姫野四葉は勇者である   作:水甲

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今回は須美視点でお送りします。


24 姫野家について

須美SIDE

 

毎朝、水で身体を清める。これが私の日課。そんな日課の最中私はあることを考えていた。

それは姫野さんについてだ。彼女の大赦での立場はかなり謎である。大赦ができてから長い年月、姫野家は何かしらの役割を背負っているという話は聞いたことがある。

でもその役目って何なんだろうか?

 

 

 

日課が終わり家族みんなで食事を摂っているとき、お父様がある話をされた。

 

「須美、お役目に選ばれた中に姫野家の人間がいるだろ」

 

「はい、四葉って子が……」

 

「そうか……須美、彼女と仲良くな」

 

「それはどういう意味ですか?」

 

「いや深い意味はないのだが、姫野家は……彼女は代々辛い役割を背負っているから……」

 

辛い役割……一体それは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お父様はそれ以上のことを教えてくれなかった。ただあの子が背負っているものって一体何なんだろうか?

授業中、ずっと彼女のことが気になりずっと見ていた。そのせいか全然授業に集中できない……本人に聞くべきなのかどうなのか……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

四葉SIDE

 

ずっと視線を感じていた。この視線の主は須美ちゃんみたいだけどどうしたんだろう?私、変な所あるのかな?

ちゃんと髪も梳かしたし……う~ん、これは……

 

「というわけで須美ちゃんが私の事見つめてるのだけどどうしたらいい?」

 

「須美がな~」

 

「もしかしたらわっしー、ひめちゃんに恋をしてるんじゃないのかな~」

 

気になって銀ちゃんと園子ちゃんに相談したけど、失敗だったかな?特に園子ちゃんに相談は……

 

「いやいや女の子同士だぞ」

 

「ミノさん、ミノさん、最近はそういうのもあるんよ」

 

「まぁ確かに須美ちゃんは可愛いけど……と言うか恋から離れようね」

 

「え~」

 

「え~じゃないよ。銀ちゃんはどう思う?」

 

「私!?う~ん、何か聞きたいことがあるけど聞きづらかったりするんじゃないのか?」

 

聞きづらいこと……なんだろう?でも気になるなら気にせず聞けばいいのに……

 

「あ、あの、姫野さん……」

 

不意に声をかけられ、振り向くと何故かもじもじしている須美ちゃんがいた。これって……

 

「えっと、何?」

 

「少しお話したいことが……」

 

いやいや、なんだろうこれ、園子ちゃんが言っていたみたいなことじゃないよね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

須美SIDE

 

意を決して、姫野さんに話を聞くべきだと思い、私は校舎裏に姫野さんと一緒にいた。何故か姫野さんは顔を真赤にさせているけど、どうしたのだろうか?

 

「え、えっと、お話って何?」

 

「あ、あの話したくなければいいのですが、姫野さん」

 

「う、うん」

 

「貴方は……姫野家って何なんですか?」

 

私がそう聞いた瞬間、さっきまで顔を真赤にさせていた姫野さんは一瞬で真剣な表情をしていた。もしかして私は聞いてはいけないことを……

 

「どうして突然そんな事を?」

 

「い、いえ……ただ大赦の中でも有力な家系の人たちとの繋がりがあること……お父様が言っていた姫野家が代々背負っている役割って何なのかって……」

 

「……須美ちゃん。軽い気持ちで聞いてないよね」

 

姫野さんの言葉を聞いて、私は体を震わせた。なんだろう?この寒気は……殺気が篭ってる?

もしかして返答次第で私はどうにかされるのだろうか?でも、私は決して軽い気持ちで聞いたんじゃない。

 

「違うわ。私は……姫野さんが背負っているものが何なのか知りたいの。そして一緒に背負ってあげられたら……」

 

「………そっかありがとうね。須美ちゃん。でもごめんね。詳しいことは話せないの。そう言われてるの」

 

それって、もしかして大赦に口止めされているということなの?

 

「別に大赦に口止めってわけじゃないけど、本当に長い話になるし、この事はみんなにも知ってもらいたいの」

 

「みんなっていうのは……」

 

「私が話したい時に話すまで待っていてね。ただ今言えるのは私は……姫野家に生まれた長女は『姫野四葉』という名前をつけることになるのと……私は大赦から神の子……神子と呼ばれていることだけ……」

 

「神子……」

 

「ちゃんと機会があったら話すから……今日のことは忘れて……」

 

彼女は悲しそうに微笑むのであった。『姫野四葉』と『神子』それが彼女にとって辛い役割だということを私が知ることはあるのだろうか……

 

 

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