女王領域調査官の四姉妹   作:ぱる@鏡崎琴春夜

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任じられた仕事
目指せ!G級


 モンスターハンター

 それは人類と言う枠を超えたバケモノ(ハンター)(正真正銘のバケモノ)の命の取り合いであり、どちらも自らの欲望に身を任せながら今日も世界のどこかで何処かのハンターが何処かの竜と殺しあっているだろう。

 

 そんななかとある四姉妹がG級ハンターになろうととあるクエストを受けようとしていた。

 

「前々から思ってたけどG級に上がるのに女王領域50分生き残れとか頭が逝かれているのではないのかしら?」

「いいか椿姉、今すぐその発言を撤回しろ。ギルマスがすごい殺意を持った目でこっちを見ている」

「榎姉様は心配性じゃな・・・と思っておったがどうやら事実のようじゃ」

「これだから姉さんたちは色々と失敗するのですね」

「「「その三割は柊の仕掛けた罠でしょ(じゃろが)!!!」」」

 四姉妹の装備は皆アカム装備一式であるが横に携える武器たちは全くもって別だった。

 

 長女の椿(ツバキ)は大剣

 次女の(エノキ)は片手剣

 三女の(ヒサギ)は太刀

 四女の(ヒイラギ)はハンマー

 

 見事に近接武器だけだが連携は流石姉妹とつい誉めてしまえるような連携のとれたパーティーだった。

 

 

 つい最近までは上位でコツコツと稼いでいたのだが、最近どこのクエストにも修羅種が出てくるようになってからは、昔は下位クエストだったものでも今では上位でないと受けさせてもらえないというクエストが増えていき『G級』に上がった方がいいのではという結論に姉妹全員が至り、今に至る。

 

「しかし、本当にめんどくさそうなクエストよね」

「クリア条件は生き残ることだが、サブタゲは修羅種一体の討伐だそうだ」

「一体なら簡単じゃろ」

「血の匂いに誘われてほかの修羅種が来ないとは限りないです」

 

 そうは言いながら着々とクエストの契約を済ませる四人。

 

「命の保証はありませんが大丈夫ですね?」

 受付嬢から初めて言われる言葉に早速心が折れそうになる四人だった。

 

 ~☆Now Loading☆~

 

【女王領域】

 かつて絶島と呼ばれた島が、星焔竜によって環境を変えられた事で誕生した。

 湖の大樹を中心に北に凍土、南に火山。

 島全体を囲う様に密林が群生し、東には砂漠が。

 西には特殊なエリア、海水林が存在する。

 浅瀬の海の中に、アマゾンで見られる特殊な木々が生えており、このエリア独自の生態系が見られる。

 また、女王領域に生息するモンスターは9割が特異個体。

 (天地鳴動の星焔竜より抜粋)

 

 

 飛行船から降りた先は修羅種に破壊され、残骸となったベースキャンプ(瓦礫)だった。

「これ五十分間生きてられるかしら?」

BC(ベースキャンプ)がこれなら、ここまで修羅種来るんじゃないか?」

「これじゃ寝れもせんの・・・」

燃鱗(ネンリン)スキル付けてきたけどこれじゃあ効かないよね」

 四人は別々の感想を(いだ)きながらも己の装備を確認し、BCから人類が手こずるバケモノの園に飛び出して行った。

 

 ~☆Now Loading☆~

 

〔エリア1〕

 エリア1は木々が生い茂り、ロクに大剣も振り回せないような大森林だった。

「周囲に気配四つ、全て修羅種と断定」

「It's Show Time!」

「この木は切っても環境破壊の罪で訴えられんじゃろうな?」

「さぁて!どいつから頭蓋叩き割ってやりましょうか!」

 モンスターには困ったことだが、この四人は常に今の戦場を楽しむというとても職業に熱心なハンターだった。

 少しサイコな思考や戦闘狂だが人類としては素晴らしいい性格だった。

 

<クエストスタート!>

 

 少し早目の昼食にしようと四人を狙う哀れな四体のモンスター達はこちら↓

・滅炎 ディノバルド

・黒雷 ジンオウガ

・咆竜 ティガレックス

・颯竜 ナルガクルガ

 

