ヤンデレ魔王に追い回される日々   作:パ〜ム油

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実家挨拶ももうすぐ終わりです。
リクエストいつでも募集中( ゚д゚)。


実家挨拶(その8)

俺は腹の痛みを忘れ、呆然と村人を見ていた。

知った顔がほとんどだ。

その全員から、お帰りなさい、と言われた。

「な、なんのことだ」

すると老人(というかこの村の村長だが)が近づいてきた。

「ユーリィ、お主は昔からちっとも変わっとらん!そんな頭巾でごまかせると思うたか!」

頭巾をするりと剥がれる。

「帰ってくるのにいつまでもこそこそと、その上カッコよく人助けをして覆面ヒーローにでもなろうと言うのか?」

「でも、俺…」

魔王はどうすべきか分からず目をぐるぐる回している。

「あの娘が嫁か?ふむ…」

すると村長はおもむろに魔王に近づいた。

「エメに手は出さないでくれ!悪いやつじゃない!」

すると魔王の手を取り、握手して笑った。

「ようこそ、勇者の故郷のこの村へ、何もないところだが、ゆっくりしていっておくれ」

俺と魔王、二人同時に言った。

「「え?」」

 

村長宅

「さて、ユーリィ、お主なぜ帰ってきてワシらに顔も見せんかったんじゃ?」

傷の手当てをしてもらい、お茶まで出てきた。

「そりゃ、だって、この村から勇者が出たって話を聞いた時に、みんな喜んでたし…」

「勇者じゃないのか?」

すると魔王が俺の顔を見て首を振った。

「ユーリ…」

「大丈夫、エメだけはなんとかする」

「…」

 

「俺の妻は、魔王なんです」

 

「うむ、知っとる」

 

「「……!?」」

驚いて目をまん丸にしていると、村長が言った。

「そんなことで顔を見せんかったのか?」

「いや、あの、だから、国に認めてもらいはしたけれど、勇者が魔王と結婚するとかおかしい話でしょ?」

魔王に睨まれた。

「ユーリ、あとでたっぷり問いただしますからね?」

「え!?い、いや、そういう意味じゃないんだ!」

「おほん!」

「「ごめんなさい」」

「そういう、仲睦まじいあたり、普通の夫婦となんら変わることではないじゃろう?」

「でも、騎士たちに横暴なことをされていたし」

「ヤツらは元から傲慢じゃ、だから酒には下剤入っとる」

すると魔王ですらも戸惑っている様子で。

「そ、そういう問題ではなくて、ですね」

「勇者が魔王と結婚して、何が悪いッ!ワシはそんなの気にするほど器の小さい男ではないわ!」

逆ギレされました。

 

宿屋

帰ってきて顔を見せなかったこと、結婚の宴はいつにするか、といった話で、恐ろしく長いお説教をもらい、宿に来た頃には外は真っ暗だった。

「か、変わった村長さんでしたね…」

「…ああ」

二人ともげっそりした様子で扉を開け、ベッドに倒れこむ。

「ダブルベッドですね…」

「なんでもいいよ…もう」

「今日はHする気力もないです…」

「…うん」

それから数分後、部屋ではすうすうと、穏やかな二人の寝息が聞こえた。

 

6年前の夢を見た。

すっかり忘れていた、母親の死の悲しみで塗りつぶされた暗い記憶が思い起こされた。

村長とした会話、悲しみ、怒り、全て。

「…っ、母さん…!」

「ユーリィ、この村はお主を追い出すことはない、魔王討伐をしなくても、別の道だってあるのだぞ」

「村長、俺は決めたんだ、ずっと前から決まってる」

「確かにお主の父は腕っぷしの立つ男だった、が、何も魔王を討伐しに行かなくてもよいだろう?」

「勇者として選ばれたんなら、勇者として活躍して、みんなに俺の強さを認めさせて、それで…!」

「それで?」

「この村の存在を、母さんとか父さんができなかった分まで、みんなにアピールしてやるんだ」

「これだけは、頼むぞ」

「…?」

「手足の二三本無くなっても、きっとこの村に帰ってこい、顔を見せる程度でも構わんから、棺に入って帰ってくるな」

「分かってる、そのくらい」

「僅かだが路銀だ、持って行け」

「そんなのいらない、施しを受ける必要なんかない」

「施しではない、貸すだけだ、必ず返しに戻ってこい、よいな?」

「…ありがたくもらっておきます」

ふと、頭でニコラの声がした。

「あなたは愛を無下にする天才ね」

「いきなり失礼だな」

「だってそうでしょ?あなた結婚してからも、何度死にかけたと思っているわけ?」

「そりゃ、大事なもののためだから仕方ないんだ」

「あなたの両親も、きっと大事なあなたを守るために命を削っていたのよ、一方的にあなたが怒る資格はないわ」

「でも」

「でもじゃない、村長そんなあなたを心配しているのよ」

「…ごめん」

ため息が聞こえた気がした。

「つくづく、あなたに想われた人は幸せなんだか不幸せなんだか…そうして命を燃やすのは、もうそろそろ卒業しなさいね」

そして、俺は目を覚ました。

 

「…エメ、起きてるか?いや、起きてないほうが素直に言える」

くぅくぅと寝息を立てる魔王の可愛らしい寝顔を撫でる。

「俺、今までずっとエメのためって言って、かえってエメを傷つけるようなことしてた、ごめん」

魔王は起きない。

「だからさ、俺、変わるよ、本当にエメのこと考えられるように、頑張るから」

恥ずかしかったが、寝ている魔王に優しくキスする。

「だから、その、これからも、側に居てほしいんだ…その、愛してるから、さ…んッ!?んぐぅ!?」

キスした瞬間頭をがっちりホールドされ、ベッドに倒される。

「はぁ、はぁ…ユーリ…えへへ、私も愛してますよ、愛してる同士、確かめあいましょうか」

「今日は疲れてるだろ?な?また今度」

「問答無用です!ユーリの愛を私にぶつけてみてください!」

「待てパンツ返せ、おいそこやめッ…!?」

「うふ♡可愛いですよ、ユーリ…」

その後6時間にわたって、勇者は魔王に(性的に)いたぶられましたとさ。




望郷篇は次回で終わりです、たぶん。
二人の愛は深まる一方ですね…。結局、自暴自棄な愛は控えましょう、ということでした。
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