この作品を書き始めてはや二か月!
「萃香ちゃん主人公の話が読みたい!」と思い、検索しても無かったことにショックを受け、「なら自分で書けばいいじゃない」と衝動のままに始めた『百鬼夜行のヒーローアカデミア』
ここまで続くなんて思わなかったので、自分で自分にびっくりです(;´Д`)
今回は日常回(白目)。
それでは、本編m(__)m
「ちょっとそこのお嬢さん!その制服、雄英の生徒ですよね?雄英の教師に赴任したオールマイトについて、あなたはどのように思っていますか?」
屋内戦闘訓練という初めての対人戦を経験してから一日。入学してから新しい登校ルートにも慣れてきた頃。学校のゲートを通ろうとしたところ、報道関係と思われる記者の人にマイクを向けられた。
オールマイトが教師として雄英にいるのをどこかから嗅ぎ付けたらしく、登校してくる他の雄英生にも次々とマイクやカメラが向けられている。独自の情報を得ようと我先にと質問をしてくる記者に対して、抵抗なく答える生徒もいれば、恥ずかしそうに一言だけコメントして早々に離れる生徒もいた。
「そうですね……。授業はわかりやすく、指導内容も的確で、ヒーローを目指す者として学ぶべきことが多いです」
「ありがとうございます」
少し考えてから当たり障りのないコメントを返すと、記者の人は一言お礼を述べてすぐ別の生徒のほうへ足早に駆けていった。彼らをやり過ごした私は、このままここに突っ立っていてもまたすぐに別の記者に質問されると思い、他の生徒が捕まっている間にさっさとゲートを通り抜けてしまう。少し先のほうで後ろ姿に見覚えのある人物がいたので近づいていく。
「おはよう緑谷君」
「あ、おはよう伊吹さん」
ここ数日で女性と話すことに少しずつ慣れてきたようで、未だに少し照れながらも挨拶を返してくれる緑谷君。彼の右腕を見てみると、包帯が巻かれている。数日前の屋内戦闘訓練で大怪我をした緑谷君は、当初ギプスを嵌めてバンドで首から吊り下げるという痛々しい状態だったんだけど、『治癒力の活性化』という個性を持つリカバリーガールの治療の甲斐もあって完治も近いらしい。彼の個性は増強型で、ビルの階層をいくつも吹き飛ばすほどの超パワーが出せるというもの。ただし肉体がその強力な個性についていけず、反動で骨や筋肉がグチャグチャになってしまうらしい。本当なら自分の肉体レベルに合わせてパワーを制御すれば問題は無いんだけど、彼曰く「個性が発現したのはほんの数か月前」。目覚めたばかりで調整がきかないらしく、体を鍛えながらイメージトレーニングをする毎日だと言う。
私はそんな緑谷君の話に感心しつつ、ふと疑問に思うこともあった。現在の超常社会において、この個性という力は研究が進められていて、常に新しい発見がある。その研究成果によると、人が個性に目覚めるのは大体四才頃まで。遅くとも小学校に入るまでに発現し、以降兆候が見られない者は無個性として登録されるというのが定説となっている。つまり緑谷君は例外中の例外であり、なぜ今になってこのような個性が発現したのかという疑問が出てくる。……まぁ、素人の私がこんなことを考えていても仕方のないことなんだけどね。疑問が解けたところでどうこうするつもりもない。
今度それとなく緑谷君に聞いてみよう。答えてくれるかどうかは別として。
「昨日の戦闘訓練お疲れ。Vと成績見させてもらった。爆豪、お前もうガキみてぇなマネするな。能力あるんだから」
「……わかってる」
昨日の戦闘訓練から様子のおかしかった爆豪君は、今朝のホームルームの時間でもおとなしい。相澤先生の言葉にも素直に耳を傾けていて、いつもの偉そうにした態度が鳴りを潜めていた。
相澤先生は緑谷君にも注意をしてこの話を締めくくると、さっそく本題をきりだしてきた。
「急で悪いが、今日は君らに学級委員長を決めてもらう」
うわ、物凄い学校っぽい。
相手が相澤先生なので、なにかまた突飛なことをやらされると思って身構えていたら、全然そんなこともなかった。教室のこの空気からして、きっと皆も私と同じことを思ったに違いない。
学級委員長というクラスを導く役を決めるとあって、クラスの全員が手を上げて立候補を申し出る。ちなみに私も手を挙げている。人の上に立ったり、目立つ立場になるのはあんまり好きじゃないんだけど、なんというかこの場の雰囲気に釣られて思わず挙げてしまった。
「静粛にしたまえ!!」
各々が我先にと手を上げ収拾がつかなくなりかけたところに、飯田君が声を張り上げて静かにさせる。
「"多"をけん引する責任重大な仕事だぞ…!『やりたい者』がやれるモノではないだろう!!!」
