銀髪の少女を攫われたセイバーはその途中財閥のアーチャーと交戦するが...?
12話 失われた鼓動
「エクスカリバーモルガァァァァァンンン!!!」
セイバーの魔剣から放たれる星の光は財閥のアーチャーに...ではなく...
霧の街の塔を両断した。
「なるほど...狙いは撤退か...!」
察しのいいアーチャーはセイバーの狙いを一瞬で読み取った。
「だが逃しはしませんよ。」
散り散りになった塔から出た粉塵の間を逃げ回るセイバーをアーチャーは千里眼スキルにより一瞬で捉え、跳躍し、弓を構え、宝具を放つ態勢に入る。
焚天よ、地を覆え
アーチャーから放たれた炎を纏った弓矢がセイバーを一閃せんと襲い掛かる。
「チィ...対軍宝具レベルを何発も連射とは...鬱陶しい...」
「余所見は行けませんよセイバー」
アーチャーは先ほど使った瞬間移動のようなもので距離を詰める。
「くっしつこいぞ!貴様!」
セイバーはアーチャーの足を蹴り上げ、体勢を崩す。
「ジリ貧になってるのはわかってるでしょうに...いい加減諦めてはいかがでしょう。」
「ジリ貧...?何を言ってるんだお前は...やはりアホか」
「私はただ撃ちやすい場所に移動しただけだ。」
「なにッ!?」
アーチャーが気付いた時にはもう遅かった。
「卑王鉄槌...極光は反転する...」
セイバーは渾身の魔力で魔剣エクスカリバーを構える。
アーチャーもそれに対抗しようと大きく弓矢を構えた。
そこがセイバーにとってチャンスだった。
「フン馬鹿め。」
途端セイバーはエクスカリバーモルガンの構えをやめ、
アーチャーにそのまま斬りかかった。
「なッ!?」
予想外のフェイントに驚いたのか
アーチャーは反応が遅れた。
「風よ...舞い上がれッッッ!!!」
セイバーが練り上げた最高峰の魔力は龍のように畝り、アーチャーを喰らう。
セイバー渾身の魔力放出をアーチャーは真正面から喰らうことになり、
アーチャーは塔ごと吹き飛ばされた。
そしてそのままセイバーは剣を地面に突き立て、
地面に渾身の魔力放出を放つことにより下水道へなんとか逃げることに成功したのだった。
ーーーーーーーーーーーー
ここはどこだろうか。
手術室...それに近い雰囲気すら思わせたが、
ベッドに寝かされているのではなく、椅子に縛られて拘束されているあたりどうやら手術する気は無いらしい。
「おはよう目覚めたかね。」
如何にも自分こそが医者であると言った風の白衣を着た眼鏡の男が軽い挨拶を交わしてきた。
挨拶には答えず、ここはどこなのかを聞いた。
「ウン。ここは改造室...別名はシムラの玩具部屋だ。」
玩具部屋...?どういうことだ...?
ーーーまさか...?
「ンフフその通りここではキミがオモチャだ。と言ってもここで行うのは聖杯の摘出だがね。」
聖杯の...摘出...なかなかに意味のわからないワードではあるが
ーーー妙にしっくりと来た。来てしまった。
ヤバイ。このままでは。
このままでは「マズイことになる。」
第六感がそう囁いた。
ーーーーーーーーーーーーーーー
「でゃりやぁッ!」
朱槍を振るう戦士は逞しい雄叫びをあげながら狂戦士に斬りかかる。
狂戦士も朱槍を受け、また返す。
「狂ってる割にはなかなかやるじゃねーか。どこの英霊だテメェ?」
槍兵の問いかけに狂戦士の手が突然止まる。
朱く染まった鎧の戦士はまじまじと槍兵を見つめ、
自分の槍の先を自分へ向けた
「par...mideos...?parrrrrrrrrrr!!」
持っていた槍で胸部を貫き「自害」した。
「なッ!?正気かテメェ!?」
狂戦士の名に恥じぬ狂いっぷりにランサーはたじろいだ。
「Artherrrrrrrrrrrrrrrrrrrrr!?」
無論、狂戦士の行っていることは自害ではない。
己が魔槍へと至るための儀式である。
生前の狂戦士はあらゆる英霊の中でも特異なエピソードを持っていた。
なんと狂戦士は生前正真正銘「聖杯」を得たのである。
故に彼は聖杯を「宝具」として所持している。
宝具としてある聖杯は莫大な魔力源ソースとなり、
彼の禁じ手である「最果ての槍」を呼び醒す事ができるのだ。
「orrrrrrrrr!?parmideos!?parrrrrrrrr!?」
4メートルほどの大槍は狂戦士に似合わぬ神威を持って顕現した。
「Aaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!」
宝具の真名解放か。こいつはマズイ。そう思ったランサーは全力で走行し右方通路へ回ったが、
無駄だった。
なぜなら最果ての槍は
ランサーを地下道ごと貫いたからである。
最果てから放たれる威光はランサーを融解するのには十分過ぎる熱量だった。
ーーーーーーーーーーーーーーー
「えぇ!?何今の光!?すごい!!!見て見て!」
大きな爆発音と光輝にライダーはなにか感動を覚えてるようだ。
マジで理性蒸発してるんだなこいつは...
