大変申し訳ございません。
作者は連載を放って短編にうつつを抜かしておりました。
腹を切る覚悟でございまする。
これからもよろしくお願いします(血涙。
俺が魔王城に閉じ込められて数日が経った。
マリンちゃんもウルスラも、ルビルさんも、もちろん魔王も、俺を魔王城から出す気はないようだ。
朝日の差し込む寝室で、隣で幸せそうに微笑む魔王に今日も説得を試みる。
「エメ、あのさ」
「なんです?私の可愛いユーリ…♪」
「ここから出してくれ」
魔王は一度俺の目を見て、柔らかな裸体で抱きしめた。
次の瞬間、魔王の放った目の前がチラチラするほどの電流が、俺の身体を駆け巡った。
「ぐあッ…!ぁぁぁぁッッ!」
数秒後に電気は止まった。
ぐったりとした俺を、魔王はほの暗い目で睨む。
「何か言いましたか?可愛い可愛いユーリ…」
「……出して…くれ…」
その後数分にわたって魔王と勇者の寝室から、激しい叫び声が間隔を空けて響き渡った。
「……エメラル様」
「何です?ウルスラ」
ウルスラがいつになく連続した叫び声を上げる勇者を心配して、扉を開けた時、彼は失神していた。
ベッドでそれを撫でる魔王に、さすがに見逃すことのできない暴挙であると意見しようと、震える声をかけたのだ。
「やり過ぎです、ユーリィ様の身体は既に生傷だらけです」
「それが何だと言うのですか?これは愛の証です」
「痛めつけることが愛だとでも言うのですか…?私にはらとてもそうは思えません」
「黙りなさい、ユーリをこれ以上魔王城から出して、危険に晒すことはできません」
「だとしても、あまりにもえげつないやり方です、これでは家畜の調教と何も変わりは」
ウルスラの言葉は最後まで続かなかった。
魔王の投げた筆が、ウルスラの綺麗な銀髪の一本を壁に縫い止めたからだ。
「……っ…エメラル様、これだけは申し上げておきます」
「どうぞ?」
「あなたは何かに取り憑かれています、この前までの美しい愛を、今のエメラル様からは全く感じられません」
そう言ってウルスラは出て行った。
魔王は気にも留めずに自らの付けた、勇者の身体に浮かぶ傷に唇を落としていた。
「…お母さん」
「あら、珍しいわね、お母さんの部屋にマリンが来るなんて」
「…お姉ちゃんとお兄ちゃんの話」
「……分かったわ、入って」
時を同じくして、魔王の母と魔王の妹とが話し合っていた。
「で?あの子のことに何か言いたいの?」
「…お姉ちゃん、最近おかしいよ?暴走し始めてる」
「あらそう?お母さんの若い頃はそりゃあもう、あの子の比じゃないくらいだったのよ?まず1週目トイレもお風呂も何もかもストーキングして2週目お家に二人きりで缶詰して3週目以降文句言わなくなるまでエッチして従順になったら脳みそを魔術でコントロールして私のことしか考えられないようn」
「………」
「あらやだ☆冗談よ」
「…とにかく、お姉ちゃんはお兄ちゃんへの有り余る愛情のせいでお兄ちゃんに危害を加え始めてる」
「まぁ…たしかに、あの子はこの前までなら、あんなことするタイプではなかったわね」
「…私たちにも、ここからお兄ちゃんを出さないように手伝わせてるけど、連れ戻したお兄ちゃんは決まって涙を流してる」
「……」
「…何かおかしいよ」
「発情期かしら」
「…怒るよ、お母さん」
「ホントのことなのよ?魔王族には100年くらい続く発情期があるんだから」
「…?」
「あの子ももうそんな歳なのね…道理で最近目が血走ってると思ったわ」
「…分かった、ダメ元で聞くね?もしそれが本当に今回の原因だって言うのなら、解決法は?」
「そんな野暮なこと聞かないの☆静める手段なんて、とうの昔から一つしかないのよ」
そこに、盗み聞きしていたウルスラが飛び込んできた。
「教えてください、ルビル様」
「ふふ……欲求を満たしてあげるコト、それだけ♪」
ある晩、勇者が三人に、こっそりと地下の墓地に連れ込まれた。
魔法陣の真ん中に座らされる。
「なぁ、俺はもうエメに絞られて…死にそうなんだ…もう勘弁してくれ…」
「…いいからいいから、お兄ちゃんはそのまま」
「この状況を打破する力をあなたにあげるのよ♪」
「これしか方法はありません、エメラル様が目覚め、ここに突入するまであと41秒、一刻を争います」
「お、おい!魔法陣光ってるんだけど!何するつもりだ!おい!」
「…人間の蓄えられる魔力量の5倍をお兄ちゃんに、興奮魔法として打ち込む!」
「緑色の魔力があるのなら、きっと耐えられるわ!」
「これさえあれば…!私の寝不足も解消される(かも)と思います!」
「待て待て待て待て待て待て待て!」
「「「破ッ!」」」
禁じられた魔王家の魔法〜タチドマラナイ〜が作動したのは、実に900年ぶりのことであった。
以下、ウルスラの部屋のレコード記録より抜粋。
「ユーリ♡おはようございます♡夜中にお部屋から出て行ったので今日は600回シましょうね♡」
「オォ……ウォォォッ……グフゥ…」
「ユーリ?なんか様子が…」
「許してくださいぃぃッ!もう無理ッ!無理ですッ!助けてッ…!だれか部屋から出してくださいッッ!」
「エメッ!エメ、大好きだ!」
「し、知ってます!知ってますから動くのやめ…!いやぁぁぁッ!誰かぁぁッ!出してぇッ!」
「ぁ…♡む、むり…♡たすけ…♡」
「エメっ!エメっ!子供作ろうッ!」
その部屋は、色んな染みや匂いやトラウマで使用禁止となるのでした。
ざ、雑……。
なんたる雑さ…。
次回からリハビリします…。