ヤンデレ魔王に追い回される日々   作:パ〜ム油

6 / 129
ふっふっふ。タイトルに驚いただろう。
ちょっと急展開だけど許してネ。
勇者の魔王に対する好意描写少なくてごめんなさい…。


勇者の告白

俺は、痛みで目を覚ます。

「痛っ…?」

身体が動かない。

頭に包帯。足は包帯で宙吊り。なんだかよくわからないチューブから魔力の詰まった水らしきもの。腕にギプス。腰にコルセット。

こりゃあ動けない。

「はは…いい格好だな…」

自嘲気味に笑っていると、魔王よりも落ち着いた女性の声が。

「ユーリィ様」

「…あんたは?」

銀色の髪に褐色肌。青い目をしており、人間よりも耳が尖っている。ダークエルフだ。

ダークエルフは、魔術・剣術に優れたエルフが魔物化したとも、魔王に魂を売ったために強力な力を手に入れたとも、それ自体がエルフと似た種族だとも言われている。

個体数の少ない謎の種族だ。

「私の名前は、ウルスラ・バード、エメラル様に仕えるダークエルフです」

「…!魔王は、どうしたんだ!?」

起き上がろうとし、その瞬間身体中が悲鳴を上げる。

「っ…!」

「今はエメラル様は寝込んでいらっしゃいます、命に別状は無いかと思われますが」

「…よかった」

「あなたは、エメラル様に好かれておりますが」

「ああ、それが?」

「私は先代の魔王様から、エメラル様の結婚相手は強く、素直で、一族の繁栄に尽くすような者を選べと、お相手の世話を任されました」

「…俺は」

「しかしエメラル様にそれをお伝えしたところ、ハイライトオフになり、「ユーリとの結婚を邪魔するの?」と、聞く耳を持ちません」

「…」

「私は、あなたのような、戦いもせず、受け入れることもせずの人間は、たとえ魔王様に好かれていようとも、一族の繁栄に繋がらないと判断しました」

「…ああ、その通りだよ」

「魔王様は動けません、あなたに選択肢を差し上げましょう」

「選択肢?」

「一つ、ここで私があなたの命を断ち、それを魔王様にお知らせすること」

「一つ、人間界へ帰れるよう手配致します、そこであなたは人に見つからないよう、魔王様に気配を悟られないように過ごしていただきます」

「待てよ、魔王を撒けると思うのか?」

「私が、お供します」

「…!」

俺は、魔王が好きだと思う。たまに見せる、彼女の心の中の、魔王としてではない部分。その少女のような心に、俺は恋している。

しかし、ここで魔王と結ばれたところで、俺の仲間も、魔物に傷つけられた人々も、幻滅するだろう。

「俺は…」

「どうするのですか?」

「俺は、魔王が目覚めたら、この想いを打ち明ける」

「想い?」

「好きって、ことだ」

「話を聞いていましたか?問題はあなたが打ち明けるかどうかではなく」

「魔王の一族、そして魔物の繁栄、だろ」

「それが、あなたにできますか?」

「魔王と話し合って、人間界と魔界全土に伝えるんだ」

「伝える?」

「魔王…デラルス・エメラルとユーリィは結婚すると」

「…!」

「人間と魔物が和解したら、魔物はもっと繁栄の道を歩める!」

「たとえ魔王様が停止命令を出しても、聞かない魔物は?」

「俺が倒す」

そう言うと、ウルスラは何か言いたげだったが、下を向き、少し笑ったような顔を見せると、柔らかい口調で言った。

「…ひとまずは合格、ですかね」

「合格?」

「どちらの選択肢を選んでも、あなたの首を落とすつもりでした」

恐ろしい。一歩間違えば、死んでいた。

「魔王は?いつ目を覚ます?」

「もうすぐでしょうか、ユーリィ様も包帯を取り替えましょう」

と、ウルスラは服を脱がせてくる。

「お、おい!自分でやるから!」

「その手では出来ないでしょう、心配なさらずとも、エメラル様の旦那様を寝取るような真似はしませんので」

と、じたばたしていると、扉が枠ごと「外れた」。

「…魔王!」

「ユーリ!よかっ…た…」

魔王はふらふらとした身体で、こちらに来ようとしたが、途中でぴたりと止まる。

「え、エメラル様!これは…決して…!」

「ユーリ?ウルスラ?ふーん…仲良さげじゃないですか?」

「魔王!待てよ!」

「言い訳なら、あとで」

「俺は、お前が好きだ!結婚してくれ!」

「へー………!?」

魔王は少しふらりとしたあと、顔を真っ赤にして倒れた。

「え、エメラル様!」

ムードも何もない、ぶち壊しの告白だ、こりゃ。




告白成功…?
そして新しい登場人物ウルスラ!希望あったらウルスラも勇者とくっつけようかな。
とか考えてネタ切れ回避しようとしてます。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。