なんかやっとコメディ路線に走れる気がします
私の前に現れた黒い騎士は問うや否や、黒い2丁拳銃の男に向かい突進した。
「なるほど……キミが相手とは私も中々にツイてないな、しかもその姿とは……」
男はブレードを搭載した2丁拳銃で。黒騎士は黒い大剣で。それらがお互いありえない速度で打ち合っている。それはおよそ人間が成せる技ではなかった。
なぎ払い。袈裟斬り。切り上げ。唐竹割り。
様々な方向から、上段から、中段から、下段から剣を振るう。その剣には並大抵の腕力で打ち合えば吹き飛ばされるほどの力が込められている。
しかし男の方もどのようにしてか、まるで太刀筋に慣れているような動きで躱し、いなしていく。剣筋から体を最低限動かしぬるりと避けつつ、避けられないと判断したものは銃剣で受け流す。
時折男からも猛攻の合間を縫い、反撃として銃弾が打ち込まれるが黒騎士も剣からエネルギーを放出し弾をかき消す。
しばらくの間両者流れるような攻め合いをしていたが、埒が明かないと思ったのか黒騎士が叫ぶ。
「マスターしゃがめ!!!」
黒い剣がまばゆく、されどすべてを飲み込まんとする暗き光を帯び始める。黒騎士はあふれる程のエネルギーを2丁拳銃の男にぶつけようとしていた。
私が大きくしゃがんだ時、
ーーーー黒い閃光が走った。
「風よ……!舞い上がれッ!!!」
黒騎士がありったけの黒いエネルギーをぶつける。
「―――I am the bone of my sword体は剣で出来ている」
「“
急ぎで男が貼った、花弁の形をしたシールドのようなものは一瞬にして破壊され、男の右腕はボロボロになる。
「全く、今日はここまでか……」
「お前は必ず殺す……」
鷹のような目で私を鋭く睨みつけ、そう言って男は何処かへと消えた。
そして私の視界も次第にボヤけ始める。
アレ…?なん、だ……これ……
ああ、夢なのかなこれは……
流石の私もあまりに衝撃的な出来事に力尽き、倒れた。
ーーーーーーーーーーーーー
〜銀髪の少女が襲われる2時間前〜
「シロウ…… 啓示は降りました」
ルーラーのサーヴァントがオレに啓示の内容を伝えた。
「そうですか……やはり抑止力が絡むか」
ルーラーは今回の聖杯戦争の監視を行う必要があり召喚されたのだという。
無論知っていた。ルーラーが特殊な聖杯戦争では召喚されやすく他のサーヴァントよりも有利なクラススキルを所持していることも。
そしてオレの計画にルーラーがどうしても邪魔になることも。
そう、この瞬間、ルーラーがキャスターの宝具で作った嘘の啓示をオレに提示する瞬間……!!
この時をずっと…ずっと待っていた……
霊体化しているキャスターに秘密の合図を送る。
「さようなら、ルーラー……」
「えっ……?」
霊体化していたキャスターが現れ、ルーラーに宝具を放つ。現れたのは花に囲われた大きな塔だった。
「これは……っ!!」
ルーラーも気付いたのか防御姿勢に入ろうとする。しかしルーラーはもう何をやっても遅いことに気が付いていなかった。
ー宝具展開 さようなら裁定者さん……ー
ルーラーはアヴァロンと呼ばれる空間に強制的に引きずり込まれる。
「何が目的ですか!!!!コトミネシロウ!!!」
それには答えずただルーラーが引きずりこまれるのを観察した。
そして収束するようにキャスターの宝具は消えた。
「邪魔なルーラーは消えました。ありがとうございますキャスター」
「良いのですよシロウ。それより私お腹減りました」
キャスターが腕に抱きついて提案する。
「何か作りましょうか、そう……」
「ズバリ麻婆豆腐というのは」
ーーーーーーーーーーーー
「おーい起きなさーい!起きなさいってばー」
私は軽く少女の顔を何度もビンタしていた。死んでるんじゃないか?この子。
「オイ、リンそいつ何処から拾ってきやがった……」
ローブを羽織った長身の男が呆れ気味に尋ねる。
「資材回収の途中になんか血みどろで倒れててね?こんな可愛い子があんな所にいたら野獣のような男達に蹂躙されると思ってさー」
「だからって拾ってくることはねぇだろ……」