 まず最初に襲ってきたのはディノバルドだった。

 すでに赤くなっている尻尾を口にくわえながらこちらに突進してくる。

 それを椿が自分の大剣をディノバルドの尻尾と刃がぶつかり合うように構え、ディノバルドの突進を受け止める。

 軟らかくなっていた尻尾が大剣に食い込み痛みに顔を歪めるディノバルド。

 しかしそれを見逃さず刃を右に傾けさらに食い込ませる。

 更に追い討ちをかけるように榎がディノバルドの腹を力任せに横一線に切る。

 そして止めとばかりに楸が首を切り落とし柊がハンマーでその頭を叩き潰す。

 

 脳という命令器官を無くしたディノバルドの胴体がドシンという腹の奥まで響く音をたて倒れる。

 切られた首や腹からは赤い血が滴り落ち、大きな血溜まりを作る。

 

 これを見たナルガクルガは撤退に移り、ジンオウガは距離を取る。

 本能的にヤバイと感じて逃げや防御の状態に移ろうとする二体を他所に、たった一体で木々の間を天狗のように跳ねながら襲ってくるティガレックス。

 

 しかし現実は非情だった。

 榎がティガレックスと同じように木々の間を跳ね回り着々と切り傷を増やす。

 ティガレックスは焦れったくなったのか他の三人に襲い掛かろうとするも大剣に腹を刺され、威力が大幅に下がった所に楸が抜刀術でティガレックスを縦に真っ二つに切る。

 二つに切られている時点で絶命しているのだが、それを柊がハンマーで文字道理死体打ちをかます。

 

 

 自分と同じくらいの強さを持つ二体がアッサリ殺されたことに戦意喪失したジンオウガは、素早くその場を去る。

 『負けそうなので逃げる』ある意味賢い生き方ではあるが、ジンオウガは忘れていた。

 森の木々を自由自在に跳ね回る榎のことを。

 

 

 真っ二つに割れ、臓物や血が溢れるティガレックスや、切腹するような形で死んだディノバルドの剥ぎ取りをしているとジンオウガが逃げた方向から物音が聞こえたためそちらを見るとそこには全身が切り傷だらけで死んでいるジンオウガを片手で引きずって帰ってきた榎だった。

 

「ナルガクルガはどうしたのじゃ?」

「毒が全身に行き渡ってはある程度価値が下がりますわね」

「諦めなよ楸姉様、この状況では賭けは私の勝ちです」

 修羅種のジンオウガをたった一人で狩って帰ってきた自分の姉妹にかける言葉としては少しおかしいのかもしれないが、ある意味この姉妹なら普通なのかもしれない。

「ナルガクルガには逃げられた・・・毒は仕掛けたからどっかでくたばってるだろう」

 

 狩った全ての大型モンスターの剥ぎ取りを終わらせ柊の持ってきていた松明で焚き火をつける椿。

 モンスターの血のせいで切れ味が落ちた武器を砥石で研ぐ榎。

 妹に賭けで負け、二千Zを払うはめになった楸

 姉に賭けで勝ち臨時収入を手に入れてホクホク顔の柊

 

 このままこの四人は修羅種があふれる森で50分待つことにした。

 

「案外簡単でしたね」

「ここは飛び跳ねやすいしな」

「儂は抜刀術が使いにくい、ここは嫌じゃの」

「こんなに頭が潰し難いとこは嫌です」

 

<クエストクリア!>

 

~☆Now Loading☆~

 

 50分きっかりにやって来た飛行船に拾われ、バレバレにたどり着く四人。

 晴れて四人は『G級』になったわけだが、優れた資質は、いつも上に振り回されたりするわけで・・・

 

「四人ともよくやってくれた、クエストクリアおめでとう」

「「「「ありがとうございます」」」」

「女王領域を無事で帰ってきて、それも無傷とは恐れ入った」

 そこでギルドマスターは一言区切り四人に向かいちょっとしたお願いをして来た。

「さて、そんな優秀な君たちを女王領域調査官に任命したいと思う」

「丁重にお断りさせてもらいますわ」

「断らせてもらう」

「拒否じゃ」

「姉ならどうぞご自由にしていいですから私だけは」

「残念だが君たちに拒否権はない」

 ギルドマスターの非情なる一言。

 

「「「「あんまりだぁぁ!」」」」

 

 こうして彼女たち四人は晴れて女王領域調査官に任命された。




モンスターなハンターだね
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