fate/sand rock   作:挨拶番長

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9話 決行

9話 決行

 

「シムラ様エルメロイ氏からお電話です。」

 

助手の網目はシムラ バッカトーノの部下であり、世話役でもあった。こういう細々としたことも網目の役割である。

 

「へういもしモォーし?何の用だァ?」

 

「あァ?うんそうそうライダーの触媒ね?ウンウンわかったアリガトウ!チュッ♡アララァ!?電話切れちゃった...」

 

「あのシムラ様...今ライダーの触媒って...」

 

網目は今出たとんでもないワードに思わず反応する。

 

「ンン?あァ...新型のオオカミにも参加してもらうんだよ。」

 

 

 

「聖杯大戦の駒としてねェ?」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「というわけで作戦を発表するわ」

 

 

「我々の目的は小聖杯の奪取よ。このためにはまず財閥の敷地に侵入する必要があるわ。」

 

 

「しかし敷地内の壁に沿う形で結界がドーム状に張られているために正面からの侵入は不可能に近い、ハッキングも難航中。」

 

「そこで考えたのが地下水路から侵入する方法よ。」

 

 

「あっ待てよ確か地下通路って...」

 

 

「粛清騎士が蔓延ってるよな?アレどうする?」

 

 

「ふふふそれはね...強行突破よ」

 

 

「やっぱりかー!」

 

 

「大丈夫!!!いけるいける!!!」

 

 

 

 

 

「とうとうこの私のバリツを発揮する時が来たようだね諸君」

 

「キャスター戦えるんですね...」

 

「探偵をなめないでくれ、クスリキメてる時はヘラクレスにも勝てる気がするんだ私は」

 

「ヤク中の英霊なんて聞いたことないですよ...」

 

 

「いよいよか...」

 

 

シンジは武者震いをしていた。

 

 

「なぁバーサーカー...」

 

 

上ずった声でシンジはバーサーカーに尋ねる。

 

 

「俺が死んだら...さ...お前悲しいのか...?」

 

 

「死なぬさ心配せずとも」

 

 

「お前はしぶとく生き残って帰ってくるはずだナ」

 

 

「そ...う...か...」

 

 

シンジの震えは止まらなかった。

 

 

 

「だから真名をなんで教えてくれないんだよ!!!」

 

 

「お主と我はマスターなんだろ!?なぜだ!?信頼されてないのか!?」

 

 

アサシンと布都は向かい合って

 

ーーーいや一方的にアサシンが怒られていた。

 

「いや...そういうわけではない...ただ...」

 

 

アサシンは何かを躊躇っていた。

 

 

「今は無理なんだ...俺の真名を言うのは...頼む...」

 

 

「分かった...」

 

 

布都はかなり落胆していた。

 

 

流石に可哀想ではないか...?

 

 

 

「良いのか?アサシン?真実を告げなくて...」

 

 

空気の読めない探偵が水を差す。

 

 

 

「真実を告げないんじゃない。」

 

 

「告げるべき真実も持ち合わせていない矮小な英霊なだけだ。」

 

 

仮面の向こうはどんな表情だろうか。

 

そんなことを探偵は考えた。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「バーサーカー...出てこい...」

 

 

シムラは地下のプライベートで使う実験室に来ていた。

 

「urrrrーーー!!!」

 

 

血に濡れたような赤い鎧を纏った騎士は地下に閉じ込められていた。

 

 

「おーいい返事ださてさて令呪の時間だぜ」

 

 

「ーーー令呪をもって命ずる。俺が合図したら魔槍ロンゴミアドを解放しろ。合図するまでは手加減だ。」

 

 

「urrrr...Athe...」

 

 

「ああ...アーサー王も殺していいぞ」

 

 

「お前の好きなようにしろ」

 

 

「Arrrrrーーーー!!!!」

 

 

バーサーカーは地下の天井を蹴破り、レジスタンスを抹殺しに向かった。

 

「まァ...様子見だ最初は...」

 

 

 

「さて...イオニスの件は言峰の小僧にはあとでお仕置きだな」

 

 

シムラは葉巻を咥えながら計画の準備を進めた。

 

 

 

シムラが抱く最後の希望への計画へ。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

モルガンは夕方シロウの様子を見に部屋に出かけた所、倒れているシロウを発見した。

 

やはりか...

 

モルガンが感じた感想はそれだった。

 

コトミネシロウという人間は最初から存在しない。

 

どこの誰かがある人間の死体を利用して作り上げた偽りの人間なのだ。

 

故にこうやって肉体が壮絶な拒否反応を起こし度々シロウは気を失ってしまう。

 

シロウをベッドに運び、モルガンは思い詰める。

 

 

「なぜこの人はここまでして闘うの...?もう死んでるのに...もうゾンビと何も変わらないのに...」

 

シロウは私に闘う理由を教えてはくれない。

 

ただ義務的に殺すべき人間を殺し、救うべき人間を救う。

 

これまで彼が行って来たのはそれだった。

 

正義でもない。勿論悪でもない。

 

彼がやっていることは何なのかが分からない。

 

「おやキャスター...どうかしました?」

 

シロウが目を覚ましたようだ。

 

 

「また倒れてたみたいですね私」

 

 

「でもこうしちゃいられないですよ。」

 

 

「早くレジスタンスと接触しましょう。急がなければ。」

 

 

「ーーーあァ!?」

 

 

シロウは頭を抑え地に伏した。

 

士郎の記憶の食い違いが始まった。

 

 

「セイバー...セイバーはどこだ...?遠坂...桜...アーチャー...」

 

「我がマスターコトミネシロウ目を覚ましなさい。」

 

「違う...俺は...俺はエミヤシロウだ...そのはずなのに...」

 

 

「癒しの妖精よ...彼に加護を...」

 

 

私のヒールを受けるとまた静かに彼は眠った。

 

残酷だがエミヤシロウには主人格は渡さない。

 

ーーー渡せないのだ。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

その頃レジスタンスでは

 

「マスターが目を覚まさない。」

 

 

セイバーはそう告げた。

 

END

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