ヤンデレ魔王に追い回される日々   作:パ〜ム油

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勇者はなぜかお留守番することに…?
ただ、お留守番の舞台は魔王城ではありません。


死神編
勇者の留守番


「〜♪」

魔王が鼻歌を歌って仕事をしている。

「なあ、ここ最近ずっと機嫌いいよな」

「え?あはは、私を助けてくれたのが嬉しくて、妄想がはかどるんですよっ」

「…」

魔王がはぁはぁ荒い息を吐く声が部屋の中に響いている中、扉を誰かがノックした。

「チッ…どうぞ」

「失礼します、ユーリィ様、エメラル様」

ウルスラが入ってくる。

「あ、ウルスラ、何か用ですか?」

「…これを」

紙をすすっと魔王に手渡す。

そして、こう言い放った。

 

「エメラル様、神のお裁きを受けることになりました」

 

騒ぎはここから始まった。

 

「待ってください、なぜ私がお裁きを受けるようなことになっているんですか?」

「…一人、エメラル様に消されたと思しき神様がいらっしゃったでしょう」

ニコラ。

彼女は俺の中に吸収されてしまった。

跡形もなく消された彼女を、他の神様は魔王によるものだと考えたのだろう。

「た、確かにユーリと私なら、神様からしてみれば私が殺す以外にはないですね…」

「というわけで、今日から神世界へ向かいます」

場がシーンとする。

そして、俺と魔王は一斉に言った。

「「今日!?」」

 

「なぁエメ、俺も行く、信じてもらえなくても」

「ダメです!ユーリはここにいても、旅についてきても危険過ぎるんです!」

「でも、俺はエメが罪をかぶるなんて耐えきれないぞ」

そう言うと、魔王は俺を抱きしめた。

「ユーリ、ありがとうございます、でも大丈夫です」

「大丈夫なわけ…」

「説明しましょう、神様はあまり人と関わってはいけないのが決まりなんです、しかしニコラは人の望む物を創造していた、いわばタブーを犯していたわけですね」

「…もしかすると、軽い罰になる?」

「さぁ…もしかすると何か褒美かもしれません」

「…」

信じがたい。

ニコラは俺の地方以外なら、人々からも慕われている神様らしいし、たとえ言われた通りでも、神様ならいなくなって褒められるようなものではないはず。

「…大丈夫、毎日連絡しますから」

にっこり笑う。

そんな魔王がたまらなく愛しくなって、抱きしめた。

魔王はゆっくり手を回して、背中を撫でてくれた。

「さて、ユーリ、少し外に出ますか」

「外?」

「ええ、今日からユーリは、私の友達のお家に泊まることになりますからね」

「え?」

「外にいますから、そこでお話ししましょう」

 

外に出ると、魔王の母のルビルさんと長い黒髪の綺麗な女性が話していた。

話している黒髪の女性は、どこか冷たいオーラが漂っている女性だった。

「あ、ユーリィ君!この人があなたの明日からのお嫁さんになる人よ♪」

そう言った瞬間。

「お母さん、冗談キツいですよ?死にたいんですか?」

魔王の手から黄色い光線が飛ぶ。

「あら♪やめてよね」

その光線はルビルさんの目前で弾かれ、散る。

「やんちゃはダメよ?エメ」

「…」

そこで、黒髪の女性が口を開く。

 

「とりあえず…自己紹介していいですか?」

 

「私はアシン・ハース…死神です」

「し、し、死神!?」

死神。

聞きなれない言葉にひっくり返りそうになる。

「ユーリ、アシちゃんは私の友達なんです」

「…神なんだろ?」

「神です」

「裁判に関わらないのか?」

「平気です…全員参加の必要はないので」

「私含め、魔王城の人間は使用人とユーリ以外ほぼ全員が呼び出しをもらいましたから、ここはがらんどう、危険です」

「…」

「大丈夫…私が家事とかなんとかする」

普通そうな人でよかった。

久々に会ったまともな人間…人間じゃないか。

「アシちゃん、言っておきますけど、ユーリに手を出したら殺しますからね、友達だろうとなんだろうと」

「安心して…私はエメちゃんと違って人間にも他の族にも恋なんてしたことないから」

「ふうん?ならいいですけど…まあ、私は毎日指輪で連絡とりますから、出てくださいね」

「あ、ああ」

ウルスラが来る。

「馬車の用意が整いました」

「それじゃ行ってきます!」

「気をつけてな」

「ユーリも!」

がたがたと遠ざかる馬車を見送る。

「さて…行きましょうか」

アシンさんが言う。

「これから何日か、よろしくお願いします」

「うん…あ、あと、大切なこと」

「?」

 

「私のお家は家具も設備も揃ってないから…ベッドもシャワーも一緒に使わないといけない」

 

俺も魔王について行きたかった。




死神編です。
言わずもがな死神は病むこととなるでしょう。
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