ヤンデレ魔王に追い回される日々   作:パ〜ム油

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なんだかんだ長くなった挨拶編も、終了(`・ω・´)!

次回からは筆者の性癖MAXな人が出てくるので、お楽しみにw。


実家挨拶(その9)

「「「勇者様!お達者で!」」」

 

俺たちは村人たちの声を背中で聞きながら、何やら照れ臭い思いで故郷から出た。

指を絡ませて手を繋いだまま、魔王はこちらにずいと寄ってきた。

「ユーリ、お墓参りで言うのも不謹慎かもしれませんが…今回の旅は、楽しかったですか?」

「ん、エメと一緒ならどこでだって楽しんぐッ」

言い終わる前にキスされた。

 

魔王のスキンシップ(セクハラ)は最近激化してきているような気がする。

いやまあ、気持ちいいし、可愛いけど…。

俺はひっそりと腰をさする。

魔王の性欲は俺の数十倍はあるだろう。毎日襲われて、何とか持ちこたえている。

昨日だって「孫の顔を見せましょう!」とか言って10時間ベッドを共にした。

たぶん俺たちの泊まった民家のベッドはぐしょ濡れだろう。

 

「なあ、エメ…」

「〜♪なんですか?」

少し口に出すのは躊躇ったが、勇気を出して聞いてみた。

 

「子供、欲しいか?」

 

時が止まった。

いや、ニコラじゃなくて。

魔王が笑顔のまま固まっている。

「おーい?可愛い可愛い俺の嫁さーん?」

手を目の前で振ると、顔を真っ赤に染めてうずくまった。

「ゆ、ゆゆゆゆユーリっ!どうしました!?ユーリからそんな話題振ってくるって…ッ!?」

「いや、その、ヤりまくるのはヤってるけどさ?そんなに子供欲しいんだったら、俺もきちんと考えないとなー…って」

するとしばらく沈黙して、うずくまったまま言葉を紡いだ。

「ユーリは?」

「俺?」

「ユーリは、私との子供は欲しいですか?」

「…」

 

子供はいらない、と言えば嘘になる。

確かに親に孫を見せてやりたいし、それに勇者と魔王の間に子供が産まれたら、それは人間と魔族の共存の大きな架け橋になるであろうから。

 

けれど。

 

子供が欲しい、とも言えない。

魔王は話を聞く限り、魔族と人間のハーフだ。

ルビルさんはかなり長生きをしていて、その間に夫に逃げられたか、そんなことを言っていた。

俺と魔王が子をなしても、俺はその成長を見守ることができない。

そして何より、俺が死んでしまえば魔王は一人になってしまう。

物心ついた時から母親一人だけで育てられた身だから、俺にはその気持ちがよく分かる。

母さんはいつも苦労していた。

母さんは働いている間、孤独だった。

俺がいたばかりに。

 

だから、俺は。

 

「…俺、は」

頭の中がごちゃごちゃだ。

何も分からない。整理がつかない。

「ユーリだって、悩んでいるでしょう?」

魔王は苦い笑みを浮かべていた。

同じことを考えていたのだろうか。

「エメ、子供ができても俺は」

「ユーリは私よりずっとずっと短命です、アシンちゃんにお願いしても、不死の刻印を刻んでも、それでもやはり私と添い遂げることは難しいでしょう」

「…ごめん」

魔王が優しく笑って立ち上がり、また俺の手を握った。

「謝ることではないですし、謝ってもどうにもならない問題です」

「子供がいれば、俺がいなくなっても寂しくないだろ?」

「お母さんは、私の父親がいなくなった晩はずっと泣いていました、本当に、ずっと」

「っ…」

「魔族と人間というのは、子供を作りにくいです、霊力的な確率だけでも1%あるかどうか」

子をなす確率というのは、精が女性の腹部の玉に結合し、そこに神の霊力が加わって産まれるものだと言われている。

つまり、人と構造も違う魔族は結合もしにくく、相対的に妊娠の確率は1%よりずっと低い。

ただ1%という確率は、少ないようで大きい。

なぜなら。

「エメ、俺はもう100回は中に出sぶッ」

すると頭を叩かれた。

わりと、結構強めに。

「こほん、マジメな話をしています」

「…ごめん」

「それで、です」

魔王は不意に俺を抱きしめた。

「私は、はっきり言ってしまえば、子供を宿すことが怖くてたまりません…」

「…怖いって、なにが?」

「出産ももちろんそうです、でも、その前に」

一回短く息を吸う音が聞こえた。

「ユーリの目が、私から離れてしまうような、そんな気がしてしまうんです…」

抱きしめる手に力が入り、強く体を密着させる。

俺を離すまいとするように。

「ユーリ、私は、あなたを守るとは言いました、なのにこれまで、他の女に盗られかけてばかりッ…!こんな私では、ユーリが自分の子供に夢中になって、この距離が遠ざかってしまうんじゃないかって…」

「…エメ」

「醜いでしょう?気持ちが悪いと思いますよね?でも、それでも私はあなたを離したくない…っ、たとえ子供でも、ユーリの目が別の女に向くのを見るなんて、できません…!」

魔王の肩に手を回す。

優しく抱き返す。

「エメ、大丈夫、俺はエメだけ、ずっとエメだけ愛してる、こんな口約束じゃ信用できないと思うけど、それでも約束できる」

「ユーリ…」

「だからさ、その…子供が欲しくなったら、いつでも言えよな…」

なんだか自信満々な自分が恥ずかしくなって、目をふいと逸らす。

口元に、一瞬だけ柔らかい唇の感触があった。

「ふふ、じゃあユーリがその気になった時の子作り、楽しみにしていますね♪」

「お手柔らかに…」

「30時間はぶっ続けですよね♪楽しみ♪」

「え゛」

「うふふ…ふふふ…むふふふふ…♡」

 

帰りの馬車の中、俺と魔王は沈む夕日をただ見ていた。

言葉もなく、がたがたとした揺れと、互いの温もりだけを感じて。

 

「あのさ、俺たちの子供が息子だったらどうするんだ?別に俺はそっちじゃないし…」

「息子でもユーリが構ってくれなくなれば、許しません」

「手厳しいな」

「当然です、それに、魔王族は娘しか産まれてませんし」

「ふうん………え?」

「聞こえませんでした?魔王族はこれまで男の子が産まれたことなんてありませんよ?」

「なんだそれ!聞いてないぞ!」

「あ、言ってませんでした?ごめんなさい」

「…子作りは色々と不安だ」

「私は楽しみですっ!」

「はいはい…」

その内一戦おっ始まって、案の定運転するウルスラはぐったりとしていましたとさ。

 

某所

「…なんだか急にストレートティーが飲みたくなったわね…」

 

「騎士の休憩所にコーヒーはあったでござるか?」

 

「う、うぷ、口の中が甘ったるくなりました…」

 

「あの魔王サマの旦那来てくんないかなぁ…精がほしい…口の中が砂糖の味するし…」

 

「ユーリ君…久しぶりに会いたくなったなぁ」

 

「スクープの匂いがするけれど、今日はやめておきましょう…どっと疲れましたわ…」

 

「ふぇぇ…甘々ですよぉ…」




今回にて完結です。

次回からはオリキャラ編ですが、常時リクエストは受け付け中!
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