ヤンデレ魔王に追い回される日々   作:パ〜ム油

26 / 129
やっと出かけた新婚旅行!
まずは城〜ハザラの街です!


新婚旅行(その2)

「ユーリ!見てください!綺麗なお花です!」

魔王城を出て2時間。ハザラの街に向けて歩いていて、その時間ずっと魔王は楽しそうにしていた。

それこそ道端のありふれた花ですらも俺にくっついて、目を輝かせて見ている。

「この花ならよく城の周りにも生えてるけどなー」

「うふふ、ユーリと二人でお出かけですから、何もかもが美しく見えてくるんですよ!」

「そっか、ならよかった」

魔王とまた手を繋いで歩き出す。ちなみに恋人繋ぎで。

15分ほど歩いて、なんだか息の荒い魔王が俺と腕を組んでくる。

「ユーリ、もう襲いたくなってきました」

早!

「ここじゃさすがにまずいだろ…な?」

魔王の目がギラギラしてる。まずいぞ。本当に襲われる。

「宿で好きなだけシてやるから、な?」

「す、好きなだけ!?じゃあ私に首輪付けて思いっきり犯してくだs」

「やってやるから静かにしてくれ!」

さらに興奮した魔王を10分かけて宥めて、また歩き出す。

にしても、衝動的に野外なんかでヤられたら、すぐに正体がバレてしまうからやめようって言ったのに…。

 

偽りの衣

魔総の指輪と同じく、非常に古くから伝わっている衣服だ。見た目はただのシャツみたいなものだが、身につけると、他の人間の姿になることができる。ちなみに、衣を身につけている者同士は本当の姿が見える。

元々は先代魔王(魔王の祖母にあたる人らしい)が、勇者の追撃から逃亡するために作られたものらしいが二着あったので丁度いいということで二人旅に使うことにした。

魔物にも着ている者は、人に見えるが「旅人姿の人間男女が歩いていた場合には危害を加えることの無いよう」とお触れは出ているし、高等魔法を扱える生物には俺らが変装していることは分かるらしい。

ただし、分かるのは「変装していること」だけで、人間にそれがバレても魔王と勇者だとまでは分からないそうだ。

 

3時間ほど歩いて、ハザラの街に来た。

ハザラの街には魔法道具屋や、香辛料の店、食べ物の店、毛皮、絹、宝石、武器防具、何でも手に入る。

それまで、ヤりたいとかヤらせてくださいとか襲いますとか言ってた魔王だったが、着いたとたんに市に興味津々のようだ。

「ユーリ!大きい市ですね!」

「ああ、つい最近戦争したのに、活気付いてるな」

「あのお店行きましょう!ご飯です!ご飯!」

「おいおい、焦るなよ、あんまり食べると太るz」

「うるさいですよ、眠れ」

なんだか世界が回ったような気がして、一瞬意識が無くなった。

 

「はっ!?」

「ユーリは何食べますか?」

俺は何をしていたっけ。まあいいか。

気がついたら、よく魔物やハザラの街に買い出しに来た商人が利用する大衆食堂にいた。

俺達のパーティも、たまにここを使った。安くてまあまあな味のご飯屋だ。いいとこ育ちのネミルはあんまり好きじゃなかったみたいだけど。

…いいとこ育ち?

魔王、食べられるのか?

言っては悪いが、この食堂ではあまり質のいい食べ物は取り扱っていない。焼き飯なんて大きな鍋な具材全部入れて、思いっきり炒めただけ、みたいな感じだ。

ウルスラとかの美味しいご飯を食べてきた魔王にここの料理はハードル高いぞ…。

「お、おい、その…えーと…」

「よし!決めました!注文しますね!」

どうやら食べる気満々のようだ。まあ、大きな世界を知ることも大切だ。放っておこう。

…なんで俺がこんな父親みたいなことを。

と、ドラゴンっぽい従業員がご飯を運んできた。

「お待たせしましたー」

「おー!見たことない料理ですね!」

きゃっきゃとはしゃいでいる魔王。

なんかよくわからない黒いスープに、緑色の野菜とよくわからない肉が入っている。あと例の雑な焼き飯。

「あのー、魔王さん…?それ、無理して食べなくても…」

「ん?欲しいんですか?」

「違うって、だから、その、さ」

とか言ってる間に魔王はもぐもぐ食べていた。

「どうだ?」

「お…」

「お?」

まさかおいコラ!じゃないよな。

「おいしい!」

「!?」

そんな馬鹿な。ここのご飯がおいしいなんて、俺も思ったことないのに。(ヘイジは籠城戦の時食べたネズミよりは美味いとか言ってた)

「ほら、ユーリも!」

あーん、してくる。いや、絶対まずいって。

「まだあーんが照れ臭いんですか?」

「そうじゃなくて…んぐ!?」

魔王が口に入れ、テーブル越しにキスしてくる。

またも口移し。

なんか周りのお客が魔物人間問わず目を逸らしてる。ごめんなさい。

「ぷはっ、どうですか?」

うん、あれだ。普通にまずい。

とは言えない。

「う、うん、中々乙な味だな…」

「ですよね!」

嬉しそうに食べている。

ま、楽しいならいいか。

 

食べ終えたところで、魔王が立ち上がる。

「ユーリ!」

「なんだ?宿のチェックインならもう少し後に…」

「遊びに行きましょう!ね!」

めちゃ楽しそうだ。その顔は無邪気な女の子そのままだった。

その顔を見て、なんだか魔王に、また惚れ直したような気がした。愛が強いのは俺もかもしれない。

「よし、行くか」

「こっちですよ!」

「走るなって!店は逃げないぞ!」

 

新婚旅行はまだ1日目も終わってないのに、この調子じゃ終わる頃には骨抜きにされてるだろうな。

まあ、魔王可愛いからいいや。




甘々回!
なんか戦争よりも新婚旅行が長引きそうですね…。
次回はハザラの街で楽しみます!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。