「てかあそこランサーいなかった?」
シンジが爆発した方向を指差すが、
「魔力供給は途絶えてないし大丈夫だと思...いや大丈夫じゃなさそうね...通常より多く吸われてる感覚あるわ...多分モロに喰らってダメージ受けたのかしら」
すげえなあ凛さんは...そこまで把握するなんて
「まあランサー心配なんてしてる暇ないわ。とにかく本拠地へ攻め込みましょう。」
いざ行こうとした途端プシュっと軽い音がした。ビールでも開けたような間抜けな音だ。
勿論それはビールを開けた音じゃない。
スナイパーライフルのサイレンサーの音と気付いたのはもうだいぶ後だった。
弾丸は不幸にもシンジを貫いた。
「アァ!?痛い痛いよォッ!?」
シンジは痛みからなのか血反吐を吐きながらのたうち周っていた。
「ほら!ユウサクは物陰に運んで治療して!ライダーは索敵頼んだわよ!」
治療のためにシンジの服を破る。
思ったより傷が深い。魔術刻印があった位置の肉が捻れ、歪んでいる。
なんだこれ...歪な形をした弾丸?魔術礼装か?
つーか魔力回路がぐちゃぐちゃだ...これではバーサーカーを維持できないぞ...
というよりもうシンジは...
多分持たない。
たぶんほっといたら勝手に死ぬ。
「なァ?俺...死ぬのか?ユウサク...?なぁ...」
雨に濡れた仔犬のような目でシンジは俺を見る。
ハッキリ言ってもう死ぬような肉塊。
ここではただのお荷物。
友達だからって慈悲はない。
そう、そうさ。俺は冷酷なヤツだからな。
心の中でそうやって自分を説得しても
肉体はシンジをおぶって走っていた。
やっぱ冷酷とかクールとか俺には無理だわ。
「オイ馬鹿絶対死ぬなよ!!!桜の元へ必ず送り届けてやる!!」
返事の代わりにひゅー、ひゅーと空気が喉を掠めるような音がした。
やばいもう限界か。
スニーカーから感じる靴ズレの痛みを抑えながらなんとか全力で足を回す。
ーーー走れ。走れ。走れ。走れ走れ!
「その調子だ!回転数が全てだぞ!頑張れ!ゆうくん!ファイトだ!」
おや俺を応援してくれるピンク髪のチアリーダーがいるぞ。
さて誰だろうな〜
「むふふ〜誰だろ〜当てて見て!ねえねえ!」
ふへへ可愛いなぁ全く。
まあそれはそれとして。
「ちゃんと索敵した?ライダーちゃん」
右のほっぺを膨らませ、
「なんか〜ショップのチアコス見てたら〜飽きちゃった!」
うーん許せる。許せるよね。
Yやっぱ
Kカワイイは
S正義
あ、そうだ。こいつアレ持ってたな!
「幻馬借りれないか?シンジを桜のとこまで運びたいんだけど」
「ウンいいよ!まっっっかせて!」
二つ返事で了承を得た。やりました。
幻馬が飛んで行くのを見送った後、俺は索敵を開始することにした。
ふぅ...よし...
一息深呼吸をし、気を集中させる。
ーーー魔術回路に走る稲光を感じながら彼は彼のみに許された魔術を施行する。
「ーーーinto the brains.」
フジキユウサクは凛のような属性を複数持つ優秀な魔術師でもなく、また桜のような特殊な虚数魔術師というわけでもない。
彼は世界でただ一人オリジナルの属性を持つ。
属性名は「識」。「叡智を識る」という概念属性である。
攻撃性は全くない。
だが彼の魔術回路を万物に接続させることにより
「全知に至る」これが彼の魔術である。
ーーーよし。敵は200m先に屋上で潜伏してるオオカミ型キメラのスナイパーと
俺の後ろで待ち伏せてるキリンのキメラか。
ん?え?え!?俺の後ろ!?ちょっ!まっ!
「そげぶ」
勢いの良い腹パンが彼の腹に入る。
ちょっとかっこいいとこお披露目とかしたのに...これってオイ...
「目標無力化完了。残り5人です。」
ーーーーーーーーーーーーーーー
「キャスター、どうです?彼らの調子は」
シロウはコーヒーを淹れながらレジスタンスの様子をキャスターに尋ねる。
「うーんダメね。全然ダメだわ。」
彼女の千里眼スキルは彼女の領地内限定で万視となる。故に観察が可能なのだ。
「やはりか...仕方ない...」
投影したもふもふクッションを弄りながらシロウは何やら思案する。
「ちょっと助けてあげましょうかね。」
「というわけでキャスター頼みました。貴女の実力をここで見せてください。」
「しゃーないわねぇまあ見せてやりましょうか」
「アーサー王伝説最悪の魔女の力を」
end
シャーロックホームズのmaterial
財閥のバーサーカー
真名 ???
原典 アーサー王伝説
ステータス
筋A耐C敏A魔A+++幸E宝具EX
スキル
狂化A
パロミデスの祝福A
対魔力B
彼方の王の加護E
宝具 偉業の杯EX
彼より約束されざる毒槍D
彼方の王よりの紅鎧C
最果ての槍EX