25人の少女と、1人のサポーター   作:皐月 遊

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3話 「変わらない幼馴染達」

俺がRoseliaに加入した日、帰りに俺は本屋で楽器に関する本を買った。 やっぱりサポーターなら楽器の事を知らなきゃダメだもんな。 幸い、時間は沢山ある。

 

時刻はもう6時前。 当然夜飯など用意していない。

……なに食べようかな。 流石にもうコンビニ弁当は飽きたぞ…

 

そう思いながら歩いていると、ふとある店が目に入った。

 

「やまぶき…ベーカリー?」

 

名前からしてパン屋なのは分かる。 そして、店から香るパンの匂いが、俺を誘惑した。

そして確信する。 ここのパンは絶対美味い。 と。

 

俺は、やまぶきベーカリーの扉を開け、中に入る。

 

「いらっしゃいませー」

 

すると、同年代くらいのポニーテールの女の子がそう言ってきた。

1人で店番だろうか、偉いなぁ……ん?

 

「あれ…」

 

この人、俺と同じクラスの人だよな……向こうも同じらしく、俺をジッと見ている。

 

「えっと…神崎君?」

 

「やっぱり、山吹さんか。 あっ、だからやまぶきベーカリーか」

 

「学校では話したことなかったよね。 私、山吹沙綾」

 

別に名前は知ってるが…これは自己紹介する流れだよな。

 

「俺は神崎優。 学校ではボッチやってます」

 

「あはは! なにそれー!」

 

山吹さんが笑う。 お、どうやらウケたみたいだ。 危うく冷たい視線をあびるかと思ったが、山吹さんは優しい女の子らしい。

 

「そういえば、神崎君っていつも1人だね。 友達作らないの?」

 

「作ろうと思って友達が作れたらボッチなんてやってないよ」

 

そう言いながらトレーにパンを置いていく。 チョココロネ美味そうだな…3個買っていこう。

 

チョココロネ以外のパンも乗せ、合計10個のパンをレジに持っていった。

 

「ならさ、私と友達になる?」

 

山吹さんは会計をしながらそう言ってきた。 俺は数秒停止し…

やっと今言われた言葉を理解する。

 

「ま、マジですか…?」

 

「マジマジ。 せっかくの機会だし、仲良くなりたいじゃん? まぁ、嫌ならいいけどね…」

 

「い、嫌じゃないですはい!! お友達からよろしくお願いします!」

 

「うん! 」

 

あれ…? 俺はいまプロポーズ紛いの事を言ってしまったのでは…?

…まぁ、山吹さん気づいてないし、いいか。

 

「それじゃあ、これからは私のこと沙綾って呼んでね。 私も優って呼ぶから」

 

「えっ…流石に名前呼びはハードルが高い…」

 

「頑張って慣れて!」

 

その後、パンの会計を済ませ、山吹ベーカリーを出た。

まさかパンを買ったら友達が出来るとは思わなかった。

 

山吹さ…沙綾いい人だなぁ…

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ようやくこの日がやってきた。 土曜日! いつもなら家でゴロゴロしている昼! だが今日は違う! 俺には予定があるのだ。

 

モカと待ち合わせする予定のコンビニの前に立ち、モカを待つ。

 

……約束の時間まで後1分……モカは来ない。

 

「…あ、あれぇ〜…? 」

 

……約束の時間まで後30秒……モカは来ない。

 

「まさかモカの奴…寝坊…?」

 

……約束の時間まで後10秒……モカは来……。

 

「ユウく〜ん。 お待たせ〜」

 

「……相変わらずだなぁ…」

 

約束の時間はオーバーしてないから文句は言えない。 流石マイペースのモカ。 昔から変わってない。

 

逆にキビキビ動くモカとか想像出来ない。

 

「それじゃあ行こうか〜、もう皆待ってるから」

 

「そういえば、どこに行くんだ?」

 

「あれ? 言ってなかった〜? ライブハウスだよ〜」

 

……んん? ライブハウスだと…?

 

「え? モカってライブするのか?」

 

「ん〜? あたし達バンドやってるの〜。 幼馴染バンドってやつ〜?」

 

バンド……あこちゃん達もバンドやってたし…偶然って怖いなぁ…

って事はあれか、宇田川姉妹は2人共バンドやってるわけか。 すごいな宇田川姉妹。

 

「それじゃあ、れっつごー」

 

「お、おー」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

この前と同じライブハウスに来て、受けつけを済ませ、モカが所属するバンド、Afterglowが居る部屋の前に来た。

 

やばい、緊張する。 小4から会ってないから、6年ぶりの再会か。

 

「すー…はー…すー…はー……だめだ、まだ心の準備が…」

 

「やっほー、ユウ君連れて来たよ〜」

 

「ちょ! まだ準備が…」

 

モカが扉を開け、中に入っていく。 俺も慌てて中に入ると……

 

懐かしい4人がいた。

 

俺を見て微笑んでいる宇田川巴。 巴には昔よく世話になったなぁ…道に迷った時とか助けてもらったりした。

 

俺を見て目をキラキラさせている上原ひまり。 ひまりは昔から明るくて、よく俺に話しかけてくれたから、退屈しなかった。 今も変わってないみたいだ。

 

俺をジーッと見ている羽沢つぐみ。 つぐは大人しいが、とても優しい女の子だった。 俺を仲間に入れてくれたのもつぐだったな。

 

俺をジーッと睨んでいる……えっ…えええぇぇっ!?

