アイドルマスターミリオンバッツ!   作:バッグクロージャー

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こんにちは

見たことあるけど正しい名前を知らないランキング上位であるパンのアレです。


望月杏奈メインの回。ONモードを全く見せてませんが、事務所での話が多かったりするのでご容赦を。ONモードの杏奈は、どこかで必ずやろうと思います。


それではバッツPの活躍をお楽しみください!


第九話:杏奈には敵わないな

「趣味付き合い月間だ!」

 

 

事務所で『乙女ストーム!』のメンバーとミーティングを始めて開口一番。もちろん未来達は突然の宣言にビックリしている。

 

未来達は互いに顔を見合わせると、何かを悟ったようにクスリと笑い合い、再び俺に視線を向ける。

 

仲がいいのは良いことだけど、なんか含みがある目でこっちを見てくるんだが。まぁいつものことだよね、みたいな視線だ。

 

 

「ゴホン!これから俺はお前達のプロデューサーとして、もっとお前達のことを知りたい。そのための趣味付き合い月間だ」

 

「それは分かるんですけど、具体的になにをやるんですか〜?」

 

「それについてだが、一週間に一人のペースで俺がお前達の趣味に付き合う。必要な物があれば経費で落としてくれるって社長も言ってくれたし、遠慮しなくていいからな!」

 

「それって経費で落ちるんですか?完全に私用な気がするんですが...」

 

 

俺の提案に納得する翼や未来。どこか不安げな百合子と杏奈。とくに表情は変わらないが少し楽しげな瑞希とどうやらみんなやること自体に反対はしないみたいだ。

 

 

「それについては心配すんな、社長に直談判したからな!」

 

「さすがです、プロデューサー。伊達にテーブルの角で一発芸を披露するわけじゃありませんね」

 

「...瑞希さん。それ、詳しく教えて欲しい」

 

「わかりました。あれは私とプロデューサーが」

 

「瑞希、それ以上言ったらゲンコツな」

 

 

俺の恥ずかしい話に移ろうとしたので瑞希に釘を刺す。

 

この前はギリギリ捕まえることが出来たからよかったものの、今日まで何回も"俺の前で"話をしようとするから止めるのに苦労する。

 

 

「それで、最初は誰からですか?」

 

「最初は未来か百合子辺りにしようと思ったんだけど、気が変わった。最初は杏奈にするかな」

 

「...杏奈?...プロデューサー、一緒にゲーム、する?」

 

 

杏奈は不思議そうな顔をしながらも俺をゲームに誘う。

 

杏奈の趣味はゲームだったから、そういった経験のない俺にとって興味の対象だった。

 

それが今回の杏奈優先の理由だ。

 

 

「おう!それじゃ今日のミーティングは終わりにするから、みんなそれぞれの仕事に向かってくれ」

 

「「「「はい!」」」」

 

「...プロデューサー、杏奈は?」

 

「杏奈はこのまま俺と行動だ。一緒に仕事しながら色々聞こうと思ってな」

 

「うん...分かった」

 

 

 

☆☆☆------------------------------

 

 

 

所変わって今は近郊のカフェ。今回杏奈はインタビューの仕事だ。

 

『乙女ストーム!』に関するインタビューをしたいとのことでなんとか杏奈だけ都合が着いた。いやー、忙しいのも損なものだよな。

 

 

「では、望月さんはあまりダンスが得意ではなかった、ということですね?」

 

「はい...あまり、体力が無かったから...」

 

「では、どのようにその問題を克服しましたか?」

 

「んと、みんなと一緒にいっぱい練習したから...です」

 

「そうですか...っと、以上でインタビューは終了します。では最後にファンの方へ一言お願いします」

 

「...杏奈、これからもっと頑張るから...応援、してね?」

 

「ありがとうございます!プロデューサーさん、本日はお忙しい中ありがとうございました」

 

「構いませんよ、また別のメンバーの時間がとれたらもう一度インタビューをお願い出来れば」

 

「ええ!その時はよろしくお願いします。それでは私はこれで失礼します!」

 

