姫野四葉は勇者である 作:水甲
01すべての始まり
2015年7月30日
私は一人、あるものをお父さんに届けるために熊本城近くに来ていた。
来たのはいいけど、私は少し困り果てていた。何故なら……
「お父さんの職場……どこだろう?」
地図を確認するけど、全然わからない。これはきっと……迷子だ。携帯で連絡を取りたいけど、私、携帯なんて持ってないし……それにここ最近地震が多くてあんまり外を出歩きたくないのに……
「帰ろうかな……お父さん、明日には帰ってくるだろうし……」
私はお父さんに渡そうと思っていた小箱を見つめた。これはお父さんの誕生日プレゼント……折角だからすぐに渡したかったのに……
私はため息をつき、来た道を戻ろうとした瞬間、地面が大きく揺れた。私は咄嗟に身を縮めた。地震はしばらくしてから止まったけど、突然私の目の前に何かが降ってきた。
「えっ!?」
そこには白くうごめく無数の何かだった。ソレは私に気が付き、巨大な口を大きく開けた。
あぁ、私はこのまま食われて死ぬんだ……お父さんにプレゼント……渡せなかったな……
私はすべてを諦めて目を閉じた。だけどいつまで経っても痛みがない。死ぬときって痛くないのかなって思いながら、目をそっと開けると、白い何かと私の間を何かが防いでいた。
「これは?」
一体何が起きているのか分からない。だけど何故かポケットに仕舞ってあるプレゼントが気になり、私は開けてみると中にはいっていた勾玉が光り輝いていた。
「なんでこれ……」
どうしてこんな風になってるのかわからない。だけど何故か使い方が分かる
「お願い……力を貸して……」
私は勾玉を強く握りしめ、迫り来る白い何かに向かって思いっきり振った瞬間、白い何かを何かが貫いた。
握りしめた手から勾玉が鎖のようになっていて、白い何かを貫いていたのだ。
「これって……でも、これなら……」
私は目の前にいる無数の白い何かと戦うのであった。
どれくらいの時間が立ったのか、襲ってきた白い何かをすべて倒した私は疲れ果てて、地面に座り込んだ。
「一体……何が起きてるの?」
私の問いかけに、誰も答えてくれなかった。仕方のないことだけど……今はこの場を離れることが先決だ。
きっとどこかしらに避難所があるはずだ。そこならきっとお父さんもお母さんもいるはずだと思い、疲れ果てた体で私は歩き出すのであった。
それから三年後、あの日私は避難所を見つけたけど、避難していた人たちの中に両親の姿がなかった。幸い近所の人がいてお父さんたちのことを聞いたら、二人共あの化物に殺されたと聞かされた。
私はショックでそのまま気を失い、目を覚ますと一人の女の子に呼び出された。その子は言うには私にはあの化物と戦う力があると言われた。私は両親の仇と生き残った人たちを守ると誓い、その子と共に戦うことを決意したのだった。
「今日も早いな。四葉」
「若葉ちゃん。おはよう」
声をかけてきた女の子、乃木若葉ちゃん。彼女は私に化物……バーテックスと戦う力があると教えてくれた人だ。
「若葉ちゃんはいつも早いね。ひなたちゃんは?」
「ひなたなら少し遅れるみたいだ」
「そっか、それじゃ先に教室で待ってよう」
「そうだな」
私と若葉ちゃんは教室へと向かうのであった。
そう、これはすべての始まり。私に………私達にとって長く辛い日々の始まりであった。
一話目終了です。四葉の武器については次回あたりに説明します