遊戯王妄想わーるど   作:バウ

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初めてのフルデュエル回です。
解りにくいかも知れませんが、ご容赦ください。


お前の名前は、弱虫野郎

「なぁ、遊戯…あれ」

 

 城之内君がペガサスの隣で、元気よく手を振っている龍斗指さす。

 

「…どうやら、無事だったみたいだが…」

 

 戦う理由がなくなり、困惑に包まれる遊戯。

 

「すごい、イキイキしてやがるぜ」

 

 呆れ顔でボヤく本田。

 

「ま、無事で良かったんじゃない?」

 

 一先ず無事を確認して安堵する杏子。

 

「龍斗くん…予想の斜め上を行ってるね」

 

 龍斗の誘拐を聞きつけて、駆け付けた獏良。

 

 いつものメンバーは、龍斗の姿を確認して安堵と困惑を手に入れた。

 

―――――

 

「じゃ、城の周りに人影が見えなくなったら、お仕事開始なの!」

 

「気を付けてな」

 

「モクバは何を心配してるの?」

 

「いや、お前なに仕出かすか分かんないだろ…」

 

 モクバの心配は龍斗の身柄ではなく、何か仕出かさないかというオカン的発想である。

 

「変な信用が付いたの…」

 

「オレは簡単には城から出られないんだからな!」

 

「分かったの。モクバはお留守番してるの。行って来るの~!」

 

「ホントに分かってんのかぁ」

 

 モクバは短い時間とは言え、孤独を埋めてくれた友人の背を見送った。

 

――――――――

 

「デュエルキングダムと言えば森なの!」

 

 エグゾディアの因縁を持つ、インセクター羽蛾との手に汗握るデュエル。そして弱虫野郎命名のシーンである。

 

「見つけたぁ~」

 

「?」

 

 森のデュエルリングに向かっている最中、茂みから人の声が聞こえて来た。

 

「君、ペガサスの隣にいたプレイヤーキラーだよね。僕にカードくれないかなぁ」

 

「あ、全日本チャンプの弱虫野郎なの!」

 

「誰が弱虫だ!下手に出てれば付けあがりやがって…デュエルっと言いたい所だが、下手にプレイヤーキラーに手を出すのは馬鹿のすること。君の相手はコイツがする」

 

 そう言うとインセクター羽蛾は、茂みに隠れていたもう一人のデュエリストを引っ張り出した。

 

「ええ!?俺かよ!」

 

「大人しく言う事を聞くんだ…もし勝てればスターチップっとレアカードが手に入る。仮に負けたとしても、僕が取って置きの激レアカードをくれてやる」

 

「ほ、本当だろうな…」

 

「もちろんさ」(取って置きのゴキボールをな)

 

 盛り上がっている所悪いのだが、プレイヤーキラーは獲物を自分の目で見極める。要は対戦相手はプレイヤーキラーが決めるのだ。

 

 まぁ、デッキの慣らしには丁度いいかも知れない。

 でも羽蛾がデータ収集しているから、全力でのデュエルは危険かも知れないな。

 

「まぁ、良いか…スターチップは一つで良いの」

 

――――

 

「「デュエル!」」

 

 ルールが改正されたと言っても、ライフポイントは4000。そして先手ドロー有。

 

「俺のターン、ドロー。俺は手札から、スカイ・ハンターを召喚!」

 

 スカイ・ハンター(風)レベル4 通常モンスター

 攻撃力1550 守備力1200

 

「…(ソリッドビジョン凄いの)」

 

「さらにカードを一枚伏せてターンエンドだ」

 

 モブ手札4

 

「僕のターン、ドロー」

 

 龍斗手札6

 

「僕は手札からサンダー・ドラゴンの効果を発動。手札からこのカードを墓地に送り同名カードをデッキから、二枚まで手札に加える。そして死者蘇生を発動!」

 

 サンダー・ドラゴン(光)レベル5 効果モンスター

 攻撃力1600 守備力1500

 

「サンダー・ドラゴン…レアカードだ」

 

「ヒョヒョヒョ、良いカードだ」

 

 羽蛾はキモイ。

 

「そして手札から融合を発動するの!」

 

 双頭の雷龍(そうとうのさんだーどらごん)(光)レベル7 融合モンスター

 攻撃力2800 守備力2100

 

「そして融合回収からの融合なの!」

 

 双頭の雷龍が二体フィールドに鎮座する。

 

 龍斗手札6-7-6ー3-2-4-2

 

「双頭の雷龍が二体!?」

 

「バトル、一体目の双頭の雷龍でスカイハンターを攻撃!」

 

 モブLP2750

 

「うわぁぁ!?」

 

 ライフポイントは、当然4000だ。

 この世界で8000のルールは無いだろう。話のテンポが悪くなるし、大会なんてOCGの世界大会ですら長いのに遊戯王ワールドで8000なんて一回のデュエルがどれだけ長いのか。

 

「何もなければ、止めなの」

 

「ま、まてリバースカードオープン!リビングデッドの呼び声!」

 

 倒したばかりのスカイ・ハンターが復活する。

 

「んー、二体目でスカイ・ハンター再攻撃!」

 

 モブLP1500

 

「ヒョヒョヒョ、必至だなぁ!」

 

「うるさい!」

 

 リビングデッドは良いカードだけど、最初のターンに伏せる様なカードじゃないと思う。墓地も肥やしてないし。でも、そのお陰であのモブは生き残った。

 

「カードを一枚伏せてターンエンドなの」

 

「俺のターン、ドロー!」

 

 モブ手札5

 

「俺も君に習わせてもらうよ。マジックカード融合!」

 

 手札融合…墓地に送られたカードは、悪魔の知恵と魔天老?

