ヤンデレ魔王に追い回される日々   作:パ〜ム油

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ゴーレムに潰されたうはうは勇者とヤンデレたち。
これで吸血鬼編完結!
今回、少し暴力的な描写があります。
お気をつけて。


奴隷生活(その後)

「痛…」

目を覚ますと同時に痺れる感覚と痛みが体を襲う。

時計を見ると、真夜中だった。

「…行かないと」

俺は目を覚まして、次にすることは決めていた。

 

恐らく、ミラは処刑される。

 

魔王家に刃向かうだけに留まらず、その夫を攫って奴隷と同然の扱いをしたのだ。

魔王に言葉通り八つ裂きにされても文句は言えない。

しかし、助けるなんて言い出したら魔王はさらにミラを殺そうと画策するだろう。

 

痛みに耐えて立ち上がる。

壁伝いにゆっくりと歩く。が、やはり足が折れたか、あるいはそれくらいの傷はあるのだろう。

ゆっくりと、まどろっこしいくらいのスピードで歩く。

「ユーリぃ…」

廊下から声がして、危うく倒れそうになった。

「…可愛い俺のエメさーん?」

小声で言って、部屋の扉を開ける。

そこに、ウルスラと魔王が倒れていた。

「…!」

いや、よく見ると、掴みあったまま眠っている。

 

魔王の体は色んな場所に包帯が巻いてあった。

身体中の痛みに耐えて、さらに引き止めるウルスラから逃げながら俺の部屋に行こうとして止められた。

といったところか。

寝言でしきりに「ユーリ」と呟いてはウルスラの足にすりすりと頬ずりして、よだれを垂らしている。

起きたらさぞお互いに怒るだろう。

 

「…ごめんな」

軽く頭を撫でて、俺は行くべき所に向かった。

 

魔王城の地下には、地下牢がある。

魔王城には、今は使われていない部屋が星の数ほどあるが、地下牢もその一つだ。

昔ルビルさんに聞いた。

 

「地下牢って、どこにあるんです?」

「この前私とユーリィ君が出会った、あの墓地の先の部屋よ?」

「使われたことって…?」

「40年に一度くらい、国家に影響を及ぼすような凶悪犯罪者は、セキュリティの厳重なあそこで取り調べられるのよ」

「…本当にそれだけですか?」

「あら♪察しがいいわね♪」

「魔王城の地下なんて、たとえあそこで誰か死んでも気づく人はいませんよね?」

「ん…まあ、死ぬだけならいいけど、ね…♪」

「…?」

「死ぬよりももっと、もぉっと辛いことが、あそこで執り行われるのよ♪今度誰か入ったら、取り調べの時には呼んであげる」

 

その含みのある語り方と、楽しそうで、蕩けそうな笑いを思い出すと背筋が寒くなってくる。

「…埃臭いな」

魔王城の地下は、あいも変わらずカビ臭くて埃臭くて、イメージから言えばまさに魔王の城だった。

「…そぉっと、そぉっと」

ルビルさんはまだ自分の棺桶のある部屋で眠っている。

察しのいいあの人ならば、俺が静かに行ってもきっとなにかちょっかいを出してくる。

今からやることは、下手をすれば俺が「取り調べ」に遭うかもしれないほどのことだ。

蜘蛛の巣が張られた、奥の方へ来た。

突き当たりの扉を、開ける。

 

「…だれ、なの?」

 

そこには、ズタズタのミラと、彼女を掴んだマリンちゃん、それを見て楽しそうに笑うルビルさんがいた。

 