「ああ、ありがとうございます」

 

 

...ふぅ、なれない敬語もようやく方に就いてきたか?ついでに追加のインタビューの依頼も貰ったし、一件落着だな。

 

杏奈に目配せすると、杏奈は俯いたまま水を口に含んでる。表情が強ばってるから、およそ緊張したんだろうな。

 

 

「さて、杏奈は午後の仕事ないし。なあ杏奈、折角だからゲームについて教えてくれよ」

 

「!うん...!」

 

 

気分を変えさせるためにゲームの話題を振ったら喜んで飛びついた。しばらくは杏奈の趣味に付き合うかな。

 

 

 

☆☆☆------------------------------

 

 

 

「それで、今度はこっちのゲームなんだけど...」

 

「ほうほう」

 

 

それから小一時間。俺はずっと杏奈の話を聞いていた。

 

普段ほとんど喋ろうとしないイメージがあったから、この手の話題を嬉々として話しているのが新鮮だ。

 

 

「このゲームはアクションRPGで、装備を整えながら強いモンスターと戦っていくの...」

 

「へー、面白そうだな」

 

 

杏奈のゲーム紹介を聞いていて感じたことが三つ。

 

一つ目は杏奈がさっきから協力できる多人数プレイのゲームを進めていること。

 

二つ目は杏奈がするゲームの紹介がとても魅力的に聞こえてくること。

 

三つ目は二つ目のことを活かした仕事を企画出来るんじゃないかということ。

 

総合的にみると、杏奈はゲームを通して誰かと繋がりたいんじゃないかなと思う。普段話すのが苦手な杏奈だが、ゲームの話題をするととても喜ぶわけだし。

 

 

「プロデューサー、色々紹介したけど、面白そうなのあった?」

 

「そうだなー、杏奈が最後に見せたやつかな。『ハンターオブモンスター』だっけか?」

 

「うん...それ、杏奈もやってる」

 

 

まぁそうだと思った。全部杏奈が持ってるゲームから選抜してるのは分かってた。

 

もしかして俺と一緒に遊びたいのかな?そうだとしたらもちろんやるつもりだ。

 

 

「んじゃ、これ買いに行ってみるか」

 

「本当...?じゃあ、今すぐ行こ?」

 

「よしきた!」

 

 

なんというか、妹ができたらこんな感じなのかな?ちょっといいかも。

 

なんてこと考えながら手を引く杏奈に連られてゲームショップへ足を運ぶことにした。

 

 

 

☆☆☆------------------------------

 

 

 

「ふーむ...」

 

 

今は日が落ち込んだ夕方近く。杏奈とゲームで午後を過ごし、今は溜ってる仕事を片付け、ゲームの参考にと動画サイトを巡っている。

 

スマイル動画というサイトは打ち込んだユーザのコメントがダイレクトに流れてくるという動画方式のサイトだ。

 

ゲームやアニメならここ!と杏奈に教えて貰った。

 

 

「このサイト、実況プレイってのが流行ってるのかぁ」

 

 

ゲームをプレイしながら実況をするという、いわゆるサッカー実況とかと似た手法をとった動画だ。

 

実況者が面白いことをしたり、コメントに面白いことを書いてあったりと賑やかだ。

 

 

「それにしても、再生数すごいな。この動画は二十万も稼いでんのか」

 

 

同じ人がリピート再生するにしろ二十万という数は魅力的だ。それだけの数の視聴者がこの実況を見ていることになる。

 

 

(まてよ?これ、上手く利用できるんじゃないか?)

 

 

そこで俺はティンッと閃く。杏奈に新作ゲームとかのPRをしてもらえばいいんじゃないか?と。

 

そうすれはゲームの知名度は上がるし、杏奈をゲーム好きアイドルとしての売り込みがかなり簡単になる。

 

 

「さっそくゲーム制作の企業さんに話してみるか!」

 

 

 

☆☆☆------------------------------

 

 

 

「杏奈、いるか?」

 

「...ここにいるよ?」

 

 

それから三日後、俺はとっておきの資料を持って杏奈とミーティングする。

 

これを見たらきっと喜ぶぞー?

