本家、分家と出てきますがこれは始祖の四人の血液の濃さを失ってゆく速さの速さで分けています。
本家の方も少しずつ薄れはしますが、樹形図のように真中からどんどん離れていくのが分家だと考えてください
名もなき草原、ギルドですらそこに集落があることは知らない。
その集落に名前はない、しかしその集落のことを知る者は皆その集落のことを『修羅の里』と呼んでいた。
「帰ってきましたわね」
「遺憾ながらな」
「めんどくさいのう」
「ちゃっちゃと終わらせて帰ろーよー」
修羅種から作った軽装備に身を包む四人からはやる気がこれっぽっちも感じられない。
そんな四人に後ろから声がかかる。
「本家の皆さんは暇そうですね」
振り返ればインテリメガネの名も知らない誰かが居た。
本人が言った言葉で察するにこいつは分家の方なのだろう。
例外はあるが本家は実践的な技術を使い、分家は柔軟な発想のもとで産み出された奇抜な技術を使う。
分家のインテリは腰につけているハンターナイフが武器だと思われる。
どんな竜にも刺さるハンターナイフはまさに柔軟な発想だと言えるだろう。
もしかしたらあの星焔竜だって刺さるのではないだろうか。
「喧嘩は買いませんわよ?」
「無駄にメンドイ奴が言うセリフだな」
「めんどくさいのう」
「ちゃっちゃと終わらせて帰ろーよー」
全く意に反そうともしない四人。
その行動は、もはやインテリを注意するまでもないとでも言外に言っている。
「本家の座は、渡してもらいますよ」
この集落では本家のみに養子の制度がある。
理由は単純で跡取りのためである。
例えば年二回の殺し合いで自分の子供が死んでしまい跡取りが居なくなってしまった場合や、分家の子供で磨けば光る筋の良い者を本家に迎え入れて鍛えるなどの場合である。
本家当主になれば一族を意のままに操ることも可能であるし、富も莫大出はないものの一応大金はある。
野望に満ちた分家は、最も本家に自分の実力を見せることのできる可能性の高い殺し合いで行動を行う。
「本家の座は貰う」的なことを言ってその場を立ち去るインテリメガネ。
戦わずして勝つなら暗殺と言う手もある為周りに気を付けるべきだと思う四人。
「さて、大会より前に御父様に会うべきだと思うのですが異論は有りますか?」
「ないな」
「義父上に会うのは何時ぶりかのう?」
「義父さんの好物って何だっけ?」
四人はシリアス何てものとは無縁のようだった。
談笑しながら自宅へと進む四人に向かって迫り来る弓矢と銃弾。
弓の風切る音は小さく、銃弾には消音機構が備わっている。
しかし流石は本家の四人、弓矢は掴み取り銃弾は向きをそらす。
殺されかけたのにハイそうですかで引き下がることは出来ないとばかりに四人は近くにいた名も知らない人が引っ提げていた銃を奪い構える。
相手がこちらを撃った場所はわかっているためそこに銃を向けるがそこにはすでに相手はおらず姿は見えない。
「近接だけじゃ本家では生きていけないのですわよ」
「取りあえずなんだ、死ね」
「アイドルはしんどいのう」
「全くだね」
相手はが遠くにまで逃げてるとは時間的に思えず、近くの岩影に隠れていると予測した四人は、見当違いの方向に銃を放つ。
しかし放たれた弾丸は的確に跳ね返り自分達を狙撃した愚かな分家に直撃する。
狙撃手は二人いたが、四人の放った弾丸は脳と心臓を綺麗に撃ち抜いていたと死体の捜索にあたった集落の者は言っていたと言う。
「死して屍拾うものなし」
「何だっけその台詞」
「東洋の島国の忍びと言われる諜報機関の言葉じゃな」
「楸姉さんはそういうの好きだよね」
このまま強くなっていけばゆくゆくはジェスト級になるのでは?