誇り高き弱虫の幻想郷生活   作:パラリズム

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第60話

此処は、幻想郷の賢者である八雲紫と、彼女の式神達が暮らしている屋敷。その日、ターレスと椛は、大切な話をする為に此処を訪れていた

 

紫:妖怪の山の一件は、新聞を読んで把握したわ。貴方が此処で上手くやれるか、少し心配だったんだけど…どうやら、その心配は杞憂だったみたいね。可愛い相棒も出来て、スタートダッシュは上々と言った所かしら?

 

ターレス:まぁな…

 

紫:それで?大切な話って言うのは何かしら?

 

ターレス:単刀直入に聞く。アンタや神は、ドラゴンボールがこの幻想郷にも存在してると言ってた。アレは本当なのか?

 

紫:あぁ、その事…さーて、私そんな事言ったかしらねぇ…

 

ターレス:惚けるな。此方は真面目に聞いてんだ。

 

紫:そんなに睨まないでよ…んん…あの話には、嘘偽りなんか全く無い。この幻想郷にも、ドラゴンボールは存在してるわ。

 

椛:確か、7つ集めれば良いんでしたよね?

 

紫:そうよ。

 

ターレス:それが何処にあるか、アンタは知ってるのか?

 

紫:私だって、方々に散らばる全てのボールの在り処までは分からないわ。只1つを除いてはね…

 

ターレス:あぁ?

 

紫:えっと…確か此処に入れといた筈…

 

そう言うと、紫は自分の横に隙間を開き、その中から掌に乗るサイズのオレンジ色の球を取り出した。その球には、4つの赤い星の模様が描かれていた

 

ターレス:おい…まさか…

 

紫:御察しの通りよ。コレこそ、7つ集めればどんな願いでも叶えてくれる不思議な球、ドラゴンボールよ。

 

椛:それが、ドラゴンボール…

 

ターレス:思ってたより小さいんだな…実は偽物だ、なんて事はねぇだろうな?

 

紫:正真正銘のドラゴンボールよ。コレは、4つ星が付いてるから四星球(スーシンチュウ)ね。

 

椛:スーシンチュウ?

 

紫:球に描かれた星の数で、それぞれ呼び方が変わってるのよ。コレ以外に、1つ星の一星球(イーシンチュウ)、2つ星の二星球(リャンシンチュウ)、3つ星の三星球(サンシンチュウ)、5つ星の五星球(ウーシンチュウ)、6つ星の六星球(リュウシンチュウ)、7つ星の七星球(チーシンチュウ)があるわ。

 

椛:な、成る程…

 

ターレス:他のは持ってねぇのか?

 

紫:生憎、私が持ち合わせてるのはコレだけよ。後のボールは、まだ見付かってないのよ。私自身での捜索は勿論、式神達にも探させてるんだけどね…

 

ターレス:紫、無礼を承知で頼む。ソイツを、俺達に譲ってくれねぇか?

 

紫:一応、理由を聞かせて貰えるかしら?

 

ターレス:妖怪の山の一件で、コイツの仲間はナッパと栽培マン共に皆殺しにされた…ソイツらを生き返らせる為に、ドラゴンボールが必要だ。

 

紫:・・・

 

ターレス:俺は、本来地獄に居る筈の大罪人だ。アンタは、俺がまた何かやらかさねぇ様に監視するのも仕事なんだろうし、こんな事を頼める立場じゃねぇのは分かってる。だが、コイツと約束したんだ。

 

紫:・・・

 

ターレス:頼む…

 

両の手を付き、深々と頭を下げたターレス。彼のその行動に、椛と紫は驚きを隠せなかった

 

紫:クロノア様…いえ、時の界王神様から、貴方は結構な野心家だと聞いてるわ。ボールが揃い次第、その子や私達を裏切って自分の願いを叶える可能性だってあるわ。

 

ターレス:・・・

 

椛:彼が過去に何をしたかは知りませんが、幾ら何でも失礼じゃないですか?

 

紫:貴方だって、彼が力を得る為に散々利用された挙げ句、捨てられてしまう可能性だってあるのよ?

 

椛:そんな人じゃありません。彼は、私を守ってくれました。仲間を失って落ち込む私に、手を差し伸べてくれました。そして、私を鍛えてくれると言ってくれました。あの言葉や行動が嘘だったとは、私には思えません。

 

紫:・・・

 

椛:彼が居なければ、私は今頃仲間達を守れなかったと言う後悔と自分の非力さとで、とっくに押し潰されていたでしょう。いえ、そもそも生きてたかすらも…

 

紫:・・・

 

椛:私は、彼を信じます。そして、この力を彼の為に使うと決めたんです。全ては、彼に受けた御恩を返す為に…万が一…億が一、彼が私を捨てる事があったなら…それは、私が彼の期待に応える事が出来なかったと言う事…そうならない様に、鍛練は続けるつもりです。

 

紫:信頼されてるのね…

 

ターレス:・・・

 

紫:ふぅ…ちょっと意地悪過ぎたかしらね…

 

椛:えっ?

