誇り高き弱虫の幻想郷生活   作:パラリズム

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ドキドキ演劇会 その6


第471話

再び寺子屋で開催されている演劇会。今回の演目は白雪姫。満員御礼の中、劇は順調に進み、少しの休憩を挟んだ後、舞台装置や小道具等の準備が整い、いよいよ後半に差し掛かるのだった

 

はたて:白雪姫が深い眠りに就いて暫くして、仕事に出ていた白雪姫の友達の小人達が帰って来ました。家の外で倒れている白雪姫を見付けた小人達は、驚いて白雪姫に駆け寄りました。

 

雷鼓:皆、白雪姫の様子がおかしいわ。

 

弁々:白雪姫、起きて。

 

八橋:こんな所で眠っては、風邪を引いてしまうわ。

 

はたて:白雪姫の異変を感じ、色々な手を使い白雪姫の目を覚まさせようとする小人達でしたが、白雪姫は眠ったまま目を覚ましません。

 

こころ:白雪姫、御願いだから起きておくれよ。

 

大妖精:一体、私達の居ない間に彼女に何が・・・

 

鈴仙:このままにしてはおけないわ。一先ず、ベッドに白雪姫を寝かせよう。

 

妹紅:それが良さそうだ、そうしよう。

 

少しの間舞台が暗転し、再び舞台が明るくなると、白雪姫の体が用意されたベッドに乗せられていた

 

はたて:小人達が、白雪姫の目を覚まさせようと尚も手を尽くしている丁度その時、彼女達の近くを通り掛かったのは、森から離れた御城に住む王子様でした。

 

語り部であるはたての言葉の後、王子の衣装に身を包んだザーボンが舞台に姿を現した

 

ザーボン:こんな所に森の小人達が・・・何か困り事でも?

 

雷鼓:貴方は確か、御城の王子様?

 

ザーボン:いかにも。

 

弁々:実は、私達の友達の白雪姫が何をしても目を覚まさないのです。

 

ザーボン:白雪姫とは、其処に居る御嬢さんの事かな?

 

八橋:そうです。

 

ザーボン:おぉ、何と美しい御嬢さんだ・・・

 

こころ:白雪姫がこうなった理由も分からないままで、どうしたら良いのか分からず・・・

 

鈴仙:其処に、貴方が通り掛かったと言う訳です。

 

ザーボン:フム・・・

 

大妖精:どうか、王子様の御力で白雪姫を目覚めさせては頂けないでしょうか?

 

ザーボン:とは言っても、一体どうすれば・・・

 

雷鼓:此処はやっぱり、熱い口付け等いかがでしょうか?

 

ザーボン:えっ?

 

雷鼓のその言葉に、会場がザワめき始める

 

鈴仙:白雪姫を助ける為と思って。

 

弁々:是非御願いします。

 

八橋:王子様♪

 

こころ:さぁさぁ。

 

ザーボン:・・・わ、分かりました。やってみましょう。

 

はたて:王子様は、眠ったままの白雪姫の傍に歩み寄り、地面に片膝と付き、ゆっくりと顔を近付けました。

 

因みに現在、ザーボンと小傘の顔がかなり近付いてはいるが、あくまでも演技の為、口付けはしていない状況である。と、それを見ていた雷鼓が、無言ではあるが悪戯な笑みを浮かべつつ、ゆっくりと2人に近付いて行くのだった

 

弁々:ら、雷鼓姐さん?

 

八橋:一体何を・・・

 

雷鼓:王子様、ちょっと失礼・・・

 

雷鼓は、かなり小声でそう言いつつ、ザーボンの膝に軽く足払いを仕掛けた。その拍子に、ザーボンはバランスを崩して前に倒れ込み、小傘と本当に口付けをする事になってしまったのだった

 

大妖精:あっ・・・

 

妹紅:なっ・・・

 

鈴仙:えっ・・・

 

その光景に、少しの間会場と舞台裏の全てが静まり返るが・・・

 

子供A:お、王子様が・・・白雪姫にチューしたぁっ!

