15話 水島ヒロの憂鬱
んん??何処だここは・・・俺は確か財閥の使いにやられて・・・そのあとの記憶がない・・・
暗すぎて何も視ることができない。手探りで何とかあたりを探ってみるが、有益な情報を得ることはできなかった。
「無駄だよ。」
のどにネズミが絡まったような不快な声が牢屋に響き渡る。この声どこかで・・・?
「お前鈴木か?」
「そういうお前はゆうさくか。」
「まさか任務に失敗したのか?」
こいつに指摘されるのはなんか腹立つ。いや、実際そうなんだけどね!
「プッハァー!!!ダッセェー!!!」
うんうん予想通りの反応だ。全然イラッとこない。むしろ心地いいレベル。
「まあお前雑魚だし。それに比べて俺は強いけどな。加えて女子力もある。後は・・・性格さえ完璧だったら文句はなかったかな?」
あ~ブン殴りてええええええええええええ!!!あ~死ね!!!600回くらい死ね!!!
__________コツ。と音がした。
____誰か来る。看守か?と思ったが違う。
魔力を感じる。まさかサーヴァント・・・?
ランプを持ったフードの男はこちらの牢まで近づき、鍵を開けてくれた
「階段先のドアまで走れ」
「おお!誰だかしらんが助かる!」
俺は藁にもすがる思いで駆けた。無論ひよこも同じである。うん同じだろうな。そう思いながら振り向くと、そこにはいつものひよこ頭ではなく、見知らぬオッサンが自分の背中を鼻息荒く追いかける姿があった。
「スンません誰だあんた!?」
「オレ?俺は水島ヒロ。」
「いやいやいや世界レベルにわかりやすい嘘つくんじゃねーよ!お前はどう考えてもそんなイケメン臭漂う存在ではねーよ!!!」
「じゃあ福○雅治とかでいいよ。」
「もう突っ込むのめんどくせえ」
後から事情を聴いたところ普通にひよこの着ぐるみを取られて、普通に素顔が露呈しただけらしい。あと水島ヒロは普通に本名らしい。名前だけはイケメンだな。顔は普通に不細工だけど。
「おお~なんだここがドアか意外と近い…」
ドアを開ければそこには蒼い花が咲き誇る楽園とも形容すべし場所が広がっていた。驚くべきことにドアの先に立つのはセイバーとそっくりの少女である。
「ようこそ。レジスタンスの無能な子豚ちゃんたち。いいえ。マスターの手をここまで煩わせた無能はもはや子豚ですらないッ!まさしくひよこよッ!」
「俺じゃーンひよこって!」
意味不明に舞い上がるひよこ頭がウザい。いきなり爆殺されねえかな・・・
「お姉さん私と結婚しませんか?」
「拒否。あっでもそのカワイイひよこ頭に免じて下僕くらいなら許可しなくもないけど!」
「はい!性奴隷でも肉便器でもなんにでもなります!!!」
「そ、そこまで言ってないのだけれど・・・うーんあなた湖の騎士以上に積極的ね・・・勿論悪い意味でだけれど!」
「お褒め頂き光栄の至り・・・して・・・いつ交尾はなさいますか?なんなら今からでも・・・」
「下僕のくせに生意気ね!ふふふでもそこがカワイイわ!」
あれ・・・結構お姉さんノリノリ・・・?
セイバーに似た美女は赤子をあやすようにくそオブくそひよこのあたまを優しく撫でる。
「あァ!?」
「ふふふ・・・このズボンのふくらみはなんなのかしら・・・?言ってみなさい・・・下僕・・・」
大丈夫コレ?なかなか雰囲気がピンクだけど。
ほんと大丈夫?俺とアストルフぉの健全な絡みで隠さなくて大丈夫?
「これはァ!難民キャンプであります!!!」
やかましいわ!
