ちょっと急展開だけど許してネ。
勇者の魔王に対する好意描写少なくてごめんなさい…。
俺は、痛みで目を覚ます。
「痛っ…?」
身体が動かない。
頭に包帯。足は包帯で宙吊り。なんだかよくわからないチューブから魔力の詰まった水らしきもの。腕にギプス。腰にコルセット。
こりゃあ動けない。
「はは…いい格好だな…」
自嘲気味に笑っていると、魔王よりも落ち着いた女性の声が。
「ユーリィ様」
「…あんたは?」
銀色の髪に褐色肌。青い目をしており、人間よりも耳が尖っている。ダークエルフだ。
ダークエルフは、魔術・剣術に優れたエルフが魔物化したとも、魔王に魂を売ったために強力な力を手に入れたとも、それ自体がエルフと似た種族だとも言われている。
個体数の少ない謎の種族だ。
「私の名前は、ウルスラ・バード、エメラル様に仕えるダークエルフです」
「…!魔王は、どうしたんだ!?」
起き上がろうとし、その瞬間身体中が悲鳴を上げる。
「っ…!」
「今はエメラル様は寝込んでいらっしゃいます、命に別状は無いかと思われますが」
「…よかった」
「あなたは、エメラル様に好かれておりますが」
「ああ、それが?」
「私は先代の魔王様から、エメラル様の結婚相手は強く、素直で、一族の繁栄に尽くすような者を選べと、お相手の世話を任されました」
「…俺は」
「しかしエメラル様にそれをお伝えしたところ、ハイライトオフになり、「ユーリとの結婚を邪魔するの?」と、聞く耳を持ちません」
「…」
「私は、あなたのような、戦いもせず、受け入れることもせずの人間は、たとえ魔王様に好かれていようとも、一族の繁栄に繋がらないと判断しました」
「…ああ、その通りだよ」
「魔王様は動けません、あなたに選択肢を差し上げましょう」
「選択肢?」
「一つ、ここで私があなたの命を断ち、それを魔王様にお知らせすること」
「一つ、人間界へ帰れるよう手配致します、そこであなたは人に見つからないよう、魔王様に気配を悟られないように過ごしていただきます」
「待てよ、魔王を撒けると思うのか?」
「私が、お供します」
「…!」
俺は、魔王が好きだと思う。たまに見せる、彼女の心の中の、魔王としてではない部分。その少女のような心に、俺は恋している。
しかし、ここで魔王と結ばれたところで、俺の仲間も、魔物に傷つけられた人々も、幻滅するだろう。
「俺は…」
「どうするのですか?」
「俺は、魔王が目覚めたら、この想いを打ち明ける」
「想い?」
「好きって、ことだ」
「話を聞いていましたか?問題はあなたが打ち明けるかどうかではなく」
「魔王の一族、そして魔物の繁栄、だろ」
「それが、あなたにできますか?」
「魔王と話し合って、人間界と魔界全土に伝えるんだ」
「伝える?」
「魔王…デラルス・エメラルとユーリィは結婚すると」
「…!」
「人間と魔物が和解したら、魔物はもっと繁栄の道を歩める!」
「たとえ魔王様が停止命令を出しても、聞かない魔物は?」
「俺が倒す」
そう言うと、ウルスラは何か言いたげだったが、下を向き、少し笑ったような顔を見せると、柔らかい口調で言った。
「…ひとまずは合格、ですかね」
「合格?」
「どちらの選択肢を選んでも、あなたの首を落とすつもりでした」
恐ろしい。一歩間違えば、死んでいた。
「魔王は?いつ目を覚ます?」
「もうすぐでしょうか、ユーリィ様も包帯を取り替えましょう」
と、ウルスラは服を脱がせてくる。
「お、おい!自分でやるから!」
「その手では出来ないでしょう、心配なさらずとも、エメラル様の旦那様を寝取るような真似はしませんので」
と、じたばたしていると、扉が枠ごと「外れた」。
「…魔王!」
「ユーリ!よかっ…た…」
魔王はふらふらとした身体で、こちらに来ようとしたが、途中でぴたりと止まる。
「え、エメラル様!これは…決して…!」
「ユーリ?ウルスラ?ふーん…仲良さげじゃないですか?」
「魔王!待てよ!」
「言い訳なら、あとで」
「俺は、お前が好きだ!結婚してくれ!」
「へー………!?」
魔王は少しふらりとしたあと、顔を真っ赤にして倒れた。
「え、エメラル様!」
ムードも何もない、ぶち壊しの告白だ、こりゃ。
告白成功…?
そして新しい登場人物ウルスラ!希望あったらウルスラも勇者とくっつけようかな。
とか考えてネタ切れ回避しようとしてます。