「はぁ〜……本当ダメねあんた、本当ダメダメだわ。というかあんたならどうしたのよ?まさか見捨てるつもりじゃないでしょうね?」
男は私を一瞥し、ひとこと
「迷子センターに届ける」
「爆ぜなさいランサー」
そんなやり取りをしつつ、ローブを羽織った長身の男……そう、わたしのサーヴァントであるランサーはコーヒーを淹れたりしていた。
「ただいま〜」
「ただいまなのじゃ〜」
布都ちゃんとアサシンが帰還したようだ。
「ミッションはどうだった?」
「いや失敗に終わったよ……財閥の切り札も何か分からなかった」
そう言いながらアサシンは首をすくめ、両手を横に広げる。
「まあ仕方ないわね……」
「ってアレ?」
アサシンが私がさっき拾ってきた少女を指差し、
「この子財閥の敷地で俺を追ってきた子じゃないか?そうだとしても何故生きてる……?」
アサシンの台詞に反応したのか、少女は目を覚ました。
「アレ、どこ……なにこれ……」
と、その時である。
少女へのちょっと遅い目覚まし代わりにサイレンがやかましく唸る。
「シンジさんから緊急通達が入りました!」
「ほい、こちらユウサクどうしたワカメ太郎?」
「こんな時でもワカメ呼びかよ……あとで覚えてろよ。えっーと、分断の壁視察隊員達があちら側の襲撃を受け壊滅寸前だ!!!応援をよこしてくれ!」
わたしは無理やりユウサクの通信機を奪い、
「こちらからはランサーとライダーを寄越すからバーサーカーだけで何とか持ち堪えて頂戴!10分で着くから」
「了解だワン」
「オイ俺の通信機を取るなバーサーカー!」
相変わらず漫才コンビなようだ。
「ほらランサーとユウサクは出撃準備よ!!!!!」
よし……
気合を入れ直し、ピットに腰掛けて私は号令の準備を始める。
「桜ちゃーん!チェックポイントの確認はできたかしら?」
「完了です!」
「空陸両用戦艦B-RAVE発進よー!!!!!!!!」
銀髪の少女を拉致した飛行艇は、雲を切り裂くように陸から空へ駆けた。
ーーーーーーーーーーーー
分断の壁。それは欧米財閥の領地と下級国民を隔てる壁である。
俺の名前はシンジ マトウ、どこにでもはいない。クールな17歳だ。
突然だが多分ここで俺は死ぬ。なんでかって?攻撃が全く通用しない騎士に殺されそうになってるからさハハッ。
「独り言はやめるがよかろう。我があのゴリラセイバーに霊基核をぶち抜かれたからと言って絶望するでないワン」
「静かにしろバカっ」
この語尾と口調がどこかおかしいのは俺のサーヴァントでクラスはバーサーカー。
分断の壁のハッキングルート構築の為の工作をしているところを発見され、隊員を守る為に追っ手をバーサーカーに狩らせていたら、俺たちは金髪のいけ好かない奴と共に現れた騎士のサーヴァントに敗北した。
そんでもって瀕死のバーサーカーを連れてコンテナに隠れながら逃げてるってわけだ。全くついてねぇ……
「つんつん」
バーサーカーの爪でほっぺをつつかれる。こんな時でも構ってちゃんかお前は。
「バーサーカーお前意外と元気……ってアレ?ライダーじゃないか」
「ピンチの時に、白馬に乗って現れるヒーローは最高だね!やっぱり!ボクのことなんだけど!」
「お前白馬じゃなくてなんか鶏に乗ってくるじゃないか」
「ヒッポ!ヒッポグリフ!アレは鶏ではなく神獣なの!」
「ハイハイハイ。で、みんなは?」
「みんな?みんなって何?ボク一人で来たよ?」
こいつはさっき俺をワカメ呼びしやがった野郎のサーヴァント、クラスは言った通りライダー。
今の会話から分かるようにアレだ、こいつはデパートで勝手に迷子になるタイプなんだ……
「はぁ……まあ一人でも人手は欲しかったんだ。とりあえずチェックポイントにバーサーカーを運ぶの手伝ってくれ」
「了解〜。ボクが来たからにはもう百人力だよ!」
なんてやり取りをした瞬間だった。
バゴォン!!!と近くで隠れ蓑の代わりになっていたコンテナがひしゃげた音がした。まさか……
「ここにネズミは隠れていたようだなレオ」
「うん、そうみたいだね」
さっきの奴らが現れた。
「ここで死んでいただきますよあなた達には」
息を大きく吸い込んだ。
よし。ハッキリ言わせてもらおう。
「冗談じゃらいぜ」