「坊やも見てないで一緒にどう?」
こちらを挑発するように妖艶な美女はこちらを見つめる。
「いやっ俺は大丈夫っていうか!!!間に合ってるっていうか!!!いや!!!間に合ってはないけど!!!」
あわてて答えた俺に対し、美女はまるですべてを見抜いたかのような瞳でこちらを見つめた後耳元でこうささやく。
「ここは誰にも見られず知られることのない人がたどりつく最後の楽園。羞恥心を感じる必要はないし、それにほら・・・」
「たまってるでしょ?」
脳内に響くようなリップノイズがユウサクに残された最後の理性を瓦解させた。
「はぁい!!!!!!!!!!お願いします!!!!!!!!」
アストルフォごめええええええええええええええええええええん!!!
ゆうくん耐えきれなかった!!!エッチなお姉さんの魅力に!!!
だってエロいんだもん!!!無理無理!!!育ちざかりの健全な青少年(当社比)にあれを耐えろってのが無理ですって!!!
というわけでこっからはR18コーナー!よいこは腹ペコ青虫でも音読してな!!!
「うふふ・・・カワイイ・・・」
バランスよく膨らんだ双丘が露わになる。それは水蜜桃、そう表現して差し支えないほどの美しさを持っていた。
漢ユウサク。オトナの階段を爆速で駆けあがるぜえええええええええ!!!
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「んん・・・」
温い潮風が頬を撫でる。いつのまにか寝ていたようだ。しかも助手の膝枕で。
「初任務お疲れ様です。先生…」
「ここはどこなんだい?」
「通称朱い海、またの名をコード・オケアノスです。」
「要するに海だね?」
「まあ・・・そんなところですかね」
幼い助手は天使のような優しさを含めながら微笑む。
「助手君が連れてきてくれたの?わざわざ」
「ええ。見せたかったんです貴女に、この燦々と煌めく紅い海を。」
案外ロマンチストなのかな。でも嫌いじゃないかも。
この海はなんだか見てて落ち着く。血のように紅いのに。
「綺麗ですね。先生の髪。」
細く人形のような指は私の髪をやさしく梳いた。
「照れるなあなんか。」
「先生はこうなる前はなにしてらっしゃたんです?」
「私はねえフリーの記者だったんだ。」
「悪どい政治家の闇を暴く記者…と言ったら聞こえはいいけどそんなかっこいいことはしてなかったな・・・」
「魔術師に裏金を回してる政治家と大物芸人をつきとめたところで・・・」
唐突に吐き気がした。嗚呼・・・いけない・・・これ以上はいけない・・・!それはわかってるのに・・・!
「殺された」
「え?」
「殺されたの私」
唐突なワードに幼い助手は動揺を隠しきれないようだ。当然だ。今思い出した私も動揺している。
「知らない男たちにボロ雑巾のように弄ばれて、苦しんで、苦しんで、苦しんで。」
「死んだの。」
完全に思い出した。
「志村動物園計画」、「火星に刺さった神樹」、「ウラ聖杯戦争」、「英雄王」、「混ぜるキャスター」、「二人のシムラ」
そして「フジキユウサク」
知らせなきゃ。一刻も早く。
「先生・・・」
「思い出しちゃったか。」
キリンの細い腕が私の首をつかむ。
「え・・・?」
「網目キリンのキメラには監視用の蟲が埋まっていてね。このように肉体を経由して、君の口封じも可能というわけだ。」
「シムラ・・・お前・・・!」
「悪いね・・・知りうる限りじゃお前は知りすぎてる人間の中じゃもっともヤバイことを知ってるのよ・・・」
「でもなあお前は貴重なマスター適正者でもある。だからただ殺すのはもったいない。」
「だからお前は志村動物園計画のプロトタイプになってもらう・・・!」
「いやだ・・・!もうお前の命令なんか聞きたくない・・・!」
「生意気な・・・!」
苦しい・・・!首を絞められていることがではない、助手の姿で自分が傷つけられていることがである。
いやだ・・・!いやだ・・・!
_____ヒュンと何かが飛来した。
助手の姿をしたシムラは突如私を投げた。
これは・・・?黒鍵・・・?
フードをかぶった男が琴らへゆったりと歩いてくる。
「お前は・・・キャスターのマスターか・・・!」
「お久しぶりですシムラさん。」
「何しに来た小僧。」
「散歩のついでに爺さんの悪趣味を観察しに参りました。」
15話 fin