パンの袋についてるアレです。
バッツP一人旅シリーズ(になるか分からないが)第一弾。第一弾からカロリーで打撃を与えていく事になりますが仕方ないことだと思います。やはりカロリーは出しておべきかと。
それではバッツPの活躍をお楽しみください!
「腹減った...」
朝寝坊をし、朝食を食べずに午後の営業をしていたバッツの腹はもはや背中とくっつきそうな程であった。
(せっかく時間があるんだし、なにか食ってくか!)
午後は翼と瑞希が番組オーディションに行っており、迎えまで少し時間の余裕がある。なので空腹を満たすことを考えた。
付近の散策も兼ねてお店を探す。探してから程なく五分。『佐竹飯店』と書いてある店に遭遇する。
(メニューとか内装とか覗くに中華ってやつをメインにしてるみたいだ)
中華料理ならガッツリ食えるな、と思い躊躇なく扉を開ける。
バッツがこれまでの死闘のどれより過酷な経験をすることをまだ知らない。
「いらっしゃいませー!お一人ですか?」
「ああ」
「お一人様入りまーす!わっほーい!」
店員の少女に案内され、席に座る。客足はそこそこいるみたいが、特に気にせず席につく。
「おっ炒飯とかあるのか。ならこれとあと餃子も付けて...」
食欲に身を任せ自身のインスピレーションに従っていく。素早くメニューを決め、注文をする。
「炒飯大盛り!あと餃子一つ!」
「かしこまりました!炒飯大盛りと餃子入りまーす!」
正直少し足りないかな?と思うがそこで打ち止めにしておく。食いすぎで動けなくなってはいけないからだと自制しておいた。
注文が届くまでの間、テレビを見ながら暇を潰す。テレビにはグルメ番組が映っている。
(早く注文来ないかな?テレビですら俺の空腹にダメージを与えてくる...!)
「お待たせしました!炒飯大盛りです!」
ドスン、と皿が割れんばかりの音と共に
それを炒飯と称するにはあまりにも暴力的だった。
自分の顔の倍はあるだろうその山は、ファファファと言わんばかりにバッツを見下ろし、
空腹を通り越しバッツの胃の空間を"無"にしてしまわんとドッシリ佇んでいた。
(なんだ、これは...)
まるで未知の産物を目にしたような面持ちになるバッツ。だが残念なことに彼の知っている炒飯なのだ。量は常識のそれではないのだが。
「今餃子をお持ちしますねー!」
それに加え今から餃子を持ってくると言ってきた。先程までの軽率な注文をバッツは後悔する。もっと確認をとってから注文するんだったと。
だが大盛りで特盛Wのような出し方をするのはこの店だからであって、通常の店ではそんなこと滅多にないのだからバッツの後悔も意味はなさないだろう。
(くっそー!もう腹をくくるしかない!)
食べる前から満腹感を感じかけてる思考を中断し、山の解体作業にはいる。
まずひと口。口に運んだ炒飯は米一粒一粒にしっかり油と火が通っており、絶妙なバランスで調味料が合わさり極上な風味を醸し出す。
鼻につきぬける塩コショウと米の香りにバッツは舌鼓を打つ。
(ん!こりゃあ美味いや!こんなんなら半分は余裕かも!)
この世界に来てからしっかりグルメ舌になっていたバッツは基本美味ければ大量に食べる。ラーメンを食べたあとに牛丼屋へハシゴする位には大食いになっているのだ。
それから五分、パワーの塊だった炒飯はすでに半分無くなっていた。胃袋とは一体...と炒飯もウゴゴゴとうなっているだろう。
バッツが残り半分に手をつけた瞬間、とある違和感に気付く。
(レンゲの差し込みが固くなった...!?)
山ほどのある炒飯を支える土台は、盛り付けている途中で重力に従いその厚みが増してくるのだ。
佐竹飯店の料理、特にご飯物において最も山場となるのが半分を食べた辺りである。
それまでの道程はただの余興に過ぎないのだ。
(そんな、こんなことってあるのかよ...!!)
レンゲを刺し込み、口に運ぶ。バッツの腹はまだ六分に突入したばかりだ。このままなら餃子まで平らげることは可能だ。
---しかし
(まてよ...?この皿、深いぞ...ッ!?)
レンゲを皿の底まで刺すが、軽く持ち手まで埋まる。この炒飯の質量はバッツの想像を軽く超えていたのだ。
vs佐竹飯店、ビッグチャーハンの死闘はまだ終わりを迎えていないのだ!
「お待たせしました!餃子ですっ!」
炒飯を見てからバッツが立てた予想通り、餃子も大皿にスクラムを組んで鎮座していた。軽く数えても二十はある。
炒飯の口直しに餃子を一つ。醤油、酢、辣油を混ぜてから餃子に漬ける。口に運べば種と漬けたタレが上手に混ざり、熱さと美味さが同時にバッツを襲う。
(やっぱ餃子も美味いや!うん、量に目を瞑ればだが)
炒飯と餃子を三対一の割合で口に運ぶ。腹八分を超え、ツラさが美味さを超え始める。
(やべぇ、限界になってきた...!)
目が泳ぎはじめ、腹が膨れ上がる感覚を覚える。バッツの頭にはツンツン頭で巨大な剣を構えた男がいた。
『限界を超える!!』
その瞬間、バッツの中の何かが弾けた!
レンゲをすくい、口に運ぶスピードを通常の倍にする。餃子を一口で食べながら水で流し込む。
(ごちそうさま、でした...!)
米一粒残さず、餃子の羽の欠片一つも許さず全て喰らい尽くした。
(もう、疲れたよ...)
デジャブを感じるセリフを頭に流し、椅子にもたれる。
☆☆☆------------------------------
「お会計、1380円になります!」
あれだけの量を食べてこの値段。コスパはいいと思う、主に質量が。
「1500で」
「120円のお返しです!ありがとうございました!」
「どうも。あとさ、俺アイドルのプロデューサーやってるんだ。興味があったらウチに来てよ」
「えっ?ど、どうも...?」
質量の暴力を受けた腹いせに看板娘をスカウトしておく。カワイイ顔だし、元気なのが売りに出来そうだったからだ。
そのまま店を出て、背中を伸ばす。
(あの子をスカウトするなら、どちらにしろもう一回行かないと、だよな...)
腹をさすりながらオーディション会場へ迎えに行く。腹を少しでも楽にするため、わざと回り道をしながら足取り重く歩くのだった。
この一件の後、佐竹飯店の看板娘がアイドルになり、バッツをカロリーで苦しめるのはまた別のお話。
というわけで死闘回でした。
あまりバッツの苦しみを描写仕切れなかった気もしますが、あの量を平らげるのは大食い選手でもなければ無理だと思います。
閑話休題では基本乙女ストーム以外のアイドルの絡みを入れていこうと思ってます。
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