意外と魔族も人間っぽいとこあるかも?
0時投稿が待ちきれなくなってきた…。
魔王城地下3階。
重苦しい空気に包まれた中、何人かの魔族と、一人の人間と、そして魔王が居た。
「というわけで、この戦争を受けた我々魔族は一丸となって人間の侵攻を防がねばなりません」
こういう時は魔王らしく見える。
「しかし、どうするというのだ?噂によれば人間は、我々の視認できない早さで物体を打ち出す装置を作り出したようだ」
「同感だ、もう昔の人間共とは違う、奴らは知恵を持っている」
「だから何だと言う!俺たちには魔術があるだろう!」
「そもそも、そこにいる勇者のユーリ…?とか言うやつがスパイなんじゃないのk」
大きなサイクロプスが声を上げた瞬間、魔王が冷ややかな声でサイクロプスを睨んだ。
「黙りなさい、首を落としますよ?」
そう言われた瞬間、サイクロプスは姿勢を正し、謝罪する。
「っ…す、すみません」
「それと、お前のような存在がユーリと呼ばないでください、ユーリが穢れるでしょう?」
議会が静まり返る。誰一人として笑う者はいない。
魔王が立ち上がる。
「そもそも、今日は迎撃態勢についての会議です、戦争をどうするかの話し合いなど、遅いのですから」
真っ黒な獣のような魔物が声を上げる。
「人間の勇者様よ、あんたはどうやって魔界に来た?」
俺に急に声をかけられる。
「え?えーと…ハザラの街からワープしてきて…」
他の魔物が口々に質問してくる。
「あそこは我々の兵が見張っているだろう」
「いえ、新月の日を狙いました、魔物の力が最も弱くなるという新月の日を」
悪魔らしき女が話す。
「それは私たちの族の話ね、たまたま当番がその日だった…?ランダムの見張りも考えもの…か」
「そういえば、魔王様が何か勇者様から言いたいことがあるって言ってらしたが、なんだ?」
まずい。この状況で言うのか?
絶対殺される…。
「え、えーと…」
魔王が耳元で囁く。
「ユーリ、私が守ります、好きな意見を言っていいんです」
これじゃまるで子供だ。
しかし、言わなければ進展しない。
「…開戦の日、俺を最前列に出してほしいんです、そこで最後の、人間の勇者としての説得を人間に試みます」
沈黙。そのあとに議会がどよめく。
じっと扉の前に立ってうつむいていたウルスラとマリンちゃんがこちらに顔を向ける。
「どういうことだ!、なんの説得だ!?」
「俺は、あなた方の仲間をたくさん殺してきてしまった、それはたとえ死んでも償い切れるものじゃない!だから、人と魔物の架け橋として、俺は和平のための説得を」
俺の言葉は最後まで続かなかった。
血の気の多いドラゴンが掴みかかってきたのだ。
「人間は我々龍神を崇めていたと思えば、すぐに乱獲し、皮を剥ぐなどという残酷なことをする!貴様が、架け橋になどなれるか!?」
が、俺の元に爪が届く前に、ドラゴンは大きく後ろに弾かれる。
「ここは、議会です、ユーリに手を出さないでください」
「っ…魔王様…」
「異論があるなら、この場で死ぬか、出て行くか、どうしますか?」
高圧的な魔王の態度。このままでは俺を擁護した魔王が反感を買うだけだろう。
俺にできることは一つ。
「…魔族の皆さん!」
謝ることだけだ。
「こんなことで、罪は無くならない、けれど、もしも人間の行為に腹が立つなら、戦争が終わってから俺を殺してくれて構わない!」
多くの魔族が驚きの顔を浮かべている。
「だから、今は堪えてほしい、お願いです!」
魔王はとても動揺している。
「ゆ、ユーリ!死ぬなんて…何を言ってるんですか!?」
魔王はあからさまに動揺している。これからのためにも(性的な意味でも)叱っておこう。
「魔王!高圧的過ぎるぞ!」
「…ユーリ!」
急に魔物たちが笑い出した。
「はは、夫婦喧嘩するのか、魔族と人間も」
「ふっ…やはり恋仲というだけ、か…」
あれ?なんか雰囲気ほぐれた?
結局、今日はうやむやの内に会議は終わりの時間を迎えた。
戦術はうまくはまとまらなかったけれど、やはり俺の謝罪と魔王との喧嘩で、魔族も不機嫌なまま帰るようなことはしなかった。
けれど、その代償に…。
「いい格好ですね♪ユーリ」
「も、もう許してくれ…どこもかしこも舐められ擦られでボロボロなんだ…」
「だーめ♡」
ウルスラは、今日も寝不足だったとさ。
うまくいった…?
ユーリやりますねえ(二重の意味で)。
バトルはもうちょい後?