アイドルマスターミリオンバッツ!   作:バッグクロージャー

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こんにちは

パンのアレです。


そういえばバッツの私生活を描いてないと思って閑話休題です。

多少他のアイドルと絡みがあるのでどれがどの子か分かると楽しいかと思います。


バッツPの活躍ではありませんが、お楽しみください!


閑話休題:バッツの休日

ジリリリリリリ!

 

「...フニャッ」

 

 

けたたましい金切り音で目を覚ます。もう出勤の時間か、んじゃ今日も頑張るぞ!

 

 

「プロデューサーさん?今日はオフだと聞きましたが」

 

「あれ?そうだっけか!?」

 

 

支度を諸々済ませて事務所へ着くなり小鳥から無情な事実を伝えられる。俺が忘れてたのが悪いが、そんなことならもっと寝てりゃよかったよ...

 

 

「よーし、気を取り直すか!せっかくだし、付近を探検だな!」

 

 

仕事テンションで行ってお休み宣言された脳をリフレッシュして久々に街に繰り出す。

 

 

「あれ、プロデューサーさん?今日休みだったんじゃないんですか?」

 

「ん、未来か。それが今日休みだってことすっかり忘れちまってな」

 

 

途中すれ違う未来に訳を説明して階段を降りる。...にしてもここのエレベーターっていつになったら直るんだ?

 

そんなことを考えながら、これからの計画を考える。

 

 

(当ても無く探検してもいいけど、折角なら未来達に紹介出来るような店を探しに行くか!)

 

 

涼やかな風が吹いてきて、なぜだか今日は休みって感じを強く紐付けされる。気持ちいいな。

 

 

 

☆☆☆------------------------------

 

 

 

電車を使って渋谷へ着く。若者の流行りと言ったらまずはここだろな。でも翼とかはここらの店に詳しいだろうから、穴場を見つけなきゃ!

 

そう意気込んで街中を練り歩く。駅近くの店はありきたりだから、もう少し先に行ったところをメインに探検する。

 

 

(お、こんなところに花屋発見!)

 

 

俺が見つけたのは通りにある花屋。『FlowerShopSHIBUYA』という店らしい。雰囲気は落ち着いていて綺麗な印象だ。

 

 

「いらっしゃいませ」

 

 

店員さんが軽く挨拶をしてくれる。そうだな、折角なら事務所に飾る花でも買ってみるか。

 

 

「部屋に花を飾りたいんだ。いいのあるかな?」

 

「それでしたら、これはいかがですか?」

 

 

店員さんがそう言って見せてくれたのは鈴蘭だった。小さめの鉢に謙虚そうにアピールする花びらがとても可愛らしい。

 

事務所のテーブルにちょこっと飾れるし、これにするか!

 

 

「じゃあこれにするよ。いくら?」

 

「お一つ680円です」

 

 

給料が入って手持ちが良いせいで安く感じる。なんだかんだいってこの世界に慣れちまった感じがして違和感がでる。

 

 

「1000しかないけどいいか?」

 

「はい...320円のお返しです。ありがとうございました」

 

 

ここの看板娘だろうか。淡々と、だけどしっかりと接客をしている女の子だ。

 

アイドルにスカウトしたかったが、今はプライベート。オンオフをしっかりしなきゃ杏奈に笑われちまうしな。

 

 

「ありがと、これですこし華やかになるよ」

 

「いえ、その花もきっと喜んでると思います」

 

 

少しだけ会話を挟み、店を出る。意外とポエミーだったなあの子。

 

透明な袋に入った鈴蘭を傾けさせないように歩いていく。そろそろ腹も減ったし、飯行くか!

 

ふとすれ違ったスーツの巨漢と女の子にびっくりしたが、飯屋を探しに行くことにした。

 

 

 

☆☆☆------------------------------

 

 

 

場所は大きく変わって浅草。ここで美味いもんが色々食べれると聞いてわざわざやって来た。

 

さて、美味いもん巡りでもするか!

 

と、思った矢先。ベンチに座って如何にも困ってそうに腹を抱える女の子を見つけた。普段なら無視するが、どうせの休日だし助けることにした。

 

なにより困ってるのも見つけてしまったから助けなきゃかなと思った訳だ。

 

 

「どうした、腹でも痛いのか?」

 

「...お...か...いた」

 

「なんだって?もう一度言ってくれ」

 

 

女の子は俯いたままボソボソと話し出す。なにを言っているか分からなかったから、耳を近づけると

 

 

「お腹空いたんです」

 

 

と言う。どうやら空腹のせいでお腹を抑えてうずくまっていたらしい。

 

 

「そっか、ならなにか食べよう。俺も丁度腹減ってるところだし」

 

「...」

 

「なんなら奢るぞ?」

 

「ホンマですか!?お兄さんめっちゃええ人やん!」

 

 

俺の奢り宣言に女の子は首が折れかねない勢いで顔を上げる。笑顔がすごく可愛い、そんな印象を与える。

 

そっからしばらく食べ歩きに付き合った。

 

 

「いやー、ありがとうごさいます!実は東京に旅行しに来たんやけど、ついお金使いすぎてしまいまして」

 

「そうなのか、そりゃ災難だったな」

 

 

女の子は敬語ではあるが少し西の訛りが垣間見える話し方をしている。そして金が無くなった理由は大体想像つく。

 

なぜなら俺の倍は食べていたからだ。今日一番金を使ったよ全く。

 

 

「その調子だと帰るお金も無いんだろ?こればっかりは奢りじゃなくて貸すことになるけど、また東京来た時に返してくれればいいからさ」

 

「えっホンマにいいんですか?色々してもらってすみません」

 

「気にすんなって。次東京来る時、ここ訪ねてきてくれ。普段なら誰かいると思うからその人にお金返してくれればいいや」

 

 

女の子に帰り分の切符代として追加で諭吉を一枚あげる。流石に気が引けるのか、かなり困り顔だ。

 

今度返してきてくれればいいからと言って女の子に名刺を渡す。簡単に手渡せる身分証明ってこれしか無いしな。

 

 

「ホンマありがとうございます!このご恩は必ず返しますんで!ほなまた会いましょー!」

 

 

といって女の子と別れる。地味にまた会うと宣言していた。あの子はこうなったら絶対会いに来るだろうな。今まで会ったことないタイプだけど、正直な子だったし。

 

 

「ちょっと使い過ぎちゃったし、そろそろ帰るか!」

 

 

気が付けば午後二時を回っていた。さっきの昼飯で結構金使っちゃったし、帰ってあとはゆっくりするか。

 

 

この後わざわざ大阪からやってきた少女が恩返しにとアイドルになるのは、花屋の少女と合同ライブでばったり会うのは、また別の話だ。

 




いかがでしたでしょうか?


言葉使いとか遭遇した場所、性格なんかを見てどの子だったか分かっていただけると嬉しいです。

バッツの原作初期設定では無愛想でぶっきらぼうらしいのですが、原作の時点で無視されてるのでこれで正しいと思います。


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