食パンの袋についてるアレです。
今回は閑話休題ということで未来達の視点でお話を進めようと思います。
バッツPはあまり出て来ませんがご了承ください。
修正ログ
2017-12-14 誤字脱字の修正。ご報告ありがとうございます!
閑話休題:プロデューサーって何者?
「プロデューサーさんってかっこいいよね」
そんな何気無い翼の発言から始まったプロデューサー談議。
少女達にとってこう言った話題は事欠かない。とくに流行りの服や最近のテレビ番組なんかは格好の餌であるのだが、今回はこれまで触れられてなかった事案だ。
いや、触れられてなかったのでは無く、全員がこの話題をタブー視していた。この狭い劇場ではいつ本人に話を聞かれるか分からないからだ。
「そうですね。名前からして外国の方なのでしょうが、どこの出身なのかも気になります。」
「でも、何度かプロデューサーに話を振っても適当にはぐらかされちゃうんですよね」
瑞希や百合子も気にはなっていたが本人に聞いても本当のことは言ってはくれなかった。当然だ、何故なら彼はこの世界の住人では無かったのだから。
「なんていうか、ハリウッド俳優とかにいそうだもん。わたし、最初は同じアイドルなのかと思っちゃったよ〜」
「あ!翼と同じだー!私もそうなんだよ!」
「未来もそう思った?だよね〜」
未来や翼の言う通り、アイドルとか俳優とか言われても違和感がないレベルでイケメンである。それなのに気さくな性格で裏表が全くない。
「ではここはみんなでプロデューサーをどう思ってるか話し合いましょう。ぶっちゃけトーク、です」
瑞希がここで口火を切る。普段そういった話が出来なかったからこそ、早めに聞いておきたいという魂胆だった。
「わたしはさっき言った通りかっこいい人だな〜って思うよ?でも、色々とナゾだよね?」
「プロデューサーさんって基本事務仕事とか多いけど、なにか趣味とかないのかな?そういったプライベートな話って一切無かったような...」
「確かにそうですね。私達が知っているのはプロデューサーの名前と性別のみ。それ以外が謎に包まれています。ミステリアス」
「プロデューサーって風ってイメージ無いですか?なんだか風の戦士って感じ!」
「百合子ちゃん、話がズレてるような...」
他愛のない話で茶を濁していく中、杏奈は一人ゲームもやらず黙っていた。
暇さえあればゲームをやっている杏奈が一切ゲーム機に目もくれず冷や汗をかきながら視線を下に追いやっているのだ。
(...どうしよう...)
杏奈は知っていたのだ、彼の正体を。バッツ=クラウザーの出自を。
何故ならこの世界にも例のゲームが存在している。ゲームなら新旧問わずやっていた杏奈はもちろんあのゲームの五作目もプレイしていた。
なんなら全ジョブをマスターさせ、オメガと神竜を倒し、あまつさえ縛りプレイをしているほどにやり込んでいたのだ。
「杏奈ちゃん?さっきから静かだけど大丈夫?どこか体調悪かったりするかな?」
「百合子さん、杏奈は大丈夫だから...」
杏奈はあまり敬語で喋ることは無い。それは本来プロデューサーにもそんな態度になるはずだった。しかし、杏奈は敬語にならざるをえなかった。
ゲームの世界の住人が、しかも自分がよく知っている主人公が自分の目の前にいて、しかも上司なのだから尊敬や懐疑心などでつい畏まってしまう。
全くの同名、本編と寸分違わぬ性格や見た目をしているのだ。疑いよりは信じる方に傾いてしまう。
(でも、バッツプロデューサーがゲームの登場人物だなんて、言えない...!)
