突然だが僕の話をしよう
僕の父方の祖父は魔術師だったらしいが父親が家を出たため僕はつい最近まで魔術の存在も知らずに生きてきた
機械が好きで工学系の大学に通ってて、最先端技術を有する僻地の研究所からスカウトが来て、ウキウキでそこに就職した
……最低限の魔術回路があって機械にそれなりに詳しければ誰でもよかったんだろうなぁ…と今更だけど少し後悔してる
僕の視界には燃える街が映っている
人理修復、世界各他から集められたマスター適性のあるものがカルデアで観測された特異点へと向かい、サーヴァントの力を借りて歴史の歪みを修正して正しい歴史に戻すそれはそれは大事な仕事
正直なんのこっちゃ分からなかったけど、マスター達の通信機器などが壊れた時に直せるようにと僕も現地に付いて行くことになった
というのもマスター適性が無ければレイシフトは出来ないが、大抵のマスター適性があるものは魔術師で、魔術師は機械を見下している…つまりはマスター適性のある技術者として僕は選ばれたという事だ
そして初の特異点、冬木へのレイシフト当日、僕はマスター候補の最後尾で所長のありがたーいお話を聞いてた…ハッキリと覚えてるのはここまで
身体が壁に打ち付けられる痛み、誰かが叫んでいる声、身体がどこかへ引っ張られる感覚…
そして気づいたらこんな場所に、ハッキリ言ってこれ事故ですよね?
身に付けていた通信機器とかも全部壊れて繋がらないし…僕の存在意義が…
思わずorzの体勢で落ち込むと右手の甲に赤い模様がついているのが見える、どこかに引っかけたのだろうか?でも痛みはないし…?
……?どこかから声が…?
もしかしたら僕と同じように飛ばされてきた人がいるかも、そうでなくても今はどこに行くにもアテがないのでとにかく誰かと合流したいと思いその声の方へと向かって
「いやぁぁぁ!助けてレフぅぅぅ!」
所長が動く骨に追い回されていた、あれはアテにならない、というか下手に近付けば僕が危ない
すみません所長、僕に貴女を助ける力はありません、どうか安らかに…と心の中で謝罪して立ち去ろうと…
「マシュ!キャスター!」
「はいっ!」
「任せなっ!」
男の声がしてでかい盾をもった女の子と青髪の魔術師風の男があれよあれよという間に動く骨を蹴散らした…ってあれ?キリエライトさん?なんで彼女が?
「もうっ!早く助けなさいよっ!」
骨を蹴散らし終えると所長がカルデアのマスター服を着た男子とキリエライトさん(?)に何やら喚いている、よく命の恩人にあそこまで上から言えるなぁ…と出るタイミングを失った僕は隠れたままで
「なぁそこの兄ちゃんよ、いつまでコソコソ隠れてるんだ?」
青髪の人にはバレていたようだ、渋々物陰から出て…
はい、所長にめっちゃ怒られました
なんで助けないんだレフなら〜、なんで通信も取れないのレフなら〜、機械にそれなりに詳しいから貴方をメンバーに入れたのにレフなら〜、肝心な時に役に立たないレフなら〜
…まぁ、色々と言われました、でもレフ教授でも通信機器の故障はどうにもできないと思いますよ?
その後安全な位置まで移動してキリエライトさんからちゃんと説明を貰いました、なんでもあの時に爆発があってキリエライトさんがデミサーヴァントとやらに覚醒してそこにいる藤丸立香君がそのマスターになってこの冬木市に飛ばされた
彼女達もカルデアと連絡が取れず、とりあえず現地で出会った青髪の魔術士のクーフーリンさんと協力してこの特異点の調査をしていた、と
「見たとこお前にも令呪がある…なら、サーヴァントも呼べるはずだ」
クーフーリンさんがそう言う、なんでもこの特異点の元凶で聖杯を持っているのは闇堕ちしたアーサー王らしく、それを倒すには一人でも多くの戦力が欲しい、でも藤丸君はキリエライトさんへの魔力供給で手一杯、所長は何故かマスター適性が全くない、なんでレイシフト出来たんだろうか?
ともかく、僕にもサーヴァントを召喚して欲しいそうだ
「ふんっ!どうせあなたみたいな約立たずのど素人じゃまともに召喚も出来ないでしょうからこれを使いなさい!」
とツンデレなのか何なのかよく分からないがキラキラ光る宝石のようなものを3つ渡された、これを使えば英霊を召喚出来るらしい……でも所長も召喚出来ないんですよね?
召喚のためのサークル設置やら霊脈の接続やらは所長とクーフーリンさんがやってくれた、魔術師さまさまである
さて、これからサーヴァントを召喚する訳だが、サーヴァントは人類史に残る英雄や偉人などの英霊の一側面を切り取って7つのクラスに落とし込んだもの
剣を使えばセイバー、槍ならランサー、弓ならアーチャー、魔術師ならキャスター、乗り物に乗ればライダー、暗殺者ならアサシン、狂っていればバーサーカー
触媒を用意すれば大体は狙った英霊を呼び出せ、クラスもある程度は絞りこめるそうだが、あいにく触媒なんてないから完全に運任せ、僕と相性のいい縁召喚だそうだが…僕と相性のいい英雄って誰?こちとらあいにくとただの機械好きだよ?
まぁ、うだうだ言っても仕方ない、召喚サークルが確立したので召喚をはじめる
3つの宝石が砕けて魔力が僕の手の令呪を通じて召喚サークルに送られるのが分かる
召喚サークルから眩しい光が放たれて、いくつかの輪っかが広がり、収束する
その光の中、召喚サークルに座っている人影が…
「……私を召喚したのはお前ですね?」
声が聞こえる、女性のようでどこか機械的な…
「…まさか私がこうして召喚されるなんて…」
立ち上がってそのシルエットが見える、小さい体、頭には角、背中には翼、大きく広がったスカート、そして大きな尻尾…?
「いいでしょう、召喚されたからにはキッチリと働きます、それも貴族としてのプライドです…ですが、一応確認しておきましょう」
小さく駆動音を鳴らしながらこちらを指さして
「お前が私のマスターですね?私はアルターエゴ、メイガス・エイジス・エリザベート・チャンネル、メカエリチャンで結構です、くれぐれも私を悪用しないように」
これが僕とメカエリチャンのファーストコンタクトだった
………ロボだこれーーーっ!?
(作者のメカエリチャンはレベル100です)