢:地味で目立たない・・・ねぇ・・・
霊夢は、小傘の分身(と言うより本体)である大きな傘や、彼女の特徴的な容姿を見つつゆっくりと溜め息を吐く
雷鼓:そんな事無いって♪イケるイケる♪
小傘:わ、わちきよりも雷鼓ちゃんがやりなよ!
雷鼓:いやぁ、私は御姫様ってガラじゃないし・・・小傘って、いかにもか弱くて儚くて幸薄そうで、守ってあげなきゃいけない感じで丁度良いじゃん♪
小傘:何かサラッと失礼な事言われた!?
雷鼓:それにさ小傘・・・
小傘:な、何?
雷鼓は、小傘に耳打ちで何かを伝えた。すると、小傘はハッとした表情に変わる。少しして耳打ちが終わり・・・
雷鼓:で?どうする?
小傘:やります!白雪姫!是非やらせて下さいっ!
小傘は、右手を高々と挙げて参加表明をした
ラディッツ:お、おう・・・何だか分からんが、引き受けてくれるってんなら助かるぜ・・・
何故か突然白雪姫の役をやりたがった小傘に対し、ラディッツは少し気圧されつつ了承した
霊夢:アンタ、化け傘に何吹き込んだのよ?
雷鼓:ちょっとね。あ、それと私も役者として参加するわ。
ラディッツ:そりゃ助かるが、何の役をやりたいんだ?
雷鼓:白雪姫を助ける小人役で。人数必要だろうし、私から同胞達に協力して貰える様に頼んでおくわね。
ラディッツ:話が早くて助かるよ。
華扇:霊夢、貴方はどうするの?
霊夢:私は、里の妖怪達の監視もあるから遠慮しとくわ。そう言うアンタはどうなのよ?
華扇:弟子達の晴れ舞台、観客としてこの目に焼き付けておこうと思ってるわ。
霊夢:要するに不参加って事ね・・・
ラディッツ:まぁ後の役はこっちでどうにかするさ。それじゃ、後日集まって貰う事になると思うが、その時は宜しく頼むぞ。
ザーボン:良いだろう。
雷鼓:了解♪
小傘:分かりました。
ザーボン、小傘、雷鼓の参加の意思を確認し、ラディッツはその場から移動した
今の所、決まった役職確認
白雪姫:小傘
王子:ザーボン
小人A:雷鼓
因みに、残りの小人は付喪神達になるでしょう