fate/sand rock   作:挨拶番長

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本作は火星で行われる聖杯戦争という設定です
オリジナルサーヴァントが少々登場するので注意



1話

1話 fate/sand rock

 

ーーーーーー

 

三日月が綺麗な夜の日。

 「少女」は日直の仕事である教室の掃除を済ませた。今日は日直の当番という訳ではないが「少女」のお人好しさが起因して、本来の当番であった士郎の仕事を渋々やることになっていた。いつも帰りを共にする「友人」は用事とやら先に帰っていた筈だった。そう聞いていたのだ。

 

 学校の校門を出ようとしたに「友人」は校舎の屋上に立っていた。

 

 あれ……?帰ってたんじゃ……

 

 「少女」は刹那、目撃した

 

 「屋上から飛び降りる友人」を

 

 「……!」

 

 突然の出来事に「少女」は目を剥く。

 「屋上から飛び降りる友人」と地面が接触するまでの瞬間はスロウモーションのように感じた。

 命が無くなる瞬間ってこんな感じなんだ、などとどうでもいいことを考えられる程には。

 

 だが「屋上から飛び降りる友人」が不自然に、まるで誰かに抱えられるように着陸するのは一瞬であった。あまりに不可解な出来事に「少女」はストンと地面に腰を抜かしてしまう。

 「不可解な着陸を行なった友人」がすぐさま走り出したのを見て「少女」もまた追いかけるように走り出した。その理由は自分でもわからなかった。だが、何故か追わなければならないような気がしたのだ。

 

 「少女」は「友人」の背中を追い続ける。

 「少女」はある意味慢心していた、自分は「友人」を追い続けることが可能であると。だがそれは叶うことはなかった。

 

 スッーと何かが風を切り裂くような音が耳に入った。何事だろうかと「少女」は足を止める。何故だろう、体に力が入らない。

 違和感を感じ体を見下ろす。「少女」の身体には、無数のナイフが刺さっていた。

 

「え……?」

 

 ドサリ。「少女」の体は地へと勢いよく倒れ込む。それと同時に肉体に刺さったナイフで自分の肉が思い切り抉られていく。

 

「悪く思うなよお嬢ちゃん」

 

 生温く赤い液体が毛布のように少女を残酷に包みこむ。体から何かが抜けていくような感覚がする。横たわっている地面が冷たい。

 

「終わったぜマスター」

 

 「友人」はその言葉には答えず、不快そうな顔を浮かべる。その顔が海面のようにゆらゆらと揺らぐ。

 

 自分は水面に浮かんでいるのだろうか。体が濡れる感覚と共に、段々と体が冷たくなっている。服を濡らしてはいけないと思い、立ち上がろうと手を動かす。いや、動かそうとした。されど1ミリたりとも持ち上がらない、まるで糸が切れたかのようだった。

 

 「あ、れ……?」

 

 起き上がろうと、なんとかして立ち上がろうと体を動かそうとするが力が入れられない。

 もがけばもがくほど体から何かが抜けていく感覚に襲われる。体温も夜の冷気に当てられるかのように冷えていく。

 

 ああ、これが自分の命が無くなる感覚なのか。

 

 ふっとそんな思いが脳裏をよぎる。もう自分は動けないのだということはなんとなく理解出来ていた、出来てしまっていた。

 死に際に走馬灯が走ると言うがそんなものは無かったようだ。それとも走るほどの人生を送ってないということなのだろうか。はは、なんとみじめなことか。

 

 ここへ来てやっと死ぬのだということを脳が受け入れ始めた。このままでは自分は死んでしまう。まだ死にたくない。そう思えど意識もどんどんと薄らいでいく。

 

 ああいやだ、こんな、じんせいの、おわりかたをするなんて―――――――

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 ―――ってアレ……?なんで生きておるのじゃワシは……とりあえず死んだフリをしとくのじゃ……

 

 その時だった。

 

 暗がりからもう一人異様な雰囲気を持った男が現れたのは。その男は顔には金の十字傷、肌は全体的に黒く、手には拳銃の様なものを2丁手にしている。

 

「アサシンとそのマスターとお見受けするが、合っているかな?まあ合ってようが合っていまいが……どうせここで惨たらしく死ぬのには変わりないのだがね?」

 

