ヤンデレ魔王に追い回される日々   作:パ〜ム油

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強硬手段で人権ならぬスラ権獲得を目指すスライムたち!
果たしてうまくいくのか…?


勇者の公務(その8)

館の中は大混乱だった。

庭の芝に付いた火がだんだんと迫ってくるのが窓から見え、しかも熱も感じるのだ。

従者が声を張り上げる。

「火が館に付きましたが、皆さま落ち着いて!すぐに扉を開けますので!ちょ、押さないで!」

ドラゴン族の男が前に出る。

「そんなことを言ってからもう5分も経ってるんだぞ!どけ!俺がぶち破る!」

ガツン!と硬いウロコに覆われた体が扉にぶち当たるが、扉に傷こそ付いてはいるものの、扉は揺れることすらなかった。

「ぬうっ…!なぜだ、なぜ開かない!?」

そんな中、イスに腰掛けて一人優雅に紅茶を飲む女。

「エメラル様…私が不甲斐ないばかりに…!」

 

 

「なんですか…これは…」

馬車を飛ばさせて山を越えた魔王は唖然としていた。

パーティが行われている館の周囲を火が取り囲み、一部には既に着火していた。

「ウルスラっ…!今助けますから!」

魔王は馬車も放り出して走り出す。

 

 

「あれは…!魔王よ!」

薄緑のスライムが言う。

「エメ…!」

クララは切り裂いたような笑みを浮かべ、俺を抱え上げた。

「ふふ…やっと成就する時がきたぁ!みんな、私は絶対に権利を認めさせて、みんなを守ってみせる!」

紫色のスライムが勝ち誇ったような笑みで言う。

「分かったわ、私は結界の維持を続けておくから、さっさとやっておしまいなさい」

もう状況を打破することはできないと思う。

俺は最悪の事態を避けるために、ある提案をすることに決めた。

「っ…なあ、もしも、だ」

クララがこちらを見る。

「もしも俺が…クララの夫になって、スライム族のために尽くして、権利をエメに認めさせたら…結界を解いてくれるか?」

するとスライム達はお互いの顔を見合わせた。

そして。

「いいわよ、でも条件があるから」

「条件…?」

クララは蕩けたように笑って言った。

「魔王様の前で私との永遠の愛を誓いなさい?そうすればすぐにでも火を止めて、結界も解いてあげる」

「…っ」

提案を受け入れられ、脳裏に魔王の笑顔が浮かび、消えた。

 

ごめん、魔王。

 

 

「はッ、はッ…!これは…結界が張られている?魔力の質感からして四方に道具を置いて封印したものですね…破壊が間に合えばいいけれど…!」

魔王は走っていた。

スライムの貼った結界術は偽装された魔法道具を東西南北に配置することによって、強い力を生み出すものだ。

全てを破壊すれば魔法は消える。

「この井戸に取り付けられた滑車…真新しいものですね…これを破壊すれば…!」

井戸の滑車を掴み力を加え、素手で粉砕する。

すると館を取り囲む炎が一瞬揺らいだ。

 

「よし!次は向こうにある道具を…!」

 

 

そのとき、魔王は見つけた。

「ご機嫌麗しゅう、魔王様、本日は魔王様に素敵な提案をお持ちしたのですが…聞いていただけませんか?」

夫を腕に抱いたスライムを。

「ッ!ユーリに触るなッ!」

駆け出そうとするもそのままスライムに絞め殺される恐れもある。

そして館の火事は十中八九スライムによるものだ。

動くに動けない魔王に、ユーリィが話しかける。

「エメ、いや…魔王、様」

親しい呼び名を言い換える夫に、魔王は問いかける。

「ユーリ…?どうしたんですか?また変な女に捕まってしまったんですか?さっさと殺して一緒に城に帰りましょう?ね?禁欲しましたし、きっと私もいつもより愛してあげられます!だから帰りましょう?ね?なんなら電気ムチとか使っ」

言葉を遮ってユーリィが言う。

「俺は…このスライムの…クララの夫になるんだ」

「…え?何を言っているんですか…?冗談はやめて…」

 

「冗談じゃない、スライムの魔界における一族としての権利を保障して、俺がクララの夫になることを許してくれたら、あの館にいる人は助かるんだ!」

クララが割り込み、そして。

「愛を誓いますよねぇ?ダーリン?」

俺の唇を丸ごと咥え込むようにキスしてきた。

「んッ!?」

「ちゅ〜、じゅるっ、じゅるる…じゅぼっ、ちゅッ」

 

それを聞いた魔王はしばらく固まっていたが、やがて清々しいほどに凶悪な笑みを浮かべた。

「くふ、くふふふッ…!クソが…!クソが、クソがッ!どいつもこいつもユーリの優しさに漬け込んで好き勝手して…!ぶっ殺してやらないと分からないんですかね!?」

 

対照的に泣き出しそうな顔を浮かべたユーリィは。

「エ…魔王、やめてくれ、クララに今手を出したら館の人たちは…!」

「今助けてあげますからね、待っていてください」

クララが焦ったように言う。

 

「動かないでくださいねぇ!魔王様!動けば夫さんはどうなるかわかっていまs…!?」

その言葉は途中で止まる。

クララの顔は一瞬にして魔王によって殴り抜かれたからだ。

 

