姫野四葉は勇者である 作:水甲
突然聞こえた守り神様の声。役目を果たす時って、どういう意味なのかわからない。だけど銀ちゃんを救けられるって言うなら……
「守り神様、どうすれば……私の友達を……銀ちゃんを助けられるの?」
祈りを捧げた瞬間、ポケットに仕舞ってあった桔梗からもらったお守りが飛び出してきた。私はお守りに触れると同時に光りに包まれた。
銀SIDE
「どうだ!!」
血だらけになりながらも、敵にダメージを与えていくが、流石に三体同時だとかなりきつい。逃げ出したい。痛みで思いっきり泣きたい。
だけど私の後ろには守るべき人がいるんだ。だから……
「泣き言言ってる場合じゃないよな。見せてやるよ。これが人間様の意地ってものを!!」
もう一度敵に向かっていこうとするが、敵はそれと同時に攻撃を仕掛けようとする。あぁ、ここで私は死ぬんだ。ごめんな。須美、園子、四葉。一緒に帰れそうにない
諦めかけたその時、しっぽ付きのバーテックスが真っ二つに切り裂かれ、誰かが私の事を抱きかかえていた。
「意地を見せる前に、生きて帰れることを考えたほうが良いよ。銀ちゃん」
その声は優しく、温かった。助けに来てくれたんだ
「四葉……」
四葉SIDE
ギリギリだった。ギリギリの所で銀ちゃんを助けられた。私は抱きとめた銀ちゃんを下ろし、残った二体のバーテックスを睨みつけた。
「あの矢を飛ばすやつと変な鱗持ちね」
「気をつけろ……あの鱗みたいなやつ、矢を反射して来る」
ということは自由に軌道を変えられるっていうことだ。私は銀ちゃんの方に剣を向けると、白い障壁が現れ、銀ちゃんを包み込んだ。
「温かい……それに痛みが……」
「まだ使い慣れてないからかな?ある程度は治癒できるけど、腕が取れたり、骨折とかは治せないみたい」
「初めて使ったのに、なんでそんな事がわかるんだ?」
「えっと……守り神様が……」
言いかけた瞬間、無数の矢が私達目掛けて降り注いできた。私は勾玉を取り出し、全ての矢を弾いていった。
「勾玉も威力が上がってる……とりあえずまずは……」
私は無数に降り注ぐ矢を剣で弾きながら、鱗持ちのバーテックスの前まで移動し、
「厄介な奴から切り裂く!!」
大きく剣を振った瞬間、バーテックスが真っ二つに切り裂かれた。これでしばらくは行動不能になったはず。あとは……
「あの矢を放つやつを……」
矢持ちのバーテックスの方を見ると、何か嫌な気配を感じた。あの口から飛び出ている矢が何だか発射してきそうだった。まさかあれで一気に倒すつもりなの?
「防ぎきれるかな?」
やってみなきゃわからないよね。
私は剣を構えた瞬間、バーテックスの口から巨大な矢が発射された。私は剣で矢を防ぐけど、威力が強すぎてそのまま後ろにふっ飛ばされそうになる。
このままだと剣が折れるか壁に激突するか……どっちも嫌だな
「うおおおおおおおお!!」
後ろから叫び声が聞こえた瞬間、誰かが支えてくれていた。振り向くとそこには腕が折れているのに私を支える銀ちゃんだった。
「銀ちゃん!?」
「一人で頑張るなよ……お前のことを支えるくらい私だって」
「一人でって……それ……」
「ミノさんが言う?」
更に声が聞こえた瞬間、巨大な矢をへし折られた。折ったのは傷だらけの園子ちゃんだった。
「もう二人とも無茶しすぎだよ~」
「園子……」
「銀と四葉ががんばった分、トドメは……私が!!」
青白い矢がバーテックスを貫いた瞬間、花びらが舞った。敵を退けたって言うことだよね。これ……
そう思いながら、私の意識は薄れていった。
『頑張ったね。四葉』
気がつくと私の目の前に、私に似た女の子が椅子に座っていた。彼女がまさか……
「守り神様?」
『せいか~い』
何だか思っていたより明るい人なんだけど……こうもっと神秘的に雰囲気をもっと人かと思ったのに……
『コレが始めましてになるのかな?それとも会ったこと覚えているかな?』
「会ったことありましたっけ?」
『覚えてないか。そういう処置をしたって言うことなのか?まぁそこら辺は追々ね。それで四葉、三体同時進行を友達と一緒に乗り越えたね』
「は、はい」
『剣は本来は癒やしの力なんだけど、攻撃として扱うなんてことやったのは四葉が初めてだよ』
私が初めて……でもこの剣は神宮家のお守りだから私のご先祖様たちは今までどうしていたんだろう?
『あとは鏡だけ……焦ることはないけど……四葉、もし身体に異常があったらすぐに言ってね』
「身体に?」
『神の力はすごく危険だから、なるべく異常が出たら私に伝えて、力を抑えるようにするから』
「は……はい」
神の力が危険って……どんな風に危険なんだろうか?それにさっき言っていた鏡って……
銀生存……ですが、次回あたりで銀は……