 男は静かに、だが低く透き通るような声で死神のように告げる。

 

「よっしゃ、いくか……」

 

 返事の代わりにアサシンがすかさず、体のどこかにしまっていたのだろうか、小ぶりのナイフを構える。空気が一気に緊迫する。

 

 殺し合いが始まってしまうのじゃ……

 

 そう思いつつ死んだフリを続行する。

 

 怪しげな男の二人組は向かい合い、互いに真剣な表情で睨み合う。相手の呼吸を読んでいるのだろうか。微動だにせずに動きをうたがいあう。

 そして――――――

 

 

 

「おっしゃ逃げるぞマスター!!!!!」

 

 

 

 アサシンは威勢よく叫び、そのまま「友人」を抱えて猛ダッシュで逃げ出した。えぇ……逃げたぞあいつ……

 

 

「おいアサシン!!!!!正々堂々と戦わぬか!!!それでも英霊かお前は!」

 

「あーもー!うるせーうるせー!!!!真っ向勝負とか出来るタイプじゃないの!!!逃げ足と闇討ちだけがチャームポイントなんだよ俺は!!!」

 

「この卑怯者めがああああああああぁぁぁ!!!」

 

 そんな捨て台詞を残して私を殺しかけたアサシンと「友人」は逃げていった。

 うそじゃろ……

 

 

「チッ……」

 

二丁拳銃の男はそいつらを追いかけもせず傍観し、大きな舌打ちをした後に

 

「何を死んだフリなどしている、次はお前が死ぬ番だぞ」

 

自分の腹を思い切り蹴り上げた。少女の華奢な体は勢いで体育館倉庫まで蹴り飛ばされる。

 

「ゴハァッ……!!!」

 

ナイフで串刺しの次には悪漢のキックとは、中々に神様も気が利いているな、と内臓と骨が同時に潰れる感触を味わいながら、頭の中で皮肉を述べる。

 

「悪いね、キミも居てはいけない存在だ……ここで大人しく死にたまえ」

 

 いつの間に傍へ来たのだろう。ほんの数瞬の間であったはずなのに、こちらを冷ややかな目で見下ろしている。

 男の拳銃が銃口がこちらに向けられる。先程味わったばかりの死の感覚が思い出される。今度こそは流石に死ぬと思った。

 当然だ。自分を狙っているのは拳銃だ。ピストルだ。1発で人を殺すことの出来る得物なのだ。

 

 それを認識するや否や今さっきよりもハッキリと死がそこにあるのだと分かる。一度体験したからだろうか、脳はすんなりと受け入れ体は震え口は恐れからか固まる。

 

 男の指が引き金に添えられる。これが引かれてしまえば自分は死んでしまう。それはダメだ。そんなのは嫌だ。でもどうしようもない。でも死にたくない。嫌だまだ死にたくない、まだ死んではいけない……死にたくない……

 

「…セイ……バー……」

 

 思わずその言葉が口からこぼれ落ちる。瞬間……更に夜を染めるような黒いエネルギーが自分を包む。

 

 身体が火照る、視界は黒く染まる。

 

「こんなところではまだ死ねない……」

 

 何かが破裂するような音がした。

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

 しばしの静寂が訪れる。

 

闇が晴れる。視界の先に映し出されるのは、月が隠れ薄暗闇の中にうっすら浮かび上がる一人の輪郭。その人物がこちらを振り向く。カシャリ、と金属の擦れる音がする。

 

 一際強く風が吹いた。雲が除かれ月が現れる。「少女」は目の前の人物を見、目を見開く。強風で髪がたなびく。だがそれすらも気にならない。

 

 

 

ーーー三日月が綺麗な夜の日

    少女の前に立つのは闇夜よりも黒く、思わず見惚れるほど美しい騎士であった。

 

(

「ーーー問おう。お前が私のマスターか?」

 

1話 END






セイバー/マスター銀髪の少女

筋A耐A敏C魔A+++幸運D宝具A+++

解説

誇り高きブリテンの騎士王のオルタ

マスターである銀髪の少女の力により魔力と宝具のランクがワンランクアップしている
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