「スライムってのは殴り心地がいいですねぇ、もっと殴らせてくださいよ」

 

ボコボコと顔を再生したクララは言った。

「いくらでもどうぞ?ただし、そうしてる間にも華族は焼き殺されていきますけれどね」

「なら、こんなのはいかがですか?」

ぐじゅり、と首に手を突っ込む魔王。

すると、クララの体が魔力からか煌々と光り始める。

「ふふ、魔王様直々に魔力のプレゼントですかぁ?」

「ええ、好きなだけお召し上がりを…♪」

すると急にクララが熔け崩れ始める。

「ごぶっ…!?ま、待って、なんで、て、抵抗、して、るのに…!」

「はは…あなたの魔力飽和量は低い、抵抗をぶち抜いて魔力を流し込めばあなたの体なんてジャックできるんですよね?」

 

魔力を直に流し込まれる時に抵抗されれば、1流し込むのに1000もの魔力が必要とされている。

魔王はそれをやってのけたのだ。

 

「と、溶け…!待っ…!」

ぴちょん、と指から最後のクララが滴り落ちる。

「くッははははは!なんですかこれ!?こんなので権利!?こんなのでユーリの夫!?死ね!死ね死ね!クソ女!」

何度も何度も青い水たまりを足蹴にする魔王。

「エメ…」

「ユーリ!待っててくださいね!今すぐに館を開けてきますから!」

 

 

「ね、ねえ、クララ溶けちゃったよ…!?結界が壊れないのが分かったら、次は私たちが襲われる!」

「っ!退きましょう!クララをあとで救助して…ええい!結界なんてもう必要ないッ!」

館の扉が開き、中から人が流れ出るのを尻目に二人のスライムは逃げ出した。

その後ろ姿を見つめる者がいるのも知らずに。

 

 

 

30分後

「はぁ、はぁ…ここまで来れば大丈夫でしょう…」

「魔王様にもバレていないし、こんな森の奥に追ってくるはずもないしね…」

「にしても…結構いい男だったし、逃すのはもったいなかったわね」

「あー…けど、クララを助けたらすぐにでも掻っ攫えばいいのよ」

「アンタと違って私はもうすぐ繁殖期なのよ、分かる?あの男の子種を絞りまくろうと思ってたのに…」

森の中で蠢く二人のスライム。

そこに二人の恐れる存在の声が響く。

「…そんなに相手ほしいなら、私がシてあげよっか」

「は?何?アンタみたいな女で相手は務まらないわよ、私はイキのいい男の子種が欲しいの、ガキの女になんて興味ないわ」

「…ふぅん?じゃあちょっと眠ってもらおっか」

どこからともなく現れたダークエルフが魔法で二人の意識を奪う。

「なッ…!?アンタいつからそこに…!」

「うっ!なんで…こんな…?」

倒れた二人を担ぎ上げて馬車に運ぶ二人。

その馬車は魔王城に向かって行った。

 

 

 

「ユーリ、大丈夫でしたか?」

「ああ、また心配かけてごめんな」

城に帰るまでがっちり抱きつき、城に帰ってからも泣き通しで抱きつきっぱなしの魔王を優しく撫でる。

「まったく…しばらく外出禁止にしないとダメですかね?」

「えぇ…ちょっとそれは厳しいんだが…」

「ユーリが心配をかけすぎるからです、とにかく今日は死ぬほどヤってもらいますよ」

魔王は嬉々として服を脱ぎ出す。

「えっ、もっと労いとかないわけ?ほら、俺スライムのせいで禁欲強いられてたわけだし」

魔王は俺をベッドに押し倒して、がっちりホールドしてから言った。

「だからカチカチなんですね♪孕むまでは寝かせませんから♪」

「ちょっ…シャワーくらいッ!うあっ!」

 

長い夜が始まった。

 

 

 

 

ーおまけー

スライム事件のしばし後。

魔王城の地下室に、二人の女の嬌声と一人の女の喜びの声が聞こえる。

「…あ〜あ…このスライムオナ○もう前も後ろもゆるゆるなんだけど…?5日間ヤりっぱなしくらいで失神とか弱すぎじゃない?」

「ふにぃ…♡もう許ひてくらしゃい…♡」

「専属オ○ホになりましゅからぁ…♡んひィ!?」

「…専属○ナホになりたいなら私の形しっかり覚えさせてあげるね?身体中蹂躙したけど、やっぱあなたは後ろの穴、そっちの紫は口が一番よかったかな」

「ありがとうございますぅ…♡」

「んほッ、止まって、待ってぇ♡」

「…さて、じゃあ聞いてみるよ?あなたたちにとって一番大事なのは?」

「「マリン様のたくましいご主人様ですぅ♡」」

「…はぁ…もう私じゃなくて体の一部に忠誠誓っちゃったよ…♪これは体の色白くなるまでヤってあげるしかないかなぁ♪」

 

彼女達の頭にはもう男のことも革命のこともありはしない。

あるのはただ「ご主人様」からほぼ絶えることなく与え続けられる快楽だけだ。




なんかハイスピードで終わってしまってすみません(´・ω・`)。
書きたかったんです反省はしてません。
シリアスな部分はきちんと次回書きますのでご安心をw。
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