うわっ噛んだダサっ、みたいな視線を3人から浴びることとなった。やっぱ死にたい。
ーーーーーーーーーーーーーーー
「よっしゃ到着ゥー!!!!!!」
艦長と思しきミニスカの女性が高らかに叫ぶ。そして勢い良くバイクで出て行った。
「おい待てお前!!!!!!」
「ランサーは走りなさい!!!」
「俺はどうすんのよ!?」
「あんたはなんかもうランサーにおぶってもらって」
「二人乗りでいいじゃん!普通に!?」
「セクハラ魔に乗せるバイクはないわよ」
「ちょいちょいライダーにセクハラしてるの覗いてるなお前」
「よし、お留守番に全力で励むぞマスター」
私を殺しかけたアサシンが陽気に言う。
「お留守番に全力ってなんなのじゃ」
「よし、マスター飛びかかって仮面を外そうとするのはやめてくれ。それはアレだ。体の一部みたいなもんだからやめてくれ」
「いーやーじゃー!!もう長い付き合いなんだから顔くらい見せろや」
「だからコレマジで取れないんだってば!!!!」
なんてやり取りを横目で見ていた。
とりあえずこの飛行艇?から脱出しよう、また殺されてしまう……
「キミ、待ちたまえよ」
紳士のような風貌をした男に話しかけられた。いや話しかけられるのはいいんだが、不可解なのはこいつは急に音もなく現れたってことだ。
「私が急に現れたことに怪訝さを感じているならばすまない。だがこれは仕方のない事だ。なぜなら私がサーヴァントという特異な存在であるからね。君もマスターであるならばこの事に関しては理解を示してほしい。まあそんなことはともかく君のサーヴァントはどこだい?霊体化しているなら是非とも見せてほしいものだが」
ペラペラと早口で喋るにも関わらず内容はスッと頭に入ってくるのが逆に鬱陶しい。マスター?サーヴァント?なんのことだ?
紳士は細身の手のひらで私の右手を包み
「令呪がある。左右対称の綺麗な令呪だ。これはサーヴァントを従えるマスターであるという事の何よりの証明なのだよ。先程から本当に困惑の表情を浮かべているのは惚けているのではなくもしや記憶喪……」
「動くな。次喋れば首と胴体は繋がっていると思うな」
夢で見た黒い女騎士が現れる。
え、アレは夢じゃなかったのか……いや、それともコレも夢か……?
「ああ、待ってください……もうキャスターったら……」
リボンをつけた美人の女性がキャスターを諌める。私もオロオロしながら黒い女騎士にやめるよう伝える。
「あの、なんと言えばいいのか……リンさんが血まみれで放置されていたあなたをここに拾って来て治療を行ったんです……決して拉致というわけでは……」
全く状況が飲み込めない……
「あの、わしの学校は……?」
「ええと、学校……?学生なのかな?」
「そこの女版アーサー王とそのマスターに提案があるのだがいいかね?」
話を割って来た上に、喋るなという約束なんて知らぬとばかりに提案し出す紳士に眉をしかめるリボンの女性。
「私の予測ではこのままでは彼らは死ぬ。助けてやってくれないか?頼む私からのお願いだ。」
キャスターそれはどういう意味……と言いかけた桜を遮り、セイバーが威圧と言葉を放つ。
「我がマスターは怪我人だ。むざむざ戦場に出すわけには行かない。」
紳士と桜を威圧するセイバーを手で制止させ、
「セイバー、ワシは行くよ」
紳士は思い通りにいった、と言わんばかりの顔をしている。
「マスター、何故なのか理由を聞いても?」
「恩返し……恩返ししないと。借りた恩は返さなきゃ。それに……」
「もう傷治ったから大丈夫」
アサシンと黒い2丁拳銃の男にやられた傷は完全に塞がっていた。
「行くよ、セイバー。恩返しに」
コトミネシロウ登場しましたねついに
コトミネシロウは自分の中では終焉のハサンと同じくらいお気に入りですね。はい、、、
でもちょっとしか出てないですね
悲しいどす。
material
ルーラー/マスター無し
真名 ジャンヌ ダルク
解説
表の火星で行われていた聖杯大戦においてエクストラクラス 「裁定者」として召喚されたサーヴァント
スキル 真名看破
神明裁決
啓示
対魔力EX
宝具 我が旗はここにありて (ランクB)
? (ランクEX)