 

直ぐに観客の子供達から次々に歓声が上がり、次いで女性客達からも同じ様な声が上がった

 

はたて:えっ?マジで!?

 

因みに、語り部であるはたては、次の台詞の確認に集中していた為にその現場を直接見ておらず、観客達の歓声で思わず素で驚いているのだった。一方、舞台裏でも女性陣がその光景と観客達の歓声で騒ぎ始めていた・・・(ラディッツは、その手の事には鈍いので分かっていない様子であるが)

 

アリス:ま、まさかのトラブルだわ・・・

 

パチュリー:衆目の目の前で見せ付けるとは・・・

 

ラディッツ:おい、何故観客達はこんなに騒いでるんだ?

 

小悪魔:いや、何故ってそれは・・・

 

パチュリー:小悪魔、その鈍感男に何を言っても無駄よ。

 

小悪魔:は、はぁ・・・

 

フラン:ど、どうする?劇は中止する?

 

小悪魔:そ、それはいけません!ですよね監督?

 

アリス:も、勿論よ!劇は続けるわ!

 

ラディッツ:・・・さっぱり分からん・・・

 

舞台の面々やはたてが舞台裏の方を見ると、“演技続行”と書かれたカンペを掲げたアリスや、応援しているフラン、小悪魔らの姿があった。それを察した面々は、その指示に従うのだった

 

はたて:えーっと・・・王子様の口付けに応えるかの様に、白雪姫が深い眠りから目覚めました。

 

小傘:・・・

 

起き上がった小傘だったが、突然のトラブルでボーッとした様子である

 

弁々:小傘、台詞台詞。

 

八橋:小傘、しっかり。

 

弁々や八橋達が、観客に聞こえないくらいの小声で小傘に台詞を言う様に促している

 

ザーボン:小傘さん・・・その・・・言いたい事は多々あるでしょうが、此処は演技に集中しましょう。話は後で必ず。

 

ザーボンも、申し訳無さそうに小傘にそう言葉を掛ける。その言葉を聞き、小傘はゆっくりと台詞を口にするのだった

 

小傘:私は一体・・・

 

こころ:白雪姫、目覚めて本当に良かった♪

 

鈴仙 :もう目覚めてくれないのかと思いましたよ。

 

妹紅:王子様の御陰だよ、有難う。

 

ザーボン:い、いえ・・・大した事は・・・

 

小傘:王子様・・・貴方が私を助けて下さったのですか?

 

ザーボン:えぇ、まぁ・・・白雪姫。

 

小傘:ハ、ハイ!

 

ザーボン:その・・・私は、貴方のその美しさに心を奪われてしまいました。もし貴方さえ宜しければ、私の住む御城に来て、私と結婚をして頂けませんか?

 

演技とは言え、先のトラブルの事もあり、顔が赤くなる小傘だったが、直ぐに台詞を口にするのだった

 

小傘:えっと・・・その・・・私で宜しければ。

 

ザーボン:有難う、白雪姫。

 

小傘:あ、それと・・・出来ればこの子達(森の小人達)も一緒に・・・と思うんですけど・・・

 

ザーボン:勿論、構いませんよ。

 

はたて :こうして、白雪姫と森の小人達は王子様の御城に住む事になり、直ぐ後に王子様と白雪姫は結ばれ、未来永劫幸せに暮らしたと言う事です。めでたしめでたし。

 

多少のトラブルはあったものの、劇は完結を迎え、最後に舞台に勢揃いした役者の面々には、会場の観客達から拍手と歓声が送られたのだった




さて、劇は完結となりますが、エピローグとしてもうちょっとだけ御付き合い下さい

雷鼓のキラーアシストにより、トラブルを起こしてしまったザーボンと小傘。彼等はどうなってしまうのか・・・
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