お説教をするように皆を諭す飯田君。彼の主張は「周囲の信頼を勝ち取って、投票によって選ばれた人が真のリーダー足りえるのではないか」ということらしいのだが、いかんせんプルプルと震える程に頭上に伸ばされた右腕が説得力を失わせていた。
それはもう「そびえ立ってんじゃねーか!!」と総ツッコミを食らう程であった。
投票にしても自分に入れるという意見が多かったけど、相澤先生は時間内に終わればどんな決め方でも良いという。ならばと試しに投票してみた結果、なんと緑谷君が四票を獲得して委員長に抜擢された。私は緑谷君に入れたので二票は確定だと思っていたけど、さらに二票も入っているとは。爆豪君なんかは緑谷君が委員長に決まったことであからさまにムカついていた。
副委員長にはやおよろっぱ……もとい、八百万さんに決まった。少々不服そうだったけど、まぁ決まってしまったものは仕方ない。他の皆も特に異論はないと言うので、さして時間もかからずに学級イベントは終了した。
お昼休み
私は緑谷君、飯田君、麗日さんというお決まりになりつつあるメンバーで食堂へとやってきていた。いつものように適当な席に座ったところで、私は午前の授業からどこか落ち込んだ様子の飯田君が気になっていた。まさか学級委員長の件を未だに引きずっているとか?飯田君真面目人間だから、やっぱり委員長やりたかったんだろうな。それなのに緑谷君に票を入れるなんて、どこまでも真面目なんだな~。まぁ、そっとしておいてあげよう。
「でも、飯田君も委員長やりたかったんじゃないの?メガネだし!」
「っっん″ん″!」
「ちょっ、大丈夫?!伊吹さん!」
まさか麗日さんがその話をぶっ込むとは思わず、もう少しでご飯が喉に詰まってしまうところだった。
「う、うん。大丈夫。ちょっと咽ちゃった」
心配してくれた緑谷君にお礼を言って食事を再開する。
まったく、悪びれもなく聞けるなんて……麗日さん、恐ろしい子!!
「それで、飯田君はやっぱりやりたかった?」
よほど気になっているのか、再度飯田君に問いかける麗日さん。
「"やりたい"と相応しいか否かは別の話…。僕は僕の正しいと思う判断をしたまでだ」
「「「僕…!」」」
「?!」
今まで一人称が"俺"だった飯田君が、ここにきて無意識に"僕"と呼称したことに三人同時に反応してしまう。
「ちょっと思ってたけど、飯田君て"坊っちゃん"?!」
しまったという顔をする飯田君に麗日さんが詰め寄るように質問すると、彼は観念した表情で話し始めた。
なんと飯田君の家は代々ヒーローを輩出してきたヒーロー一家らしく、彼はその家の子供で次男にあたるらしい。現在活躍している有名なターボヒーロー『インゲニウム』の弟で、その兄はヒーローとしても一個人としても尊敬する人物だと熱く語る飯田君。でも、今の自分よりも緑谷君の方が相応しいと思ったんだとか。
そうして話が一段落した時、突然校内で警報が鳴り響いた。
『セキュリティー3が突破されました。生徒の皆さんは速やかに屋外に避難してください』
警報と避難指示を聞いた食堂の生徒たちは避難しようと行動するが、パニック状態に陥っていて出口で詰まってしまっている。この騒ぎのせいで私は緑谷君たちとはぐれてしまい、目に見えるのは押し合い圧し合いする生徒達の首から下だけ。密着した状態で好き放題動かれるため、体の小さい私は角が引っ掛かったりしていろんな方向に波の如くさらわれてしまう。このままだときっと怪我人がでる。ていうか自分が怪我をしそうなので、とりあえず個性で身体強化して緑谷君たちを探すことにする。
「大丈ー夫!!ただのマスコミです!なにもパニックになることはありません!大丈ー夫!!ここは雄英!最高峰の人間に相応しい行動をとりましょう!!」
見つからないなと思っていたら、突然飯田君が非常口の上に現れて声を張り上げて皆に呼びかける。窓に近づいて外を確認してみると、カメラやマイクを持った集団が敷地内をぞろぞろと歩いていた。あれは相澤先生とマイク先生だろうか。どうやら足止めと説得を試みているらしく、報道陣に囲まれ詰め寄られていた。
しばらくすると警察が駆けつけてきたため、不法侵入で逮捕されてはまずいと報道陣はそそくさと帰っていった。食堂にいた生徒たちも飯田君のおかげで落ち着きを取り戻し、大した怪我人も出ずに済んだ。その後駆けつけた先生方の誘導でその場は解散となり、私も緑谷君たちと合流して教室へと戻った。
「ホラ、委員長始めて」
お昼休みが終わると残った役職を決めるため、ホームルームの続きが始まった。緑谷君は副委員長の八百万さんに促され、緊張から何度も言葉を詰まらせつつ進行を執る。