 

 

「杏奈の次の仕事を持ってきたぞ!お前に向いてると思うよ」

 

「...これって...!」

 

 

パサッ、と資料を杏奈に見せる。その名も『望月杏奈のビビっと!ゲームニュース!』だ。

 

内容は杏奈に様々な新作ゲームをPRしてもらうというものだ。ベータ版をプレイしてもらいながらその魅力をユーザに伝える、というものだ。

 

スマイル動画や雑誌にも載っけてもらい、広くメディア展開するつもりだ。

 

 

「杏奈がゲーム好きって言ってたからこんな感じの企画をやるんだ。面白そうだろ?」

 

「...これ、新作のゲームをプレイ出来るの?プロデューサー、すごい...!」

 

 

当たり前だ。なにせこの前の杏奈のゲーム紹介ボイスを先方に見せまくったからな。それでも二日回って五社中三社しかオファーしてもらえなかったからまだまだだな。

 

アイドルがゲーム紹介してくれる、と聞いてもっと沢山オファー来るかな、と思っていたからまだ納得していない。

 

ま、一つもオファー来ないってよりましか。

 

 

「杏奈、この仕事受けてもらえるか?」

 

「うん、やりたい...!」

 

「よし!なら来週にでも第一回を収録だ!」

 

 

 

☆☆☆------------------------------

 

 

 

「な、なんだこりゃあ!?」

 

「どうしたんですかプロデューサーさん?ってピヨ!?」

 

 

例の収録が終わり、動画が投稿された翌日。俺と小鳥は驚愕の声を上げていた。

 

 

「じゅ、十万...!?」

 

「い、一日経っただけでこの再生数は凄いですよ!」

 

 

一日経っただけで十万人もの視聴者が杏奈の動画を見たということだ。コメントを見てみると、

 

『ビビラビが実況するってマ?』

『ビビラビから』

『杏奈ちゃんって乙女ストームの?』

『うぽつです!杏奈ちゃんのファンです!』

 

などなどと言ったものだが、気になるのが『ビビラビ』という単語だ。これは杏奈を指すものだとは分かるが、そんな宣伝の仕方したっけかな?

 

 

「...プロデューサー、おはよう...ございます」

 

「杏奈か?お前の動画すごいぞ!もう十万再生突破したんだ!」

 

「さすが杏奈ちゃん!」

 

「そうなの?...ツミッター投稿は駄目だった、かな?」

 

 

ん?ツミッター?たしか全国SNSのやつだな。じゃあこの再生って...

 

 

「杏奈、プロデューサーの役に立ちたかったから...ネトゲのフレンドとかフォロワーに、見てもらうように...呟いたの」

 

「じゃ、じゃあこの『ビビラビ』って...」

 

「うん...杏奈の、ハンドルネーム。『vividrabbit』」

 

 

合点がいった。杏奈はゲームネームを使って自分の宣伝をしたらしい。それがこの再生数の意味なんだな。

 

 

「それでも、この再生数は...」

 

「杏奈、お前のフォロワーってどんくらいいる?」

 

「んと...アイドルとしてのアカが、三万...vividrabbitのほうのアカが、六万...だよ?」

 

 

どうしてアイドルより有名なんだ、こいつ?

 

 

「...時々テクニック動画とか、挙げてたから...それの影響...」

 

「なんてこった...杏奈には敵わないな」

 

 

あまりの知名度の差に俺は卒倒しかける。

 

 

画面をみると、『ビビラビが美少女だとか』『ビビラビって杏奈ちゃんだったの!?』などというコメントの流れが、まるで俺への向かい風のように吹き荒れてた。




いかがでしたでしょうか?


もうちょい別の終わり方を考えてましたが、文字数にムラが出来てしまうのでまた別の話のときにしようと思います。

杏奈って多分ここまで出来るんじゃね?てことでかなり捏造設定を入れてしまいました。でもうちの杏奈はこんな感じです。


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