「あ、ごめんなさい♪呼ぶの、忘れてた」

「…お兄ちゃん、もう歩けるの?ならさ、後でちょっとまたお尻使わせてくれないかなぁ?」

無邪気な、いつも通りの顔と会話。

しかし、ルビルさんの手には血がべったり付いており、マリンちゃんはミラの服を引っぺがす途中だったようだ。

「取り調べって…何をする気なんですか?」

思わず声が震える。

気を抜けば、足が崩れ落ちそうだ。

ルビルさんが笑って答える。

「女の子の取り調べはね、まず私が痛めつけて」

ミラの体が踏みつけられる。

マリンちゃんが、下着を脱ぎ去る。

しっかりと、固く膨張したソレを、ミラの顔に押し付ける。

「私がそいつの尊厳を奪うくらいに、三日間くらい、ずうっとずうっと便器みたいに使ってあげるんだよ?」

「まあ、彼女は吸血鬼だから、再生も早いし、もっと痛めつけないとダメなんだけど♪その途中であなたが来たのよ」

「…なんなら、私の本気の犯しかた、見せてあげようか?すっごい荒っぽいんだけど…うふふ」

「あなたにやられた娘は、大体性奴隷になりたがるか、気が狂っちゃうんだから、あんまり相手に快楽与えたらダメじゃない」

ミラの腹が蹴られる。

「がッ…ふぅ…!?」

俺は、思わず叫ぶ。

「やめてください!」

すると、二人は本当にきょとんとした顔で。

「…お兄ちゃん?この便k…女は、お兄ちゃんを奴隷として扱ったんだよ?」

「なぜ庇うの?あなただって、この娘を痛めつけてやりたいくらいに憎んでるでしょう?」

「こんな、こんな酷いことがなんでできるんですか!」

「悪人は罰するものでしょう?人間だって、昔からそうしてきたのではなくて?」

「違う、罰するにもやり方があるでしょう!こんなの、人の尊厳を潰すようなものじゃないですか!」

「…潰されて当然、この便器は私に便器なりの扱いを受ける、それだけのこと」

「許しません、俺は絶対に、こんなの」

ミラの体がぴくり、と動いた。

「今からでも遅くありません、普通の刑務所に戻すべきです、たとえ終身刑になったとしても」

「ユーリィ…さま…?私は…」

確かに、その時ミラの消え入るような声を聞いた。

しかし、二人は全く聞く耳を持たない。

「そこが人間の甘いところなのよ、ユーリィ君」

「…お兄ちゃん、こいつが同じことを繰り返さないって、なんで言い切れるの?」

「言い切れるさ、だって、ミラの想いを俺は受け入れなかった、あとは彼女自身が立ち上がるまで、それまで待てば、こんなことしなくて済むだろ!」

「甘い、この娘は私の娘と同じなのよ、想いを募らせすぎるの、だから私はこの娘に身をもって教えて、二度と同じことができないようにしてあげないといけない」

「どうしても俺の言うことがわからないなら」

二人を睨む。

「力ずくでも、取り返します」

すると、二人はミラを手放した。

どさ、と力なく落ちる。

「…お兄ちゃん、本当に相手するつもり?」

「魔王族の言うことを聞けない悪い子はぁ…」

目がおかしな色に染まった二人は、喜びに満ちた笑みで、言った。

「「お仕置きしないとね♡」」

 

「ニコラ!」

時が止まる。

彼女たちが動き始めた後、すぐに叫んだつもりだったが、二人の手が眼前に迫っていた。

「はぁ…結局こうなるじゃない?」

時の止まった世界で、ニコラが現れてため息をつく。

「ニコラ、俺はやっぱりどちらかなんて選べない」

「わかってるわ、でもね、見てみなさい」

二人を指差す。

「あなたが、この娘の代わりに三日三晩犯されるハメになるのよ?」

「ハメだけに?ぶっ!」

殴られた。

「真面目な話、そんな不幸を被る必要が、どこにあるの」

「…俺は、不幸だなんて思わない」

「この二人に本気で犯されるのよ?死ぬ寸前までヤらされて、腸がひっくり返るくらいにヤられるの、それを好むような人間じゃないでしょう?」

「わからないか?俺が死ぬ寸前まで追い込まれても、それでも一つの命が、尊厳が、確実に救われるんだ、それは素晴らしいことだろ?」

「あなたのその、自己犠牲的な考えはどこから来ているの?少なくとも私にはわけがわからないわ」

「…俺が、王国で選ばれた3人の勇者の中から、ここまでたどり着くことができたのも、そのおかげだ」

「つまり?」

「俺は今でも勇者だから、それだけだ」

緑に包まれた世界。

そこで、数秒間の沈黙があった。

「…勇者というより、根っからのバカね」

「バカに惚れたんだろ?なら、力を貸してくれよ」

「10分くらいで充分かしら?」

「ありがとな、ニコラ」

安心して笑みが溢れた。

するとニコラは赤面して、そっぽを向いた。

「ま、まあ、惚れた女の弱みってところね」

そして。

「せいぜい頑張りなさい、勇者サマ?」

笑って消えた。

 

俺の部屋のバルコニーに、ミラを下ろす。

緑色の魔力は、その時俺の体に収束した。

横たわったまま、ミラは涙を流した。

「…ユーリィ様、ごめんな…さい…」

頭を撫でる。

「気にするなよ、飛べるか?」

「…手、貸して」

伸ばされた細い腕を、掴む。

不意打ちだった。

唇に柔らかいものが触れ、ミラの顔が眼前に広がっていた。

「んッ…これで、終わりじゃないから」

「…え?」

「あなたを迎える準備ができたら、きっとまた…あなたを迎えに来ますわ」

黒い翼を広げた彼女は、とても美しい顔で笑った。

「それまで、少しだけ…御機嫌よう」

「いつでも、困ったら来いよ、俺が何とかするから」

「私は自分の力量だけでも、のし上がれます、お気になさらず」

皮肉っぽく笑い、彼女は遥か彼方へ飛んで行った。

きっとまた、会えるだろう。

 

「…さて」

肩に置かれた二つの手。

両耳にかかる荒くて、熱い吐息。

「事後処理も、楽じゃないなぁ」

 

この後滅茶苦茶犯された。




吸血鬼編おわりっ!
ご満足いただけたでしょうか。再登場の予定は今のところ考え中ですが、何とかして出してあげたいキャラクターです。
次回からはお墓参りです!お楽しみに!
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