後半は超キャラ崩壊注意です。
汚い描写や暴言が苦手な人はブラウザバックしてくだされ。
「…お姉ちゃん、何?この有様は」
「………さすがの私もこれは引くわ…」
話し合いが始まって3時間ほど後、ウルスラに呼ばれてやってきたマリンとルビルは恐るべき光景を目にしていた。
ズタボロになった家具、穴の空いた壁、ぼろぼろの格好で睨み合う三人。
「さて…決心はついた?二人とも」
「「嫌」」
「…」
そしてまたもケンカは始まる。
「…ぜぇ、ぜぇ」
「はっ……はっ…」
そして数時間にわたる家族からの説得、相手からの譲歩、拳での語り合いによって決着がついた。
その要項は。
・勇者を二週間だけニコラとパストスに預けること
・預けている間、性的な接触はもちろん体へ触ること自体を必要最低限に抑えること
・帰ってきた勇者にすこしでもおかしな部分があれば、その責任はどんな手を使ってでも取ってもらうこと
・人錬鉄の刀を担保として預けること
・担保の刀には触れないこと
・必ず治った暁には勇者から手紙なり交信魔法で連絡させること
「…これを一つでも破ればその時は魔界の生物全てがあなたたちを殺すと思っておきなさい」
「構わない、彼のことをどうこうするつもりはない、ただただ私は彼を救ってあげたいだけ」
「…フン」
「…お姉ちゃん、いいんだね?」
「構いません、ウルスラ、ユーリをタンカに乗せて連れてきてください」
「私も行くわ…エメ、大人になってくれてお母さんはうれs」
「さっさと行ってきてください」
「それじゃ…たしかに預かりました」
「人錬鉄に触れたら殺すからな…覚えとけよ…クソッ」
こうして目的を果たして出てきた二人は、特注の馬車に乗り込み勇者の入った箱を置く。
まるで棺桶のようなその箱の中は、とても上質なシルクのシーツにびっしりと栄養注入の術が描かれていた。
眠っているようにそこにいる勇者。
馬車が走り出して5分ほど後、パストスの貧乏ゆすりも収まり、蹄が地面を叩く音のみが響き渡る中。
「ふふ…うふふ……くくっ…あはははははっ!」
「…キモい」
「おかえりなさいっ!私の元にあなたはやはり戻ってきてくれた!やっぱりこうして肉体を持ってあなたと接するのは最高に清々しいことだった!ねえ、またあの時のように…あなたのお顔をよくよく見せて…」
棺にまたがって嬉々として勇者の頰を撫でる。
その瞬間。
バシィッ!
「っ痛っ…!」
「…!」
勇者の頰に呪印が浮かび上がり、そこから発せられた真っ黒な剣のようなオーラがニコラの手のひらを突いた。
「…おい、コイツの体…」
勇者の体内の魔力の通る経路を、目に魔力を集中させて透視と同時に見てみる。
ありとあらゆる毛細血管、毛穴、細胞の一端にいたるまで綿密かつ濃密に秘められた魔力が脈々と流れ続けていた。
恐らく、ニコラやパストスが不用意にユーリィの身体に触れたならば自動的に込められた魔力を使って反撃するようプログラミングされているのだ。
「…ふふ、そうね、まだ時は来ていないわ、彼が治ったのならその時こそ…ね…」
ガチャガチャと馬車は揺れながら神世界へと向かう。
人間も魔物も知らない隠れた道へと。
ハザラの街 大衆酒場『どりぃむ』
「わがりますかぁ〜?づばりねぇ…私は愛をもって勇者様と接していたわけなんでずよぉ…」
「は、ハルカ、ちょーっと飲みすぎじゃない?その、鼻水とか涙とかもあるし、ろれつも回ってないし…」
「どりぃむスペシャルもう三杯おねがいしまぁ〜すっ、今ならいくらでも飲めちゃいまぁす〜」
見るからに賢者の格好をした女が泥酔し、見るからに魔法使いの格好をした女に介抱されている。
ハルカの修行したノークル修道院は、特に飲酒などの嗜好品を禁止していない宗派であった。
しかし、今日のハルカは昼間から一味違った。
朝、ネミルに誘われて街をうろついていたらジュースと間違えて果物の蒸留酒(度数22%)を1杯
昼、こうなりゃ酒盛りだとネミル側から言い出し、珍しく元気になったハルカと居酒屋に入って酒盛り、ビール(度数7%)とワイン(度数7%)と魔界郷土酒(度数34%)とドブロク(度数?%)を計11杯
夜、ハルカを静止させようとしてもう帰ろうと言うネミルを引きずってはしご酒、なんだか酒の味も分からず現在計17杯目である。
「ネミルはどうなんれすかぁ…!?勇者様いなくて寂しくて寂しくて仕方ない私をどうしてくれるんですかぁ〜!」
「は、ハルカ、いいからあんまり大きな声…!」
「昔ゴブリンの盗賊と出くわした時はいい感じだったのになぁ〜!なんでこうなっちゃったんですか〜!神さまぁ〜」
机に突っ伏していると、誰かに後ろから肩を叩かれた。
振り向いてみれば、そこにいるのは見るからにチャラそうなエルフの男たちだった。
「お姉さんたち、俺たちと飲まない?奢るよ」
「そうそう、男の愚痴なら聞いてあげるからさぁ」
明らかなナンパ。
しかしネミルの反応は全く予想外のものだ。
「あ、あんたたち…悪いことは言わないから早く逃げて…!他を当たってよ…!」
その反応に男たちは顔を見合わせると、断り文句と思ったのか笑いを浮かべながらさらに詰め寄った。
「まーまー…そんなこと言わずにさぁ、俺たちどうしても君たちみたいな可愛い子と飲みたい気分なんだよねぇ」
そう言ってハルカの肩に手を回そうとした。
しかし、そのエルフの顔に酒が思いっきりかけられることによりその動きは止まる。
「…は?ちょ、お姉さん、それはシャレになってない…」
引き気味で笑う男に、ハルカが振り向く。
「黙れクソが、お前なんか勇者様の足元にも及ばないどころかスラムのゴミ溜めに溜まったネズミのクソほどの価値もない、私をナンパしたいんだったらそのお粗末な×××をもうちょっと×××させてから出直してこいこの×××野郎、ていうかお前付いてんの?ちっちゃすぎて見えなかったわぁ…ごめんごめん、ママのおっぱいでも吸って出直してきな!」
「…………」
「…………」
その居酒屋の時は止まった。
ハルカもまたニコラと同じく時を止めることができるのだ。
そして逆上した男が摑みかかろうとするのを嘔吐物で迎撃し、ネミルが引きずって逃げ出して、さらに夜の街は賑わっていくのであった。
はい、ギャグでネタ切れを誤魔化しましたごめんなさい。