 

「融合召喚『スカルビショップ』!」

 

 スカルビショップ(闇)レベル7 融合モンスター

 攻撃力2650 防御力2250

 

「また五十なの」

 

 攻撃力2650。素材は弱いモンスターだが、融合召喚を目的に考えれば採用されても不思議はない。効果は無いものの高い攻撃力を誇るモンスターは、ステータスを重視するしかない環境では強力な存在だ。

 

「このままでは、双頭の雷龍の攻撃力2800には150も及ばない。なら、手札から装備魔法『執念の剣』をスカルビショップに装備する。執念の剣の効果で、攻撃力と守備力が500上昇する!」

 

 スカルビショップ 攻撃力3150 守備力2750

 

「攻撃力が3000を超えた…海馬のブルーアイズも敵じゃない。ヒョヒョ」

 

「このまま攻撃したい処だけど、その伏せカードが問題だ」

 

(伏せカードは、サイクロンなの。攻撃反応系が有れば伏せてたの)

 

 モブの手札は1枚。ー、使い切っても後がないし攻撃をためらっても、次のドローで此方の手札は3枚になる。折角の融合モンスターも倒される可能性が高い。

 

「ここは攻撃だ!」

 

 スカルビショップが装備した執念の剣で、双頭の雷龍を切り払う。

 

「ん…」

 

 龍斗LP 3650

 

「カードを一枚伏せてターンエンド」

 

 モブ手札0 LP1500

 

「僕のターン、ドロー」

 

 龍斗手札3

 

「このカードが来たって事は…」

 

 もしかしたら…。

 

「龍斗!?」

 

「あ、あれはテレビで見たインセクター羽蛾!?」

 

「龍斗くん!?」

 

「デュエルしてんのか…相手は誰だ?」

 

(ほぉ、面白い事になってやがるぜ…)

 

 あれは遊戯兄さん達…あ、闇バクラになってる。

 

「ギャラリーが増えて来たの……カードを一枚セットして、手札から天よりの宝札を発動するの!」

 

「天よりの宝札!?」

 

「知ってんのか遊戯?」

 

「天よりの宝札はお互いの手札をすべて捨て、それから手札が6枚になる様にドローする。…最高のドローカードだ」

 

 龍斗手札6

 

 でも城之内さんが合流した途端にこれか、やっぱり絆とかあるのかな。

 

「手札から融合を発動する。僕は手札のレッドアイズ・ブラックドラゴンとフィールドの双頭の雷龍を融合!」

 

「レッドアイズ!」

 

 城之内さんが驚いた様に叫ぶ。

 

「融合召喚!現れよ雷眼の黒竜(サンダーアイズ・ブラックドラゴン)!」

 

 雷眼の黒龍(サンダーアイズ・ブラックドラゴン)(光)レベル10 融合モンスター オリカ

 攻撃力3000 守備力0

 

「だ、だが攻撃力ではまだ俺のスカルビショップの方が上だ!」

 

「サンダーアイズの効果、このカードの融合召喚に成功したとき墓地に存在するサンダーと名の付くモンスターを装備魔法扱いとして装備し、その攻撃力分このサンダーアイズの攻撃力をアップする。装備するのは当然、双頭の雷龍!」

 

 雷眼の黒竜(サンダーアイズ・ブラックドラゴン)

 攻撃力5800 守備力0

 

「なっ!?」

 

「炎雷弾!」

 

 モブLP-1150

 

「俺の…負けか」

 

 相手の見せ場の為に除去カードが使えないとか、運営側は厳しい。

 そっと墓地のサンダーブレイクに目をやる。

 

「このデュエルでは、カードはあげられないの…」

 

 相手のデュエリストから、スターチップを受け取りデュエルリングから飛び降りた。

 

――――――――

 

「龍斗!心配したんだからね!」

 

「そうよ、あんなビデオ送ってきて…」

 

 デュエルリングを降りると、待ち構えていた遊戯兄さんに絡まれた。

 

「ドッキリビデオなの。実はペガサスさんに頼まれたの」

 

「なんだ、誘拐かと思って損したぜ」

 

「ペガサスはあんなビデオを送ってまで、遊戯君をデュエルキングダムに参加させたかった?」

 

「あ、バクラ!」

 

 いつの間にか闇の表情を隠してやがる。

 

「なんで龍斗は獏良君のことを呼び捨てにするの?」

 

「んー、分かんない」

 

 初代遊戯王の中で、一番好きなキャラが闇のバクラなだけだ。

 

「もぉー」

 

「まぁ、とにかく遊戯が戦う理由は無くなったみたいだしよ。俺は賞金が欲しいから残るけど、お前らはどうする?」

 

「城之内だけじゃあ心配だもん!」

 

「僕も折角の大会だから、行ける所まで勝ち進むつもり」

 

「ペガサスさんから、頼まれたお仕事続けるの…デース!」

 

「ま、ついでだ。城之内の応援でもしてやるか」

 

「本田テメェ!」

 

「一人で帰るのも何だし、僕も一緒に行くよ」

 

「よーし、決まりだな」

 

 さて、これでメインキャストのデュエルキングダムが始まる。

 

「お前たちボクを無視するんじゃない!」




ノートパソコンで書いているのですが、充電器が壊れるという事故が発生した為時間がかかりました。

いやー、初めてアマゾンのお急ぎ配達したよ。

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