誇り高き弱虫の幻想郷生活   作:パラリズム

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隙間妖怪の依頼 その2


第490話

隙間妖怪の八雲紫から、『人里の外れにある廃寺で起きる怪奇現象の調査』と言う依頼を受けたターレス率いる新生クラッシャー軍団の面々。早速調査の為に廃寺にやって来た一行だったが、当然と言うべきか、辺りは不気味なくらい静まり返っていた

 

こいし:うーわ、ボロっちい御寺だねぇ。

 

天子:人っ子1人居ないじゃない。いやまぁ、廃寺だし当然なんだけど・・・隙間妖怪が暇潰しに流したガセネタだったんじゃないの?

 

ターレス:此処で間違いねぇんだろうな?

 

椛:間違いありませんよ。まぁ怪奇現象とやらの目撃情報はどれも日没後・・・今はまだ昼間。日没まではまだ数時間ありますからね。

 

天子:なら、こんな時間にわざわざ出向く必要は無かったんじゃない?

 

椛:万一の事も考えられますし、早くから見張っておくべきと思ったので。

 

天子:真面目と言うか何と言うか・・・

 

ターレス:まぁ取り敢えず、此処で4人固まっててもしょうがねぇ。手分けして辺りを見張るとするか。

 

椛:そうしましょう。何かあれば、即座に報告するって事で。

 

と言う訳で、それぞれが少し離れた場所にスタンバイし、辺りを見張り始める。しかし、誰も現れないままあっと言う間に日没となってしまった・・・

 

ターレス:日が暮れちまった・・・

 

天子:結局誰も来ないじゃないの!

 

こいし:退屈だよー・・・

 

椛:隙間妖怪の情報に偽りが無ければ、寧ろコレからが本番なんですよ。気合い入れ直して下さい。

 

天子:そんな事言われてもねぇ・・・

 

こいし:ねぇ皆!アレ見て!

 

一行の目の前、空中に緑色の人魂の様な物体が複数個出現し、フヨフヨと漂い始める

 

天子:人魂!?

 

椛:コレは一体・・・

 

人魂は尚も漂いつつ、その全てが廃寺の左側の森の方へと移動を始める

 

こいし:何処かに向かおうとしてるのかな?

 

ターレス:天子!こいし!

 

こいし:合点!追い掛けろって言う事だね?

 

ターレス:話が早くて助かるぜ。

 

天子:しゃーないわね!

 

こいしと天子は、何処かへ向かう人魂の群れを追い掛けて廃寺の左側奥にある森の中へ向かう。少し追い掛けて辿り着いたのは、やはり使われなくなってすっかり寂れた墓地だった

 

こいし:此処って・・・御墓?

 

天子:みたいね。当然だけど、此処も手入れとか一切されてなくて、墓石もボロボロだったり苔生してたり・・・しかも日が暮れてるのもあって、妙に雰囲気出てるわね・・・

 

そんな2人の目の前には、先の緑色の人魂の群れが集まり、尚も漂い続けていた

 

こいし:・・・もしかしたらだけど・・・この人魂達は、私達と同じく外の世界で忘れられて此処に集まったのかも・・・それで、淋しくなっちゃった気持ちを御互いに慰め合ってたとか・・・此処に来た人達の前に出て来たのも、もしかしたら歓迎してくれてたのか・・・それとも、寂しくて寄って来ちゃっただけとか・・・

 

天子:全部推測の域は出ないし、人魂にそう言う感情があるのかどうかも分かんないけど・・・もしかしたら、そうなのかも知れないわね。

 

こいし:今度、此処に聖を連れて来るよ。あの人なら、此処の人魂達も助けてあげられるかも知れないから。

 

天子:好きになさい。

 

こいし:皆♪また来るからねーっ♪

 

漂う人魂の達に明るく元気に挨拶し、2人はその場を後にする。人魂達は、2人を見送った後ゆっくり消えた。2人はターレスと椛の元に戻り、墓地で見た事をありのまま伝えた

 

ターレス:廃れた墓地に漂う無数の人魂ね・・・

 

椛:光が漂っているのを見たって言う目撃情報は、それだったんですかね。

 

天子:恐らくは・・・

 

こいし:そう言えば、他にもあったよね?確か、誰も居ない筈なのに物音がするとかって。

 

ターレス:あぁ、そんな話もあったな・・・

 

椛:遊んでた癖にしっかり聞いてたんですね・・・

 

天子:そっちも調べるの?

 

椛:当然です。報告が必要ですからね。

 

その直後、寺の裏手の方から物音がする

 

ターレス:・・・今の聞いたか?

 

椛:えぇ、私達以外にも誰か居ますね・・・一体いつの間に侵入して来たのか・・・

 

こいし:夜にこんな所に何の用だろ?

 

天子:それは、本人に聞けば良いでしょ!

 

再び2人ずつに分かれ、物音の主を両側から挟み打ち様に移動する(犯人の姿は、某探偵アニメの黒い人を思い出して頂ければ)

 

ターレス:其処までだ。

 

椛:逃がしはしない!

 

犯人:ハッ!?

 

天子:大人しくする事ね。

 

こいし:逮捕しちゃうぞーっ♪

 

犯人:くっ!

 

犯人は逃走を図ろうとするも、逃げ場を完全に塞がれている状況に観念するしか無かった。その正体は、最近人里を騒がせている金目の物を盗んでは姿を消す為に何故か捕まらない、手配されている窃盗グループの一員だった。誰も居ない廃寺である事に狙いを付け、寺の裏手で兼ねてより埋めていた分け前の金品を掘り出そうとしていた所を今回彼等に目撃されたのだった

 

ターレス:今まではどうにか逃げ続けていられた様だが、とうとう悪運尽きた様だな。

 

椛:貴方の事は、役人に突き出します。其処で、仲間の情報を全て話すんですね。

 

犯人:クッ・・・ソォ・・・

 

ガックリと項垂れた犯人。紫に連絡し、事情説明と報告の後犯人を役人に引き渡した。それからすぐ後、手配されていた犯人グループは芋蔓式に捕まり、壊滅するのだった。因みに、廃寺の墓場の人魂達は、白蓮の御経や冥界の幽々子達の力により浄土に送られ、その後廃寺は取り壊される事になったと言う。役人からの報奨金や、紫からの依頼達成の報酬を得た新生クラッシャー軍団。それからは、一行の財布役を任されている(と言うより、彼女以外には無理なので仕方無く)椛の金銭管理がより厳重になったとかどうとか・・・




次回からシリアスになるかと思います
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