 

「ちょっ、蘭だよな!? どうした髪の毛!?」

 

美竹蘭。 幼馴染思いで、優しいツンデレの女の子。 …だったはずだ。 あれ…? 蘭さんグレちゃったの!?

 

「…うるさい。 いろいろあったの」

 

「あ、よかった。 蘭も変わってねぇな。 というか、ますますツンデレっぽくなったな。 またデレを見せてくれ」

 

「なっ…! デレないし! マジキモい」

 

「おぉ……昔の可愛げのある罵倒も良かったが、成長した罵倒もなかなかよろしい」

 

「…マジでキモい」

 

あぁ懐かしい。 皆変わってないなぁ…いや、姿は変わってるけどな。 皆女の子らしくなっちゃって……

 

ひまりなんて立派な物をお持ちになって…

 

「ははは! ユウは相変わらず面白いな! また会えて嬉しいよ」

 

「巴…! 俺も嬉しいよ。 あ、そういやあこちゃんにも会ったよ、相変わらずいい子だな」

 

「あぁ、あこから聞いたよ。 ユウが帰ってきたのを聞いた時はびっくりしたなぁ」

 

そう言って、巴と握手する。 巴との握手は挨拶みたいなものだ。

 

「ユウ! 久しぶり! また会えて嬉しいよ!」

 

「俺もだよひまり。 前は急に転校して悪かった。 ひまりなかなか泣き止んでくれなかったよな」

 

「うっ…だってもう会えないと思ったんだもん」

 

俺が引っ越す日、ひまり達は全員見送りに来てくれた。 5人とも泣いてしまって、ひまりだけ最後までずっと泣いていた。

 

……まぁ、俺も別れた後車の中で号泣したんだけどね。 流石に女の子の前では泣きたくなかったし。

 

「ユウ君…! おかえりなさい! また一緒に遊べるね」

 

「つぐ…そうだな。 あ、こんどつぐの店行くよ」

 

「うん! 来て来て! ユウ君が好きな甘いカフェオレ作ってあげるから。 どうせまだ苦いのダメなんでしょ?」

 

「うっ…ま、まぁな…甘い物は大好物だぜ」

 

つぐの家は珈琲屋を経営していて、つぐは昔から手伝いをしていた。 俺はよくつぐの珈琲屋に遊びに行っていて、いつも俺だけ特別メニューの甘いカフェオレをもらっていた。

…あれ凄く美味いんだよなぁ…

 

「………」

 

「……あれ…? 蘭、なんかないの?」

 

「…別に…言いたい事ないし」

 

「…え、ろ、6年ぶりだぜ…? 」

 

「別に、また会えるし」

 

蘭は俺の方を見ずにギターを触っている。 …あれぇ…? もしかして俺、思ったより蘭に気に入られてない…?

 

「おい蘭。 なに我慢してるんだよ。 ユウがくるまでずっとソワソワしてただろ?」

 

巴がそう言うと、蘭がピクッと反応する。

 

「そうだよ蘭! チラチラ時計見てたじゃん!」

 

ひまりがそう言うと、蘭の身体が震えだす。

 

「蘭ちゃんさっき扉越しにモカちゃんの声聞こえた時、一瞬笑顔になったよね?」

 

つぐがそう言うと、蘭がギターを置き、勢いよく立ち上がる。

そして、顔を真っ赤にして振り向く。

 

「…わお、髪の色と同じくらい顔真っ赤だぞ」

 

「うるさいバカユウ!! ………おかえり…」

 

最後にボソっと蘭が呟いた言葉を、俺は聞き逃さなかった。

 

「…お、おう…蘭…デレの破壊力強すぎるぜ…」

 

危うく鼻血出るところだった。 蘭のやつ…ツンデレに磨きがかかっていやがる。 侮れない存在になったな。

 

「…もうこの話は終わり! 早く練習始めよ! …モカはパン食べないで」

 

蘭の視線の先で、モカはパンを頬張っている。

 

「ふえ? はっへはんほいひいんはほん(え? だってパン美味しいんだもん)」

 

…相変わらずマイペースだなぁ……

 

 




蘭ちゃん本当に可愛い。 バンドリは可愛いキャラが多いですね!
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