 

紫:確かに、神様達から彼の監視を頼まれはしたわ。だけど、彼がそんな人じゃないのくらいは分かるわよ。さぁ、頭を上げて頂戴。

 

ターレス:・・・(頭を上げる)

 

紫:私とも約束して頂戴。絶対にその子を裏切らないと…

 

ターレス:あぁ、分かった…

 

紫:宜しい。ターレスさん、手を出して。

 

ターレス:手を?

 

紫:えぇ。

 

ターレス:・・・

 

紫:では…

 

紫は、ターレスが出した掌にドラゴンボールをしっかりと握らせた

 

ターレス:コレは…

 

紫:私からの信頼の証よ。約束を破ったら、許さないわよ?

 

ターレス:すまねぇ、確かに受け取ったぜ。

 

紫:えぇ。コレで、気兼ね無く旅行に行けるわ

 

ターレス:旅行?

 

紫:言ってなかったかしら?近々、幻想郷の御偉いさん全員参加の温泉旅行に出掛ける事になってるのよ。因みに、発案したのは私よ。

 

ターレス:呑気なもんだ…そんな事してる暇なんかねぇだろうが…

 

紫:あら、偶には骨休めするのも大事なのよ?特に、普段皆を纏める立場の人達にはね。まぁこの旅行には、他勢力との交流により、更に絆を深めるって目的もあるんだけどね。

 

ターレス:只の旅行って訳でもねぇって事か。権力者ってのは、色々大変だな…

 

椛:ですね…

 

紫:あ、また言い忘れてたわ…私は、式神達も連れてくつもりだから。と言う訳で、屋敷は少しの間留守にするから宜しくね。突然の呼び出しとかは無しにしてね?

 

ターレス:へいへい…旅行の準備の邪魔をしちゃ悪いし、そろそろ行くか。

 

椛:そうしましょうか。

 

ターレス:ま、精々楽しんで来るこったな。

 

紫:えぇ、そのつもりよ

 

ターレスと椛は、旅行の準備の邪魔にならない様に屋敷を出て歩き出した

 

椛:まさか、紫さんがドラゴンボールを持っていただなんて思いませんでしたよ。

 

ターレス:ボールを持ってた事にも驚いたが、あちこち探してる様な事も言ってたな。アイツにも、何か叶えたい願いがあるのか…例えば、力が欲しいとか…

 

椛:彼女の実力は、幻想郷最強レベルですよ?滅多に戦わず、戦ったとしても実力を出す事は殆ど無いそうですし。なので、それは無いかと。

 

ターレス:じゃあ、不死身になりたいとかか…

 

椛:極一部の人達を除き、不死身とまではいきませんが、私達妖怪は人間達より遥かに長生きなんです。彼女も、軽く千年以上生きてる筈です。長く生きてると色々苦労もありますし、可能性は低いかと。

 

ターレス:じゃあ…若返りたいとかか?

 

椛:あ、それが一番ありそうですね。彼女、自分の事を“ゆかりんは永遠の17歳だ”とかってほざいてましたし。

 

ターレス:そりゃ痛ぇな…紫には悪いが、ドラゴンボールは俺達が先に全部見付けるぞ。時間は掛かりそうだが、大丈夫そうか?

 

椛:どんな願いでも叶う物である以上、そんな簡単に見付かる物では無いと覚悟はしてます。

 

ターレス:だろうな…だが、何としても見付け出す。気合い入れてけよ?

 

椛:はい!

 

紫:気のせいかしら…今さっき、何処かで失礼な事を言われた様な気がするわ…




今回、ラディッツ達は出番ありませんでした

代わりに、犬猿コンビと紫さんが登場しました

そして、紫が持っていた四星球がターレス達の手に渡りました

椛の能力を使えば、探すのは簡単なのかも…とは思いましたが、ボール探しの為にとあるキャラに助力を頼みに行きます

コレは、もう少し後の話ですけどね

ネタバレ的な話ばかりでスミマセン

さて、紫さんが御偉いさん全員参加の旅行を発案したと言っていましたが、コレ結構大事なんですよ

個人的な意見ですが、不思議の幻想郷とかダブルフォーカスの椛の声がメッチャ可愛い(一番の嫁の魔理沙も普通に合ってて好きです)

特に、ダブルフォーカスで椛が伏せをする時に言うワンに萌えてしまった…
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