もしそんなことを言ってしまったら最後、ゲームのやりすぎだと言われ最悪没収までいってしまうだろうと杏奈は危惧する。実際は少し笑われて終わりなのだろうが。
「プロデューサーさんって料理出来るのかな?」
「見た目からしてあまり作れなさそうだよね〜」
「ああいった見た目だからこそ逆に料理が上手だったり...!」
「それはポイント高いですね」
ああダメだ、花の乙女達はプロデューサーの話で嵐のように喋り倒している。
あながち『乙女ストーム!』って名前は皮肉の意味も込めたんじゃないかと杏奈は感じる。
「それなら、プロデューサーにインタビューしてみませんか!?」
「インタビュー?それいい!ナイスアイデアだよ百合子ちゃん!」
「なら早速メモに質問をまとめましょう。わくわく...」
「...えと、失礼じゃないかな...?」
「これくらいプロデューサーさんなら答えてくれるよ〜」
杏奈が軽く諌めてみようとするがこうなった乙女達は止まらないのが関の山。あれよあれよと五分で質問用紙を作りあげた。
もう知らない、と杏奈は諦めた。
「それじゃ早速プロデューサーさんが帰って来たらインタビューだー!」
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「俺についての質問?」
それからバッツが帰ってきたのは数分後だった。これが偶然か天の計らいか分からない。ただ杏奈はプロデューサーに同情はした。あまり聞かれたくないことまで聞かれるんだ、自分なら塞ぎ込んでしまう。
「はい。インタビュー形式でこちらが質問するので、プロデューサーはそれに答えていただければ」
といいながら瑞希はメモとペンを構える。お覚悟を、とでも言いたげな表情でバッツを見つめていた。
「仕方ないなぁ。よし、どーんと来い!」
「やった!それじゃ最初の質問!...」
バッツの承諾と共に
「まず、年齢はいくつですか?」
「二十だな」
いきなりド肝を抜く回答。なにせ十七歳である瑞希とかと三つしか違わない。高卒か二年制の学校を卒業したくらいの年齢設定になる。
「二十!?まだそんなに若かったんですか...」
「俺はそんなに老けて見えるのか!?」
「いえ、二十でプロデューサーとはすごいって意味ですよプロデューサー」
「そうか?それならいいんだが」
バッツは学歴等を一切聞かれないままプロデューサーになった。高木社長が第一印象で決めたせいである。それでいい人材をとってくるから社長の審美眼も馬鹿にできない。
「じゃあ次!趣味とか特技とか教えて下さい!」
「趣味はそうだな、動物の世話とかかな。まだ家に動物はいないけどさ」
「動物の世話ですか?どんな動物ですか?」
「チョコ...えっと、鳥だよ鳥!一時期『チョコ』って名前つけててさ!」
チョコボと言いかけたのを必死に誤魔化すバッツ。未来達はキッカリ騙されてるが、杏奈はチョコボと言いかけたのをしっかり認識していた。
「それで、特技だっけ?強いて言うならアウトドアかなぁ。旅の経験で色々出来るようになったし」
「「「「おー!」」」」
未来達の質問に、出来るだけ違和感の無い内容に誤魔化しながらバッツは回答していく。その答え方が未来達の好感度稼ぎになってるとは知らない。
「次の質問〜、苦手なものってありますか?」
「苦手なもの?高い所かな。ちっちゃい頃に色々あってさ」
「高い所から落ちた、とかですか?」
「いや、そこまでではないよ。ただ、半ばトラウマというか...」
あまり話したくない様子を察し、未来達はこれ以上この話題に触れない様にする。
「それでは次の質問です。...今、何問目でしょうか?」
「えっと確か...ってクイズ番組かよ!」
「おお!ノリツッコミを出来るとはすごいです、プロデューサー。冗談はさておいて...」
「冗談で済ますなよ...」
瑞希の突然の振りに動揺するバッツ。表情一つ変えず突然振ってくるのが瑞希である。
「では本題です。出身地はどこですか?」
「しゅ、出身地か...」
バッツにとって最も答えづらい質問。バッツがこの国の人ではないのは名前で一目瞭然だが、これで正直に答えると色々掘り返されかねない。
バッツがこの世界の住人では無いことは知られてはいけない。根掘り葉掘り質問をされたらいつかボロが出てしまうことをバッツは危惧していた。
「...この前少し聞いたけど...ヨーロッパの方にある街だった。...だよね、プロデューサー」
(ナイス杏奈!)「おお!ま、そんなところだよ!」
杏奈はもちろんバッツの出身地は知っていた。バッツが言い出せない様子を察し、フォローを入れたのだ。
「ヨーロッパ...!確かにそんな雰囲気あります!」
興奮する百合子を脇目にホッと息をつくバッツ。杏奈に軽くサムズアップをする。杏奈とそれに応えサムズアップで返す。
「じゃあ次の質問を...」
「プロデューサーさん、少しいいですか?」
「小鳥?ちょっと待ってな。悪いみんな、話は後でな?」
小鳥の呼びかけに助かったとばかりに足早に離脱するバッツ。
「これでプロデューサーさんのこと、少しは知れたかな?」
「そうですね。まさか西洋の出身とは驚きました」
「うーん、上手く誤魔化された感じがするけど、気のせいかな〜?」
「プロデューサーも正直な人ですし、大丈夫ですよ!」
「...杏奈もそう思う」
バッツへの質問ラッシュを終えご満悦な四人。杏奈は一先ず面倒にならなかったと安心してゲーム機に電源を付ける。今マイブームのPSP版ディシディアファイナルファンタジーをプレイする。
杏奈のお気に入りキャラはエクスデスだ。
という訳で未来達のインタビュー回でした。
杏奈の掘り下げも兼ねて執筆。杏奈は元々敬語キャラでは無いのですが、本作品ではしばらく敬語です。その辺の裏付けも必要かなと思って杏奈メインで書きました。
バッツP一人旅も執筆予定です。
ご感想、誤字脱字報告等いただけると幸いです!