そして結婚の後にまさかの魔王の…!
「汝、ユーリは、我らが究極の魔王デラルスを愛し、領土を広げ、魔王の夫としてすべきことを為すと誓うか?」
「誓います」
なんだこの誓いの言葉。
だめだ、この場で無礼なんかしたら周りの魔物に八つ裂きにされてしまう。
「では、互いの指に魔総の指輪を」
魔王は黒衣に身を包み、角と羽を伸ばしている。頰を赤らめているその様は、人間と何も変わらなかった。
その指に、紫色の石のはめられた指輪を通す。
そして俺も、灰色の石のはめられた指輪を付けられる。
「これにて二人は、先代魔王の名の下に夫婦となった、末長く幸せな時のあらんことを」
結婚式を終え、魔王は手続きがあるとかで去っていった。
俺は部屋に戻ろうとした。が、新しく俺に作られた部屋の隣にボロボロの部屋があった。
「なんだこれ…?」
そこには蜘蛛の巣が張っていて、埃だらけで、とても残してあるのが不思議なくらいだった。
そういえば魔王が言っていた。
「ユーリ、この部屋、絶対に覗いてはいけませんよ」
「なにかあるのか?」
「大有りです、とにかく、絶対にダメですからね!」
辺りを見回す。
誰もいない。衛兵もまだ見回っていない。
ちょっとくらい、いいよな?
「お、お邪魔しまーす」
扉を開ける。その奥は深い階段だった。
「魔王のペットとかじゃないよな…」
ケルベロスとか飼ってたりして。
なんて言っている内に、最深部のようだ。
そこには、大きくて真っ白な、虫のマユのようなものがあった。
横幅6m、縦は2mもあろうかというマユ。
「な、なんじゃこりゃ…」
恐る恐る触れる。暖かい。中に何か生き物がいるのか。
「か、帰ろう、うん…」
踵を返して歩き出す。その瞬間に、後ろからしゅるしゅる音がした。
まさか。
「ひ、ひぃぃ…」
思わず振り返って尻餅を付く。マユが解けている。
そして、2分ほど解けたあと、中から。
「え、エメお姉ちゃん…?」
「…え?」
魔王を一回り小さくしたような、容姿もそっくりの子が出てきた(ちなみに全裸)。
お姉ちゃん?え?
…妹!?
聞いてない、聞いてないぞ、そんなこと!
「え、えーと、俺は、魔王と結婚したユーリィって言って…」
「お兄ちゃん…?」
「そうだな、うん、そうなる…かな」
「…お兄ちゃん、何しにきたの?妹に手を出す感じの人?」
「ぶっ!?ち、違うって、好奇心からちょっと覗いちゃって…」
「…」
なんか後ずさってる。まあ確かにこの状況は、俺が変態だな、よし去ろう。
「こ、このことは魔王に内緒で頼む!」
「…だってさ、お姉ちゃん」
そして背後から。
「…ユーリ、覗くなと、言いましたよね?」
…うん、俺死んだ。はい。
「ごめんなさいすみませんでした」
「二人きりでお仕置き、しましょうね♪」
そしてひとまず、お仕置きの前に話を聞いた。
「私たち一族は、大人になるまでに何回かあのマユにくるまって、身に眠る魔力を再吸収して身体を成長させます」
「…私はちょうどあそこから出る時期だったの」
「なるほど、にしても妹のことなんか話してなかったな」
「そ、それはごめんなさい、けど結婚してからこの子に会わせないとダメだったから…」
「どういうことなんだ?」
「…私も、お兄ちゃんのこと、好きだった」
「!?」
「だからこの子がマユにくるまっているタイミングで、ユーリと結婚したの」
「…お姉ちゃん、ずるいよ」
「私が先に見つけたんだから、当たり前でしょ?」
「お姉ちゃんは人間ウォッチング大好きな変態だったもんn」
「う、うるさい!もうユーリしか見えてない!」
魔王と妹が取っ組み合いしている。
「なんかごめん…」
「…謝る気あるなら、お兄ちゃん、私とも結婚して」
「そ、それは流石に…」
「そうですよ!ユーリは私だけのものです、結婚したからにはもう外には出しません、私と愛し合って一生生きるのです!」
「それもあんまり…」
「そ・も・そ・も、ユーリはなんで妹と話して鼻の下を伸ばしていたんですか?」
「伸ばしてない!」
「…ま、お仕置きついでに虐めますから♪」
「理不尽だ!」
「…お姉ちゃん、私もお仕置き参加したい」
「「絶対ダメ!」」
やれやれ、これから戦争かもなのに、こんな調子で大丈夫なのか…?
妹登場!
さてどうなることやら…?
次回お仕置き回にするか、戦争開始にするか、日常にするか迷っております(全部書けよ。