「――その前に、い、いいですか?……委員長は、やっぱり飯田君がいいと思います。あんなふうにかっこよく人をまとめられるんだ。僕は、飯田君がやるのが正しいと思うよ」
さっきとはうって変わって穏やかな表情で話をする緑谷君。たしかに、飯田君のあの食堂での機転を利かせた行動は称賛されるべきものだった。偶然同じように食堂に居たクラスメイト達も、緑谷君の提案に賛同してくれる。
当の本人である飯田君はしばらく呆然としていたけど、我に返ると委員長になることを快く承諾した。
こうして飯田君は委員長となり、今日一日だけ、あだ名が『非常口飯田』になったとさ。めでたしめでたし。
放課後、騒動の原因と何故マスコミが雄英の敷地内に入ってこられたのかが気になって、一人隠れて立ち入り禁止となったゲートを見に行くと、作動したと思われる隔壁が破られて無残にも崩壊していた。現場には校長を含めた多くの教師陣が集まっていて、その惨状を静かに分析、今後の対処について話し合っているようだった。私は気付かれないうちにすぐその場を離れ、別のゲートを通って学校を後にする。
……あれはただのマスコミがやったようにはとても思えない。ヒーロー以外の一般人は基本的に自宅以外での個性使用が禁止されているうえに、日本最高峰と呼ばれる雄英の警備用の隔壁を崩す程の強力な個性など、そうあるとは考えにくい。プロのヒーローが多数常駐していることを加味すれば尚更だ。
まず間違いなく、あれは悪意のある意図を持って行われた所業であり、ヒーローが相手でも牙をむくとなれば、それはもう……ヴィランしかありえない。
どんな目的があったかまではわからないけれど、なにか……とても良くない事が起こるような気がする。
「すーいか!」
「?!」
考え事に没頭しすぎたせいか、突然誰かに後ろから抱きつかれてしまう。私は反射的に相手の手首を握って捻りあげ、拘束が外れたところで逆に相手の腕を後ろから固めて拘束する。
「イタタタタ!」
「っ!友子じゃない!」
私が関節を極めた相手、それは別の学校に通う友達の友子だった。
「ごめんごめん、放してってば~」
てっきり雄英の壁を破壊した誰かが、私のようなか弱い雄英の生徒を誘拐しようと企んで攫いに来たのかと思ったけど、どうやら違ったらしい。
ため息をついて拘束を外すと、友子は腕を抑えてその場に蹲ってしまう。
「うぅ~、萃香にイジメられたよ~」
スンスンとすすり泣いているように見えるけれど、そんなことはない。むしろ隠れて見えないその表情は、悪戯が成功してこれでもかと言えるくらい口角が上がっているに違いない。
「と~も~こ~?」
「なんちゃって!びっくりした?なんだか怖い顔してたから悪戯したくなっちゃって」
周りの目も気になるので威圧を込めて名前を呼ぶと、友子はスッと立ち上がって満面の笑みで答えてくる。
「呆れた。……そんなに怖い顔してた?」
「うんうん、やっぱり萃香にはそういう表情が一番だよね。その上目遣い。紳士じゃない私でもそそられちゃうな~」
「もう、真面目に答えなさい!」
まったく、いつもこんな調子である。こっちが聞いてるのに全然答えないし、尚且つすぐにおちょくってくる。友達になったばかりの頃は随分大人しかったのに、仲良くなって気心が知れた今となっては見る影もない。
友子の学校の人たちも、友子のこんな一面を見たらびっくりすること間違いない。
「あ、そうだ!ここの近所に新しいスイーツのお店が出来たんだって!今から一緒にどう?」
「……行く」
本当に、私の都合なんてまったく考えてないんだから。まぁ仕方ないから、これから行くお店の食事代は友子持ちということで手を打ってあげることにするかな。
噂の新店舗に入った私はさっきの仕返しとばかりに高いスイーツから注文して、友子の制止を聞かずに好きなだけ食べてやった。お会計の際に「お小遣いが無くなった」とぼやく友子に、少しだけ悪いなと思いつつ奢ってもらった私。
まぁ、奢ってもらったんだからお礼くらいは言わないとね。
「ごちそーさまでした!」
「はいはい、お粗末様!」
UA4万目前!
お気に入り1000件目前!
総合評価も徐々に上昇中!
この作品を読んでくれる読者さんが増えてくれるのは、けっこう私の力になっていまして。
感想や高評価をくださる読者の方々には、本当に感謝に堪えません!
執筆しているときは「これで読者は満足してくれるのか?」とか「早く次話アップしなきゃ」という勝手なプレッシャーを感じていたりもします。
でも読んでもらえることは嬉しいです。
更新は遅いし、設定も粗いし、いつ終わるかもわかりませんが、こんな私の作品に最後までお付き合い頂けたらなと思いますm(__)m
次回はおそらくUSJ編が始まります!
んではでは(=゚ω゚)ノ