姫野四葉は勇者である   作:水甲

14 / 50
14 その身を犠牲にしても

神託を受け、私たちは四国へと戻った。歌野ちゃんと水都ちゃんは戻ってからすぐに大赦へ行き、外のことについて話、今後私たちと一緒に行動をともにすることになった。

 

私はと言うと……

 

「ママ、行ってらっしゃい」

 

「うん、行ってきます」

 

姫乃に見送られながら、丸亀城に向かっていた。姫乃の今後を考え、大赦の誰かの家の養子になると言うことになったのだけど、まだどこに行くのか決まらず私と一緒にいることになった。彼女の将来を考えた結果そうするべきなのだろうけど……

 

「本当にそれで良いのかな………」

 

姫乃の幸せを考えるとそれが正しいことなのか分からないでいた。

 

「ん?あれって……」

 

寮の近くにある空き地で見覚えのある姿があった。あれって歌野ちゃん?なんで畑仕事してるんだろう?

 

もしかして前に言ってた四国にも蕎麦を広めるって言ってたけど、まさかそのために一から……

 

私は声をかけようとすると歌野ちゃんのそばに誰かが近寄ってきた。

 

「白鳥さん」

 

「ん?乃木さん。どうしたの?もしかして蕎麦に興味でも?」

 

「いや……そういうわけでは……ただ……」

 

何故若葉ちゃんは言いよどんでいた。何の話をしようとしてるかわからないけど、盗み聞きは良くないよね。普通は……

 

二人がどんな話をするか興味があって、私は物陰に隠れながら二人の話を聞くことにした。

 

「ひなたから聞いた。四葉が生き返らせてくれたんだな」

 

「えぇ、でもよっちゃんは自分の命を掛けてだけどね」

 

「……正直そんなことをした四葉を怒る所なんだけど、それよりもなによりも……私は白鳥さんが生きていたことが嬉しかった」

 

「……そっか」

 

「これから一緒に戦ってくれるんだろ」

 

「当たり前でしょ。諏訪を守りきれなかったけど、四国は絶対に救ってみせるから……」

 

「そうか……それじゃ白鳥さんなんて余所余所しいな。歌野って呼んでいいか?」

 

「もちろん。私も若葉って呼ぶよ」

 

二人は熱い握手を交わしていた。二人の友情のために私も守り神として頑張らないとね

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

丸亀城に着き、私は杏ちゃんに呼び出された。一体何の話だろうと思いながら杏ちゃんの所に向かった。

 

「お待ちしてました。四葉さん」

 

「いきなり呼び出して……どうかしたの?」

 

「実はと言うと……切り札のことです」

 

切り札の……なんでまた………

 

「ここ何回かの戦いにおいて、私以外の勇者は切り札を使用しました。その影響なのか体の不調が見えるようになっているのは気がついてますか?」

 

体の不調……なんとなくみんな調子が悪そうに見えた。でも、切り札を使ってる私は特に問題はないし……

 

「初めての戦いの際、四葉さんは友奈さんにそれ以上ダメって言ったのは覚えていますか?」

 

覚えている。何故かあのときはものすごく不安を感じていた。それにみんなが使う度にその不安に押しつぶされそうにもなっていた。この不安は神の子としての何かしら感じているのだろうか?

 

「あくまで仮説ですが、切り札は人の身に精霊の力を宿す……何かしらの悪影響が出てくる可能性があるかもしれません。四葉さんに何の影響がないのは……」

 

「私自身、人外じみてるからね」

 

「あっ、そうは……」

 

「気にしなくていいよ。それで杏ちゃんはどうしたいの?」

 

「………切り札の使用を控えるべきかどうか……悩んでいるんです」

 

切り札を控えるか……確かに何が起きるかわからない以上はそうするべきだけど、でも使わざる置けないときは……

 

「杏ちゃんの意見には賛成よ。それにもしも……」

 

「もしも?」

 

今更言うことじゃないよね。とりあえず杏ちゃんには改めてみんなを集めて話すべきと伝えるのであった。

それにもしものときは私がなんとかするから……剣の力を使ってから更に自分の力の使い方がわかるようになってきた。

 

「守り神として……頑張るから……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数日後、私たちは樹海に来ていた。

 

「杏から切り札の使用は控えるべきという意見が出た。なるべく今回の戦いでは使わないようにしよう」

 

