姫野四葉は勇者である 作:水甲
須美SIDE
ここ暫くの間、バーテックスの襲来がないとのことで私達勇者はちょっとした休息期間に入った。
休息期間中は訓練もなくただ平和な日々が続くのであったのだが……
「須美、話があるんだ」
「話……ですか?」
「あぁ、実はと言うとお見合いの話があってな」
「お……お見合い!?」
四葉SIDE
休息期間とは言え、私は守り神の力を扱えるように瞑想を続けたり、あとは姫野家に残された書物を読み漁っていた。
「守り神が使ったと言われる3つの武器……一つは変幻自在の勾玉、一つは勇者たちを守る鏡、一つは人々を癒す剣……そしてその3つが揃ったとき……」
次のページをめくると破れていて何が書かれているのかわからなかった。何というかここまで来て分からないとなると気になってしょうがない
「勾玉って、これだよね」
私は首にかけた勾玉のペンダントを見つめた。何故か勇者に変身したときにも扱えるようになってるからこれが例の守り神の武器の一つで良いのかな?
「残り二つってどこにあるんだろう?」
できればどんなものか見てみたいけど、姫野家にはこの勾玉しかないみたいだ。もしかしたら……
「守り神の力を使えれば呼び出せるのかな?」
一人でそうつぶやくと端末にメッセージが入った。送り主は須美ちゃんからだ。何だろう?
『緊急招集願います。とても大事な話があります』須美
『どうしたんだ?』銀
『大事な話ってもしかしてわっしー、結婚するの~』園子
『まだ小学生だから無理なんじゃないの?』四葉
『いえ、結婚に近くて遠いものです。私、お見合いすることになります』須美
お見合い………それってつまり……ん?えっと……
『本当に緊急事態だね』四葉
『これは……とりあえずイネス集合でいいか?』銀
『すぐ向かうね~』園子
一体何でまたお見合いなんて言うことに……私はすぐに支度をして出かけようとすると、またメッセージが入った。
『近いうちに会えないかな?』
「…………」
私はメッセージの送り主の名前を確認し、無視をするのであった。どういう顔をして会えば良いのかわからないっていうのに……
待ち合わせ場所であるイネスに着くとすでに須美ちゃんたち三人が来ていた。
早速事情を聞くと……
「何だ。お見合いって聞いて驚いたけど、ただの顔合わせなんだな」
「お見合いじゃなくって、許嫁に会いに行くっていうだけなら大丈夫だよ~」
「そう……だけど、何だか親が決められた相手と結婚するっていうのが……」
てっきり須美ちゃんは親の言うことだから従うのかなって思ってたけど、やっぱり自由に恋愛したよね。
『いいな~許嫁がいるなんて……私なんて恋愛せずに守り神になったのに……』
何だか守り神様の声が聞こえてきたけど、気にせず話を進めるのであった。
「相手ってどんな人なの?もしかしておじさんとか?」
「違うわ。同い年で……名前は確か……」
私は名前を聞いた瞬間、驚きを隠せないでいた。
そして四人で話し合い、お見合いの日にみんなでどんな子か見に行くことになったけど……私としてはあんまり行きたくなかった。
お見合いの日、ある料亭で私たちは物陰に隠れながらお見合いの様子を見ていた。本当は行きたくなかったけど、友達のためだと自分に言い聞かせた。
「おっ、あれがそうか?」
「うん、わっしー、着物だ~」
「………」
「……どうしたんだ?四葉。元気ないけど……」
「須美ちゃんの相手の子がちょっとね」
「そっか……苦手なんだっけ?」
「二人が知ってるって言うことは昔からの付き合いの家の子なのか?」
「うん、そうだよ~」
「………来たみたいだよ」
私がそう言うと二人とも須美ちゃんがいる部屋を見つめていた。
「初めまして、鷲尾須美です」
「初めまして……神宮桔梗です」
『神宮桔梗……これも運命なのかしら?』
守り神様がまた何か言ってるけど、正直どう答えれば良いのか分からないでいた。だって、彼は私にとって……
短めですみません。次回に続きます