姫野四葉は勇者である   作:水甲

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13 合流

姫乃を連れて、私たちは大阪へと向かっていた。姫乃は記憶を失っているけど、この世界の状況について簡単にだけど説明はした。最初は戸惑っていたけど、すぐに理解はしてくれた。

 

「もうすぐママの友だちに会えるの?」

 

「そうだよ。あと……そのママっていうのは……」

 

「よっちゃん、いいじゃん。その子はよっちゃんの事お母さんだって思ってるんだしさ」

 

「そうだけど……まだ14歳だよ。14歳でお母さんになるだなんて……はぁ」

 

正直子育てとかよくわからないし、こういうこと相談できる人なんているわけないのに……どうしたものか……

 

というかそのうち、パパは?って聞かれた時どうしよう?死んだって言ったら悲しむだろうし……ここは若葉ちゃんあたりに男装させて……

 

そんな事を考え込んでいる内に、目的地である大阪の街にたどり着いた。

 

「ここが大阪……」

 

「今までの街と変わらないね……」

 

「どこも……バーテックスは何の目的で人類を狙ってるんだろうね?」

 

歌野ちゃんが悲しそうな目をしながらそう告げた。歌野ちゃんの言うとおり、どうしてバーテックスは私たち人類を滅ぼそうとしているのだろうか?前にひなたちゃんに聞いたら、人類に何かしらの原因があるかららしい。だからといって滅ぼしていいものなのか……

 

『神樹と私は人類の可能性を信じた』

 

突然声が聞こえた。今のって、ヒメノ様?私たちの可能性って……

 

「どうかしたの?よっちゃん」

 

水都ちゃんが心配そうに私のことを見ていた。私は笑顔でなんでもないと告げるのであった。

 

「合流場所はここでいいのかな?」

 

「うん、朝出る前に話したら、ここで合流って言ってたから……とりあえずじっと待っていたほうが……」

 

あんまり動いたら合流できそうにないしっていいかけたけど、そうはさせてくれないみたいだった。

 

私たちの周りを囲むように何体ものバーテックスが現れた。

 

「水都ちゃん、姫乃のことお願いね」

 

「うん」

 

「戦いの音を聞けば乃木さん達も気がつくよね」

 

「そうだね。それじゃ狼煙代わりに……やりますか」

 

私と歌野ちゃんは武器を取り出し、迫り来るバーテックスを撃退していった。

 

「ハアアアアアア!!」

 

「よっちゃん!!合わせて!!」

 

私の勾玉と歌野ちゃんの鞭で何十体もの敵を打ち付けていった。即興でやってみたけど、中々なものかもしれない

 

「流石はよっちゃんだね」

 

「歌野ちゃんこそ………所でちょっと気になってることがあるんだよね」

 

「気になること?」

 

ここまで来る間、敵と遭遇しては撃退、または逃げてきたけど、四国での戦いに比べると襲ってくる敵の中には進化体の姿はなかった。これって……

 

「敵が油断してるって言うことかな?」

 

歌野ちゃんの言う通りならまだいいかもしれない。ただ私としてはずっと嫌な予感がしている。

 

「もしくは敵の戦力を四国に向けて温存してたりしてね」

 

だとしたら本当にやばい。前に襲ってきたクラスの奴がまた襲ってきたら……

気がつくと私の目の前に敵が大きく口を開けていた。しまった!!考えすぎて……

 

だけど横から鞭の一撃が放たれ、敵が消えた。

 

「よっちゃん、今は目の前のことに集中しよう。無事にみんなの所に合流するってことをね。考えるのは後でも出来るからさ」

 

「……そうだね」

 

今は考えるのはやめておこう。それに私たちには頼れる仲間たちが……

 

「ハアアアアアアアアアアアアア!!」

 

突然空から誰かが降ってきては、迫り来るバーテックスを切り裂いた。うん、やっぱり

 

「頼れる仲間たちがいるから大丈夫だよね」

 

私たちの前に五人の勇者たちが並び立っていた。どれ位ぶりの再会だろうな……

 

「またせた。四葉」

 

「迎えに来てくれてありがとうね。若葉ちゃん、みんな」

 

「もう心配したんだからね」

 

「………急に消えて、諏訪に行くなんてね」

 

「でも、またこうして出会えましたからいいじゃないですか」

 

「ほら、みんな、今は話してる場合じゃないだろ」

 

さっきまで不安でいっぱいだったけど、こうして皆と一緒にいるだけで不安どころか勇気が湧いてくる

 

「とりあえず当面の目的は達成したから……杏ちゃん」

 

「えっ、はい!!」

 

私は無数の鏡をそこらじゅうに出現させ、杏ちゃんは鏡に向かって矢を放つと同時に周りにいたバーテックスを撃ち貫いていった。

 

「今のうちに避難しようか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私たちは一旦撤退し、ひなたちゃんがいる場所に行くとそこには水都ちゃんと姫乃の二人もいた。どうやらこっちも合流できたみたいだ。

 

「お久しぶりです。四葉さん」

 

「ひなたちゃん、久しぶり」

 

「本当に無事でよかったですけど……お聞きしたいことが……」

 

ひなたちゃんは姫乃のことをチラチラ見ていた。若葉ちゃん達も彼女のことが気になってる様子だった。なんて説明すればいいものやら……

 

「ママ、この人達は?」

 

うん、人が考えている時に限って……とんでもない爆弾発言を……

 

「おい、四葉!?こいつ、今ママって……」

 

「諏訪に行ってる間に……どうしたんですか!?」

 

「もしかして四葉ちゃんが産んだ子なの?」

 

「な、なななななな、何があったんだ!?」

 

球子ちゃん、杏ちゃん、友奈ちゃん、若葉ちゃんの4人は驚き……

 

「……冷静に考えて、母親代わりみたいな感じかしら?」

 

千景ちゃんだけが冷静でいてくれた。本当に助かるよ……

 

「千景ちゃんの言うとおり、色々とあって、彼女の母親代わりになってるのよ」

 

「………その色々というのは剣の事も含めてですか?」

 

ひなたちゃんは私のことをじっと睨んでいた。まぁ仕方ないよね。使わない方が良いって言われていたのだから……でもね。

 

「ひなたちゃん、私は見過ごせなかったから……」

 

「そうそう、短い付き合いだけど、よっちゃんは見過ごすなんてこと出来ない人だからね」

 

「うん、私達のことも助けてくれたから……」

 

歌野ちゃんたちの言葉を聞き、ひなたちゃんはため息を付いた。

 

「分かっていますよ。彼女は見過ごすことはしないって言うことは……でも、使用は控えて下さい。下手すれば……」

 

ひなたちゃんが何かを言いかけた瞬間、突然ふらつき倒れそうになった。それは水都ちゃんもだ。もしかして神託かなにかが……

 

「……神樹様からの神託?四国にまた敵が攻め込んでくる……」

 




次回ちょっとした若葉と歌野の話をやりつつ、問題の珠子と杏二人のアレをやります
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