ヤンデレ魔王に追い回される日々   作:パ〜ム油

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聖夜編です。
性ではありません。
決して性ではありま(ry。
ではクリスマスの魔王城をお楽しみください。


サンタ編
聖夜のお城


「〜♪ふんふふ〜ん♪」

魔王が何やら上機嫌だ。

「エメ、どうした?」

「え!?あ、いえ、何でもないですよ!」

棚の前に立ち、わたわた手を振る。

まさか、あの棚の中に俺を拘束したりするトンデモな物が入ってたりするのか?

「おい、魔王、その棚の中」

「もう寝ましょう!ね!ささ、寝ましょう!」

言っておくが今は冬のよく晴れた昼。

「絶対怪しいだろ…なんかモミの木も玄関に飾ってあるし、城がウルスラの魔法で青くチカチカ光ってるし」

「ウルスラはモミの木が大好きなんですよ!あのイルミネーションは模様替えです!」

「あのな」

「こういう時にはHが一番!モヤモヤは下から解消するのです!」

飛びついて押し倒される。そのままキス。

流れるような動作だ。

「馬鹿、やめ…むぐっ!」

「んッ…♡さ、ささ、25回シますよ!」

え?聞き間違いだよね?

「でも25回も出せますか?まあ、出させますけど」

「待て本当に死ぬからっ!」

 

5時間後

「ユーリィ様?生きてらっしゃいますか?」

ウルスラにつんつん突かれる。

「元気だよ…腰が砕けただけ…」

「今日はゆっくりお休みください」

ウルスラの肩を借りて、食卓の椅子に座る。

そして魔王城に住む、主人の家族、使用人、見習い、謎の魔法使い、死んだ元魔王がわらわら集まる。

「さて、今日はクリs」

エレナが何か言おうとした。

が、魔王の声にかき消される。

「え!?クリトr」

で、ウルスラの声にかき消される。

「食べましょう!」

今日のご飯はやけに豪華だ。

魔界に住む九面鳥の丸焼き。

苦悶の表情を浮かべた人をかたどったクッキー。

そして大きさ40cm、高さは1mはあろうかという大きくて白塗りのケーキ。

「なあ、誰かの誕生日か?」

魔王はただニコニコしている。

「まあ、いいか、いただきまーす」

その料理は、どれもこれもいつもの数十倍は美味しかった。いつもの料理も美味しいけど。

 

2時間後

食卓の皆はウルスラを除いてぐったりと机に突っ伏している。

もちろん俺も。

別に料理に毒はない。

「どうするんだよ…このケーキ…」

食べ過ぎだ。

ケーキは未だ半分ほど残って、こちらに威圧感を放っている。

「エメラル様のご指示で、巨大なケーキを作れと」

「私はもう少し小さいのを想像してました…」

魔王もぐったりだ。

そこから出た結論は一つ。

「寝よう」

「寝ましょう」

「寝るのです!」

「…寝る」

「片付けを…」

「寝ようかしらね♪」

二つだったけど、みんな寝室に向かう。

 

「ダメだ、ユーリィ、寝たらエメに襲われる」

自分に言い聞かせる。

お腹がいっぱいになると眠くなるのは当然だ。

しかし、寝たら負けだ。

魔王に襲われる。絶対あの棚には首締めの紐とかが入っている。特殊なプレイで俺が死ぬことを想定して慰霊祭のようなことをしたのだろう。

「…うう」

頭が揺れる。

次の瞬間、窓が開いた。雪がちらちらと舞い落ちてくる。

「魔王!窓から忍び込んでまで俺を襲いに来たのか!?」

そう言うと、バタン!と窓が閉じた。

どうやら危機は脱したようだ。

魔王は結構眠気に弱い。もう来ないだろう。

「これでぐっすり眠れる」

布団に飛び込む。

しかし、その後すぐに、扉が少しだけ開いた。

「っ…!」

「ユーリ?起きてますか?おーい?」

熊には死んだふり。

魔王には寝たふりだ。

「ぐ、ぐー、ぐー」

「…寝てる演技だったら犯しますよ」

怖い。が、ここでめげてはいけない。

「…ま、いいでしょう、メリークリスマスです、ユーリ、愛してますよ」

そう言って小包を置いていった。

「…行ったか」

警戒しながら小包を開ける。

そこには

使用済みと思しき魔王の下着

ローション

首輪

手錠

ムチ

見るのが嫌になった。

よし、寝よう。

再び布団に入る。

すると、窓がキィ、と鳴った。

開いたのだろう。

目を閉じて寝たふりをする。

魔王ならば、布団に入っている時点で取り押さえられて無理やりさせられる。

マリンちゃんならば、なんでもいいから犯される。

非常にまずい。

が、その侵入者はしわがれた声で笑っていた。

「ふぉふぉふぉ、寝たふりなどせんでも、サンタは優しいのだから、プレゼントくらいはあげるさ」

ゴト、と何かを置く音がして、鈴の音が聞こえたかと思うと、人の気配は消えていた。

恐る恐る振り向いて、机の上にある物を見つける。

金製の懐中時計だ。

手にした瞬間、俺は手に電流が流れたように感じた。

「痛っ…!」

手を離す。

時計は止まっている。

「なんなんだ、これ…」

魔力を流し込むと痛みが出ることを利用したびっくり箱ならぬびっくり時計なのだろうか。

手に魔力がじんじんと流れている。

「…もう寝るか」

ベッドに入ろうとして、気づいた。

「…え?」

雪が、降っていない。

正確に言えば降ってはいるのだが、静止している。

そして、数秒後に、また降り出した。

俺は、とんでもないものをプレゼントされたのかもしれない。

で、結局サンタって誰だろう?




クリスマスをなぜ勇者が知らないかは、またの機会に書きます。
ザ・ワールド的な力を手にしたユーリ。おめでとう!
時を止められたら便利だよね…。

メリークリスマス!
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