久しぶりの魔王視点です!
「では、盗賊行為はほどほどにして、この書類を見せたら魔界へ戻って来れるはずですから」
魔王の勅令として、サキュバスたち7人を魔界に受け入れて、国の保護の元で働けるように書類に書き込んだ。
「魔王さま!ありがとうございます!」
「ただし、国が面倒を見るのは住居と一ヶ月分の支援金です、働き口は自分で見つけなさい」
「はい!」
「では、私たちはこれで」
「またいつでもお越しください!」
「…ありがとな、魔王サマ」
真夜中の二時。
ヤりふけっていたらつい遅くなってしまった。
「ふふふ…可愛い寝顔…♡」
背中におぶったユーリにキスする。
「けどまぁ、収穫はありましたね」
一つ、ユーリと気絶するまでヤりまくれたこと。
二つ、サキュバス媚薬が壺いっぱい手に入ったこと。
「ユーリの精液を飲ませたのはアレですが、まあ良しとしましょうかね」
イき狂うユーリの姿…獣のようなユーリの姿…そして今度は私が気絶するまでシてもらえる…。
「んんん〜〜♡可愛い!妄想止まらない!」
ユーリを地面に置いてじっと見つめる。
「はぁ…はぁ…」
今すぐにでも食べてしまいたい。
「いやいや、気絶してまでヤったらダメってユーリに言われたんでしたよね…」
また担いで歩き出した。
空が白みはじめた頃、ある街にたどり着いた。
「ユーリ、起きてください、朝ですよ」
背中のユーリをゆさゆさ揺する。
「ん…ニコラぁ…俺はイチャイチャなんか…くふふ…」
ニコラ?
ユーリが、今ニコラとか言った?
「…ユーリぃ?もう一度言ってみてください?」
「うへへ…確かにアシンさんも捨てがたい人だよな…だから俺は助けt」
木にぶん投げる。
「ごぼォ!?」
「お目覚めですか?ねぼすけさん♡」
拳をぱきぱき鳴らして近づく。
ユーリはあからさまに浮気を隠そうとしている。
「違う違う!俺はニコラと話してたんだ!みんな助けたかったから無茶したんだって話!」
まだ隠そうとするユーリ。
優しい優しい私も、堪忍袋の緒が切れた。
「ほうほう?それはそうと、早朝ですし、こんな森なら人もあまり来ませんよね?」
「…ああ、でもな、やましいことは」
「急にユーリのお尻が恋しくなりましたねぇ!」
「ズボンとパンツを脱ぎなさい」
「なんでだよ!」
「脱ぎなさい」
「何も起こられるようなことはしてn」
ドンッ!と音立ててユーリの後ろの木が倒れる。
あまりに強情なので、つい頰すれすれを魔法で撃ち抜いてしまった。
「脱げ」
「はい今すぐ脱ぎます」
3時間後
山を下って街に入った。
ワグナ村、と言うらしい。
素朴な村だが、市場はかなり活気付いていた。
「漁村ですか…なんとも魅力的な…」
そこここからする魚料理の香り。
干物、刺身、焼き魚、煮物…。
「広がるドリーム!お魚食べましょうユーリ!」
すると重たい足取りのユーリが何とも言えない瞳でこちらを見る。
「む、何ですか?お魚嫌いなんですか?」
「尻が痛いんだよ…」
自業自得という言葉を知らないのかな?
「文句は受け付けません」
「なんであんなことがお仕置きなんだ!アレならまだ叩かれたりの方がマシだぞ!」
「うるさいです、あのお店にしますか」
わあわあ騒ぐユーリを羽交い締めにして、青いのれんのかかった魚料理の店に入る。
「この煮魚と、お刺身定食ください」
「かしこまりました!」
オーダーをして、ユーリと今後の予定を話す。
「ここからどれくらいですか?」
「うーん…2、3日ってとこかな」
「あら、結構すぐですね」
「ただ、川を渡るから天気が…ッ!?」
ユーリが急に言葉を切った。
「ユーリ?」
「な、なんでもない」
私の目を見て笑いかける。
嘘だ。
ユーリは分かりやすい。
「なにか、あったんですか?」
「…別に」
目をそらす。
「言いなさい」
睨みつける。でも、ユーリは口を割らない。
「嫌だ」
「なら…」
かたっ、と立ち上がった。
ユーリにお仕置きしようと手を伸ばす。
すると、背後から声がした。
「ユーリィ…!?」
「ゆ、勇者様ッ!それに魔王まで…?」
「勇者殿…」
「…ふぅん?」
振り向くと、そこには男女3人が。
「動くなッ!」
ネミル、だったか。
ユーリに馴れ馴れしい女が杖を向けてくる。
魔界大戦の時にあれだけ力の差を見せたというのに。
「はぁ…愚かですね、そんなもので止められると?」
「あれから鍛錬してきたのよ!アンタなんか一瞬で消し炭にしてやるから!」
杖の先が光り始める。
今着ているのは薄い防御装甲の服だが、この服一枚破れるかどうかの出力といったところだろう。
「かかってきなさい、下等生物のメス豚が」
「アンタのせいで…ハルカも、みんなも…!」
杖の先から、魔力が滲み出ている。
発射は近い。
しかし、それは遮られた。
「やめろ、ここで戦って、なんになるんだ!」
ユーリが割り込んだのだ。
「ユーリィ…」
「ユーリ、そいつはまだユーリを誑かそうと企んでいるような女なんです、どいてください」
「ダメだ、とにかく今は」
ユーリは私の肩を押して、席に座らせた。
「腹ごしらえ、だろ?」
輝く笑顔に、私は逆らえるはずもなかった。
「ユーリィ、あんた何言っt」
「はい!食べましょう!」
とは言ったものの。
「…」
「…」
「…」
「…」
「…」
気まずい。
この5人でご飯を食べるなんて、到底無茶だったのだ。
ユーリと二人きりで食べたかったのに。
「ご馳走様でした」
ハルカとかいう女が箸を置く。
「あの、これからどうするんですか?」
こっちが聞きたい、みんなそんな表情をしている。
もちろん私も。
二人で旅をしたいのはもちろんだけれど、無理やり別れさせたり、ここで殺してもユーリは未練たらたらになるだけだ。
ユーリを見る。
箸を置いてユーリは言った。
「とりあえず、今日は」
とんでもない爆弾発言だったが。
「この街の同じ宿で、みんなで泊まろう」
久々に魔王視点書くと、全然気持ち入らないですね…すみません。
ここで旧勇者パーティ登場です。お店が消し炭にされなくてヨカッタネ。