ヤンデレ魔王に追い回される日々   作:パ〜ム油

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メリクリです!
一緒に過ごす異性なんていませんが…。
というか、浮かれたクリスマスオーラと正反対の迎え方をしてしまったこのお話…。


城の異変(後編)

首が痛い。

 

手足が痛い。

 

傷ついた俺の体に寄り添う魔王。

 

その顔は、リードを手にして満足そうだ。

 

だから俺は、リードを断ち切った。

 

魔王はそれを見て、泣いた。

 

 

「…ぅ」

青色の柔らかい光に目が覚めた。

「お目覚めですか?」

ウルスラの声だ。

「ウルスりゃ…?」

舌が回らない。手足も動かない。

「ろ、ろうなっえるんあ…?」

「麻酔の代わりの魔法と、ベルトで固定しています」

「あんれそんなこと…」

「舌を噛まれては、また自殺に繋がるでしょう?」

「おえは、自殺したいんじゃ…」

「知っています、ですが、エメラル様のご安心のために」

「エメ…」

「今、エメラル様はとても不安定でらっしゃいます、ご公務の手も止まり、ご飯も喉を通らず、ユーリィ様の名ばかりを口にしています」

「エメに、会わせえくえ」

「…エメラル様から、伝言です」

そう言うとウルスラは、紫に光る水晶を目の前に置く。それは映写機のように、壁に魔王の姿を映した。

「こえって…」

「エメラル様から事前に預かったものです」

 

「ユーリ、これを見ているなら嬉しいです

でもユーリからしたら、私の顔なんて見たくもないですよね

私は、ユーリを殺そうとしていました

あれだけ愛すると言って、殺そうとした

それは決して許されるべきことではありません

ユーリ、私を嫌ってもいい、でもこれだけは、本当に信じていてほしいんです

私はユーリを愛しています

たとえユーリが死んだって、想い続けます

たとえユーリに嫌われても、追いかけ続けます

たとえ、たとえユーリが…私のことを殺そうとしたって、受け入れます

ユーリに殴られて、蹴られて、切られても、ずっと追いかけます

想いが届かなくたって…私、は…

諦め、ませんから…

こんな、っ…粘着質なところ、嫌い、ですよねっ…でも、でも私はユーリが好きで、愛する形はこうやってっ …、表すものだって、それしかっ、わからなくて…

ごめんなさい、ごめんなさいユーリ、許してもらえるなんて、思ってません…

でも、私は、ユーリに嫌われても、どうしてもユーリを守りたいんです

遅くなって、ごめんなさい

あの三人の暗殺者は、きちんと埋葬して、お墓を立てました

ごめんなさいっ

本当にっ…ごめんなさい…」

 

そのあとは、思い出を話していたかと思えば泣き出し、ひたすら謝罪して、何を言っているかわからないように喚いたり、ひたすらにガタガタの魔王が映っていた。

 

「もう、いい」

水晶の光が消える。

「…行きますか?」

ウルスラが俺の顔に手をかざし、次の瞬間には口の痺れが取れていた。

「ありがとう、ウルスラ」

拘束具が外される。

「不安定ですから、くれぐれも怒らないように」

「わかってる」

そして俺は、愛する人の元へ向かう。

もう責めることはない。

慰めてやる。たったそれだけ。

 

「エメ、入るぞ」

「…だめですよ」

「なんでだ?」

「わざわざ殺されに、来たようなものじゃないですかっ…自分を殺そうとした相手のいる部屋に、入るなんて」

「入るぞ、いいな」

扉を開ける。

そこには、散乱した俺の下着や服や、使っている食器、もっこりと膨らんで震える毛布があった。

「来ないでください、私を殺しても、蘇ってでもユーリにつきまといます」

毛布が喋る。

「おい、エメ、伝えたいことがあって」

「聞きたくないです!もうやめてください!私はユーリをこんな愛し方しかできなかったんです!仕方ないじゃないですか!」

「俺はお前を」

「やめて!」

「好きなんだ!」

「っ…え?」

「愛してる、だから勝手に死ぬなんて言うなよ」

「やめて、やめてください、そんなことを言うから私が辛くなるんです」

「辛くたって俺が側にいてやる、だから」

「そう言っても、ユーリは私を嫌って」

「信じろよ!俺が好きって言ってんだよ!」

もう俺は腹をくくった。

魔王に歩み寄り、抱きしめる。

「こんな私で、いいんですか?」

「当たり前だろ、エメじゃないとダメだ」

「人を殺すのは避けますけど、性欲もすごいし、独占欲もあるし」

「全部含めて、言ってる」

「…もう、嘘だとかは通じませんよ?」

毛布から泣き腫らした顔が出てくる。

「ああ、好きだ、エメ」

優しくキスしてやる。

すると目に再び生気が宿った。

「ユーリ、ユーリ…怖かったですよぉ…」

押し倒され、抱きしめられる。

優しく包んで、頭を撫でてやる。

「ごめん、気持ちも考えずに、あんなに怒って」

謝罪した。

しかし、何やら様子がおかしい。

息が荒い。

顔が赤い。

まさか。

「…ずっとご無沙汰でしたよね?こっちは」

「ま、待てよ公務とかもあるし」

「全部含めて好き…なんですよねぇ?」

「それはっ…!」

「もう逃がしませんからね、ユーリ♡」

 

14時間後

「ぅぅ…なんでこんな雑務が溜まってるんですか…」

「溜まった公務を、気絶するまでユーリィ様とシたりしてサボったからではないですか?」

「全く手伝ってくれないし…」

「当たり前です、で、なんでここでエメラル様の惚気を聞かなくてはいけないんですか?」

「ウルスラが寝たら寂しいじゃん」

「ユーリィ様にお手伝いをお願いしては?」

「ユーリィが隣にいたら集中なんてできませんよ…むふふふ…」

「…寝ます」

「ちゃんと仕事しますから隣にいてくださいお願いします」




無事仲直り。
今日中には聖夜(番外編)を書きたいと思っております。
どうせ恋人なんていませんし…。
ユーリィみたいなイケメンが恋人とか友達にいたらいいですね…。
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