アイドルマスターミリオンバッツ!   作:バッグクロージャー

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こんにちは


そういえば食パン以外のパンの袋にもついてたなって気がついたアレです。

今回は真壁瑞希メインの回。まかべーの突然の行動と言動には中々描写が大変ですがなんとかやります。


それではバッツPの活躍をお楽しみください!


第八話:瑞希は瑞希だ、自信持て!

「プロデューサー、少しいいですか?」

 

 

事の始まりは、瑞希の相談からだった。

 

 

「どうした、悩み事か?」

 

「はい。まず、プロデューサーは私のことをどう思ってますか?」

 

 

と、相談するなりいきなりの質問。あれだよな、普段の行動がどうかであって別に個人の好き嫌いとか感情の話ではないよな?

 

 

「んー、そうだな。いつも頑張ってくれてるとは思うけど、少し笑顔が足りないんじゃないか?」

 

「やはり笑顔ですか。ではどうやったら笑顔を作れますか?」

 

 

ここは正直にと思った事を口にする。それを予想したかのように次の質問を俺に投げる。

 

てか笑顔の作り方?笑顔の練習なんてある訳ないじゃないか。アッハッハッハー!て笑うのか?

 

 

「笑顔ってのは自然に出来るんだから、作る必要はないと思うぞ」

 

「むぅ、それが出来たら苦労しません」

 

 

瑞希は怒るぞと言いながら怒ってそうな表情をする。だがこれがまた全く怖くない。それどころか愛嬌がある。

 

かわいい、で言ってしまえばそれで終わりだが、瑞希の求めてる表情からすれば程遠いもんなんだろうな。

 

 

「よし、分かった。つまり瑞希はもっと表情豊かになりたいんだな?」

 

「はい。さすがですプロデューサー。その推測力に惚れ惚れします」

 

 

そう褒めてくれる瑞希の声色は、なんだか一定。折れ線グラフにしても意味が無いレベルで抑揚がない。

 

瑞希の悩みが表情なのか、それとも声のトーンなのか。それが分かりづらいところだ。

 

 

「なら、今日の営業は俺もついて行くから一緒に笑顔の秘訣を考えるか!」

 

「本当ですか?ありがとうございます、プロデューサー。プロデューサーとお出かけ...わくわく」

 

 

 

☆☆☆------------------------------

 

 

 

「これからも頑張って下さい!」

 

「はい。応援ありがとうございます」

 

 

今日の営業はCDお渡し会だ。もちろんミニライブで披露した『THE IDOLM@STER』のCDを手渡しで配布する。

 

瑞希のファンも一定数存在する。それでも翼よりは少ないけど、特徴的なのは女性ファンが多いってところかな。

 

 

「あ、あの!出来れば笑顔を頂けませんか!?」

 

「笑顔、ですか...こう、でしょうか?」

 

 

ファンの子が瑞希にスマイルを求める。それに対応しようとするが、いまいちぎこちない笑顔になってしまっている。

 

まぁ、ファンの子もそれで凄く喜んでくれてるからいいのかもしれないが。

 

 

「...ふう、これで全部。よくやったぞ瑞希」

 

「瑞希、よく頑張ったな!飲みもん買ってくるけど何がいいか?」

 

「ありがとうございます、プロデューサー。では、甘いジュースをお願いします」

 

 

一時間近いお渡し会を終え、すこし疲れが出たであろう(表情では全く分からないが)瑞希を労る。

 

甘いジュースと言ってたからネ○ターの桃ジュースを買って瑞希に渡す。

 

 

「あの、プロデューサー」

 

「ん、どうした?」

 

「お渡し会のとき、ファンの方から笑顔を要求されました」

 

 

瑞希は缶を持ったままそう俺に話す。俺は「そうだな」と相槌を打っておく。

 

 

「ファンの方は喜んでくれました。ですが、あれでよかったのでしょうか?」

 

「んー...俺も横から見てたけどあまり自然な笑顔ではなかったよな」

 

「そうですよね。むーん...」

 

 

やっぱり瑞希はさっきの事が気になるらしい。その悩みを解決させるために俺は続ける。

 

 

「もしかしたら、ファンの子はそんな瑞希も含めてファンになったんじゃないか?」

 

「?それはどういうことですか。気になります」

 

「要は、瑞希はそのままでいいって事だよ。笑うのが苦手で、でもクールに振る舞える。そんな瑞希が好きなんだよ」

 

「...そう、ですか。これも私、なんですね」

 

「そう、笑顔が苦手とかどうだっていいさ。瑞希は瑞希だ、自信持て!」

 

 

俺はそう瑞希を元気づける。人に好かれる為に自分を隠してちゃ疲れちゃうから無理する必要はない、とも付け加えとく。

 

 

「いいですね、その格言。瑞希ズノートに書き込まなければ」

 

「だから、それはもういいって!恥ずかしいだろ!」

 

「いえ、プロデューサーからは色々人生についてとても参考になる発言ばかりなので」

 

 

さっきまでの落ち込みは嘘のようにケロッとした表情でノートを取り出す。いつも持ち歩いているのかよ、それ。

 

 

「無理に笑顔を作る必要はない、それは分かりました。でも、出来るようにはなりたいです」

 

「確かに、出来るようにはなっておいた方がいいかもな。なら少し笑顔の練習するか」

 

 

瑞希は納得をしながらも、更に上を目指したいということを伝えてきた。その気持ちを台無しにするわけにはいかないし、練習を続けることにした。

 

 

 

☆☆☆------------------------------

 

 

 

「じゃあ次はこれだ。キウイって言ったときにキウイの"イ"で口を止める!これやってみるか」

 

「はい。...キウイー...どうでしたか?」

 

