姫野四葉は勇者である   作:水甲

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02 仲間

若葉ちゃんと一緒に丸亀城の教室に入るとどうやら私達が一番みたいだった。

 

「まだ誰も来ないみたいだね」

 

「いや、多分だがそろそろ……」

 

若葉ちゃんがそう言った瞬間、廊下の方から誰かが走ってくる音が聞こえると、

 

「あぁ!また若葉と四葉が一番のりか!!タマが一番かと思ったのに!!明日こそはタマが一番乗りしてやるからな!!」

 

「タマっち、喧嘩売るのはやめようよ」

 

若葉ちゃんに詰め寄る少女、土居珠子ちゃんとその親友の伊予島杏ちゃん。この二人も私達と同じように勇者である。

 

「おはよう。杏ちゃん、タマっちちゃん」

 

「四葉!そのタマっちちゃんっていうのはやめてくれないか?何だかちゃん付けされるとむず痒くなるんだよ」

 

「それじゃタマっちで」

 

「うむ」

 

「おはようございます」

 

すると今度はひなたちゃんが教室に入ってきた。彼女は勇者ではなく、巫女だ。巫女はこの国を守る神樹様の声を唯一聞ける重要な役職でもある。

 

「おはよう。ひなたちゃん」

 

「おはようございます。四葉さん。今日は早いんですね」

 

「あはは、今日は目がさめるのが早くてね」

 

「四葉さんって、早いか遅いかのどちらかですものね。今日は夢を見なかったんですか?」

 

「うん」

 

私が見る夢はかなり変わっている。夢の中の私は、今の私とは少し違い、見覚えのない女の子と一緒にいる夢……その夢は何故か楽しくって、目がさめる頃には遅刻ギリギリの時間だったりする

 

こんな夢を見るようになったのは、あの日からだ。一体どうしてこんな夢を見るようになったんだろう?

 

「四葉さん、貴方の持っているその勾玉ですが……」

 

ひなたちゃんが何かを言いかけた瞬間、私はいつの間にか来ていた郡千景ちゃんに気がつき、声をかけに行くのであった。

 

「おはよう。千景ちゃん」

 

「………おはよう」

 

何だか浮かない顔をしている千景ちゃん。もしかしてまだ来てない彼女のことを気にしてるのかな?

 

「おはよーございまーす」

 

「来たみたいだよ。友奈ちゃん」

 

私がそう告げると千景ちゃんは嬉しそうな顔をするのと一瞬私のことを睨みつけた。

 

「おっはよーグンちゃん、四葉ちゃん」

 

「おはよう。高嶋さん」

 

「おはよう。友奈ちゃん」

 

「あれ?四葉ちゃん、今日は早めの日だった?てっきり私の後かなって思ったんだけど……」

 

「それひなたちゃんにも言われたよ」

 

私達三人が他愛のない話をする中、私はさっきひなたちゃんがいいかけた言葉が気になった。何を言おうとしたのかな?休憩時間の時に聞いてみよう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

休憩時間になり、私はひなたちゃんを人気のない所に呼び出した。

 

「四葉さん、どうかしたんですか?」

 

「ひなたちゃん一人?」

 

「えぇ、二人っきりのほうが都合がいいと言ったのは……あのもしかしていじめとか……」

 

「気に入らないから人気のない所に呼び出して殴ったりとか?そういうことしないよ。ただ、朝、ひなたちゃんが何か言いかけたから……」

 

「あぁ、そのことですか……もしかして気を遣って……」

 

「二人っきりのほうが言いやすいかなって……それで私の勾玉がどうかしたの?」

 

私はポケットからあの日、お父さんに渡すはずの勾玉を取り出した。これのおかげで私は勇者の力を得ることが出来たけど、ただのレプリカのはずの勾玉が形を変えたりなんてするのは少しおかしい気がしていた。きっとひなたちゃんの話は何かわかったのだろうか?

 

「その勾玉ですが、やはり何かしらの逸話を持っているものではなく、その……そこら辺のお店にある作り物でした」

 

「うん、それは知ってるよ。私が買ってきたものだから……」

 

「ただ、何故そのようなものが人類の敵と戦える武器に変わったのかはわかりません。四葉さんは勇者、巫女とは違う何かしらの力を宿したりとかは……」

 

「う~ん、私としてはあの日から変わった力を使えるようになったのは、勇者に変身できるようになったくらいだし……」

 

「もう少し大社の方でも調べてみるとのことです。何か異変があったら……」

 

「えぇ、伝えるわ。ただ今度からは皆にも伝えたほうがいいかもね」

 

私はある所まで歩き、覗き込むとそこには若葉ちゃんたちがいた。

 

「若葉ちゃん!?」

 

「盗み聴き?」

 

「いや、これは……」

 

「おい、若葉!お前がいい出したことだろう」

 

「だからやめようって言ったのに……」

 

「何だかこういうのって楽しいね。グンちゃん」

 

「え、えぇ」

 

どうやら皆、ひなたちゃんみたいな事を思っていたみたいだった。私って、不良とかいじめっ子に思われてるのかな?

 

「すまない。何だか二人が深刻そうな顔をして、出ていったから……心配で」

 

「ごめんね。若葉ちゃん。これからは皆にも話すようにするね」

 

私は小指を若葉ちゃんの前に突き出した。若葉ちゃんは最初は困惑していた。

 

「えっと、四葉?」

 

「指切りしておこうかなって」

 

「そうか……それじゃ……」

 

私は若葉ちゃんたちと指切りを交わすのであった。ちゃんと何かあったら話すようにと……

 

 




次回あたりに初戦闘になるかな?

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