みんな、杏ちゃんの意見に賛成だった。何が起こるかわからない以上、使用は控えるべきというのはみんな分かっていた。

 

「でも、必要なときは使うしかないわよ」

 

「そう……ですけど……」

 

「千景、大丈夫だって、ようするに切り札を使わざるおえない状況にならなければ良いんだろ。タマに任せタマえっ!!」

 

「それって合体する前に潰しちゃうってこと?それだったら頑張らないとね」

 

「ぐんちゃん、それじゃダメかな?」

 

「………それなら……まぁ」

 

合体する前に倒しちゃうか……確かにそれなら簡単だろうけど……まぁ、勇者もこれで7人になったし、私も頑張れるかな

 

「敵が来たみたいだ。みんな、気合を入れて行くぞ!!」

 

若葉ちゃんの号令のもと、私たちは迫りくる敵を撃退していった。みんな、それぞれ戦う中、杏ちゃんは確実に敵を倒していっている。もしかして融合阻止のために……

 

「杏!?みんな!?あれを!?」

 

球子ちゃんの声が聞こえ、振り向くと一部の場所で星屑が集まっている。融合しようとしているのか?それなら勾玉を分裂させて放とうと思った時、白い何かが周辺を包み込んだ。

 

「融合はさせません!!切り札『雪女郎』」

 

あれが杏ちゃんの切り札……猛吹雪で敵の動きを止めつつ撃退していくけど……大丈夫なのかな?

 

「杏、切り札を使って良いのか?お前が一番危険視していたのに……」

 

「私は今回が初めてですから、皆さんよりは安全かと……」

 

何ていうか無茶をするな~でも、これなら……

そう思った刹那、何かしらの気配を感じた。なにこれ?あの時の大型バーテックスと同じ気配……まさか!!

 

吹雪が止むと球子ちゃんと杏ちゃんの前にはこの間戦った大型バーテックスと同じくらいの奴が現れていた。敵も馬鹿じゃないということなのかな?

 

「四葉!?何処に行く!?」

 

「若葉ちゃん、あとのことを頼める?二人が危ないの」

 

「……守り神としての感か?」

 

「そんな所……あとは任せたよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

杏SIDE

 

新たに現れた大型バーテックスの尻尾の先端の針を喰らい、腕が上がらなかった。ギリギリの所でタマっち先輩が切り札を使って助けてくれた。

 

「大丈夫か?杏」

 

「タマっち先輩……」

 

「あとは休んでろ。ここは私が……全開火力だ!!」

 

大型バーテックスに攻撃を当てるけど、全く効かず、バーテックスの尻尾に叩き落され、切り札が解除されてしまった。

 

「このままだと……」

 

なんとか起き上がろうとしたけど、落下のダメージで動けない。大型バーテックスはそんなのお構いなしと言わんばかりに巨大な針で攻撃を仕掛けてきた。もうだめかと思った瞬間、

 

「やらせるか!!」

 

タマっち先輩が攻撃を防いでくれた。でも、タマっち先輩もダメージが大きいはずなのに……

 

「逃げ……て、逃げて、タマっち先輩」

 

「逃げられるわけないだろ。杏を置いて……」

 

「タマっち先輩……」

 

「こいつをぶっ倒したら、祝勝会としてみんなで遊ぶぞ。遠征の時みたいにキャンプとかでもいいし……今度は歌野と四葉と水都と姫乃も一緒に……」

 

何度も攻撃を防いでいくタマっち先輩。だけどこのままじゃタマっち先輩が……

 

「くっ!?」

 

よく見ると旋刃盤にヒビが入った。だめ、このままじゃ……誰か……神様……

バーテックスの攻撃が私達に迫りくる瞬間、何かが私達と針の間に入り込み、針を破壊した。そして私達の隣には……

 

「それじゃその願いを叶えてあげるよ……なんてね」

 

「四葉……」

 

「四葉さん……」

 

「二人とも休んでて、ここは……」

 

四葉さんは手鏡を取り出し、切り札を発動させた。以前見たときの切り札とは違い、白く神秘的な衣装だった。これって切り札なの?

 

「切り札発動!!『ヒメノ神』」

 

 

 

 

 

 




杏、珠子生存と四葉の新たな切り札登場です。次回決着とグンちゃん関係になります
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。