「まだ表情硬いな。うーん、これも駄目か」

 

 

今俺と瑞希は事務所に戻り、笑顔の練習をしている。片手に『これで相手を魅了する!最かわっ☆笑顔テクニック』といういかにもな本を持ち、瑞希に指導している。

 

 

「次は...っと、表情筋をマッサージすると効果アップか。ちょっとやってみるか」

 

「表情筋のマッサージですか。よくテレビでやってたりしま...ふぎゅっ」

 

 

何か言っている瑞希を遮るかのごとく両手で頬を鷲掴みする。掴んでみて分かったが、これマッサージ必要無いんじゃないかってくらい柔らかい。

 

この柔らかさは男女の差なのか?レナ達にはやったことなかったから新鮮だ。

 

 

「むぐむぐ...ぷはっ!」

 

「どうだ?表情筋柔らかくなったか?」

 

「うーん、あまり変わらない気がします」

 

 

あれだけ柔らかかったんだ、あまり効果もないか。しかし、笑顔が出来るためにここまで苦労するとはな。

 

 

「これも駄目、と。なら次は...」

 

「...すみません、プロデューサー」

 

「え、どうした急に?」

 

「いえ...今日のプロデューサーには迷惑をかけてばかりです」

 

 

いきなり謝ってきたと思ったらそんなことか。お渡し会と同じ様な落ち込みを見せる瑞希をもっかい元気づけなきゃな。

 

 

「気にすんなって、これも仕事の内だよ。それにこんな風に誰かと悩むのも、なんだか懐かしいし」

 

「懐かしい、ですか?」

 

「ああ、そりゃもう。お前達が売れ始めてからこんなこと滅多になくなっちゃってさ。いい事なんだろうけど、やっぱ寂しいや」

 

「...プロデューサーは意外と寂しがり屋なんですね」

 

 

そう言った瑞希はクスッと笑う。

 

 

「なんだよ、馬鹿にしてるのか?...って瑞希、やっぱ笑えんじゃんか!」

 

「そうでしたか?...気づかなかったぞ」

 

 

ああそういう事か。最初に言った通り笑顔は自然に出来るんだな。

 

よし、そうと決まればそれを慣らすべきだ!そう思って立ち上がって何か面白いことをしようとしたとき、下半身、特に足の部分に激痛が走る。

 

テーブルの角。面取りされて丸くなっているそれに右の脛を、俺なりに言うなら『ギルガメッシュの泣き所』を強打する。

 

その痛みはエクスデスとの死闘(最終決戦)よりも苦しさと痛みが襲う。

 

 

「がっ...!いた、いってぇ!」

 

 

俺は痛みに耐えきれずのたうち回るが、事務所のパーテーションに気づかず、その角に頭を強打。

 

このデルタアタックに耐えれる猛者はそういないだろう。

 

痛める頭をなんとか耐えつつ、瑞希の様子を見るが、俺はそこで目を疑った。

 

 

「ぷふっ...!ハハッ、アハハハハ!」

 

 

瑞希が、あの瑞希が腹を抱えて笑っている。目に涙を浮かべながらも全力で笑う。

 

その笑い顔がとにかく新鮮で、かつ年相応の可愛らしさがあった。

 

 

「アハハハッ!...もう、プロデューサー。何をやっているんですか?」

 

「え、いやーその...なんでもいいだろ!」

 

「なんでもな訳ないじゃないですか、ハハハ!」

 

 

俺の言葉と状況があまりに可笑しかったのか、また瑞希は笑い出す。心底恥ずかしかったが、それ以上に価値のあるものが見れた気がする。

 

それか俺が必死の弁明をし、瑞希の笑いを収めるまで十分かかった。

 

 

 

☆☆☆------------------------------

 

 

 

「ふぅ、ここ一生で一番笑いました」

 

「全く、ホントどこに面白味を感じたんだか」

 

「全部です、全部」

 

 

事態を収集し、なんとか互いに平静を保てるようになったところで会話をはさむ。

 

 

「でも、ありがとうございます。プロデューサー」

 

「ん?どうしたいきなり」

 

「今日はプロデューサーのお陰で、大分笑顔の練習が出来たと思います」

 

「そっか!なら手伝った甲斐があったよ」

 

 

過程はどうであれ、瑞希のステップアップに繋がったならそれでよしとする。

 

結果オーライってやつだな。

 

 

「これならライブでもすぐに笑えると思います」

 

「ホントか?そんなに勉強になったのか」

 

 

どうやら瑞希は完全に笑顔のコツを掴めたらしい。今度のライブに期待だな!

 

 

「はい、なぜなら-----」

 

 

 

 

 

「プロデューサーのあの姿を思い出せば、今でも笑い出すことが出来ますから!」

 

 

そう言って瑞希は事務所の外へ逃げ出す。それは笑顔じゃなくて単なる思い出し笑いだろ!あいつ、わざと含めた言い方してたな!

 

 

「待て!何処に行く!」

 

「そろそろ春日さんたちが戻ってくる時間なので!」

 

「やめろ!言いふらすな!あいつらに話したら許さないぞ!」

 

「それなら捕まえみてください!逃げるぞー!」

 

「ああコラ、待てー!」

 

 

全力で逃げ出す瑞希を逃がすまいと全力で追いかける。夕方近くで少し肌寒い風がつき切る中。

 

ときどき振り返る瑞希の表情は、確かに笑っていた。




いかがでしたでしょうか?


今回は全力で瑞希を笑顔にさせるために奮闘しました。笑い転げるまかべーが見てみたい。そう思います。

書きながら実際にそのシーンをイメージするのですが、まかべーが腹を抱えて笑うシーンを想像するときっとすごく可愛いんだろうなーって思います。キモいですね。


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