姫野四葉は勇者である   作:水甲

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今回から結城友奈の章の始まりです


結城友奈の章
36 目覚めた勇者


あれから二年ぐらい経ったらしい。らしいというのはこの空間において時間の流れとかよくわからないからこういう言い方しかできないからだ。

 

『………時が来ました』

 

「どうしたの?守り神様、急に真面目そうな声を出して……別に雰囲気作りとかいいからね」

 

『いや、たまには神様的なことをしようと思って……』

 

ずっと対話と訓練を続けてきて、わかったことがある。守り神様は私達とそう変わらない。何というか神様というよりかは普通の人間に近い感じだった。

 

「それで時が来たって……」

 

『そうでした。今神樹から聞いたのですが、敵の進行が近い内にあるみたいです』

 

「敵……それじゃ私が目覚められるの?」

 

『はい、この二年間、頑張りましたね。二年前と違い、勇者の力と守り神の力を混ぜ合わせた状態で戦えますが、くれぐれも満開だけは……』

 

「満開……絶大な力と引き換えに自身の体を蝕んでしまう……」

 

『使わないようにといいたいですが、貴方はきっと使いそうですね。だから本当にいざっていう時に使って下さい』

 

「はい」

 

『それでは私は見守っています』

 

守り神様の姿が消えると同時に、私の目の前に白い穴が空いた。戦いの日々がまた始まるのだろうけど……私はきっと守ってみせるから……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

園子SIDE

 

「神託があったんだね~」

 

私はベットの前に立つ仮面を付けた少女にそんな事を言っていた。そしてその少女の後ろには似たような仮面を被った人たちもいた。

 

「はい、近い内に敵の進行が……」

 

「勇者候補は?」

 

「それは……犬吠埼風様の担当地区です」

 

「そっか、狙い通りなんだね~適正値が高いこの近くに彼女を送り込んだ……」

 

「その……乃木様。どうしてその適正値の高い……」

 

「……彼女は大赦に伝わる風習にならって付けられた名前を持っている」

 

生まれた時に逆打ちをした少女にとある名前をつけるという風習。そして逆に男の子だった場合は『ゆう』という名前をつけるという……

 

「高嶋優くんも似たような感じだけど……彼は勇者になれない」

 

何というか何でこんなつまらない話をしているのだろうか?私は目の前の少女に向かってあることを告げた。

 

「敵が現れたって言うなら、あの子も目覚めるのかな?」

 

「……病院からはなんとも……」

 

「私は信じてるから……目覚めることを……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

四葉SIDE

 

目を覚まし、気がつくと私は樹海にいた。敵が来たと同時に送られたということか……

それにしてもちょっと気になることがあった。

 

「病院にいたからなのかな?病院着のまま送られるなんて……」

 

せめて私服に変えてほしかった。そういうところは融通聞かないな神様って……

 

『聞こえてますよ。四葉』

 

やばい。聞こえていた。

 

『こっちとしてギリギリに間に合うようにしたんですよ。服装関係は神樹に文句言って下さい』

 

そ、それはそれでちょっと気がひけるけど……とりあえず勇者に変身するために端末を取り出した。

 

「久しぶりの変身……行くよ!!変身!!」

 

まばゆい光と共に私は白い衣装に姿を変え、両手には勾玉型の鉄甲と腰には白い剣が装備された。

 

「基本的に勇者ベースだけど武器は守り神なんだね」

 

私は端末でこっちに来ているであろう勇者たちを探した。遠くの方に二人、近い所に二人。近い所にバーテックスが近づいてきている。急がないと……

 

 

 

 

 

私は全速力で走っていると反応があった場所に着いた。すると一人の女の子が勇者に変身し、バーテックス……あれはヴァルゴ。ヴァルゴバーテックスを殴った。

 

「私は讃州中学勇者部!結城友奈!私は勇者になる!!」

 

高らかに宣言を上げた。う~ん、ちょっと私の見せ場が無かったかな

 

『彼女はまさか……!?』

 

「どうしたんですか?守り神様」

 

『い、いえ、それよりもまだ敵は生きています』

 

守り神様の言うとおり、ヴァルゴは傷ついてもまだ卵型のミサイルを飛ばそうとしていた。私は咄嗟に両拳を構え、思いっきり駆け出し、ミサイルの発射口を殴りぬいた。

 

「誰?」

 

「お姉ちゃん、私たちの他に勇者が?」

 

「ううん、私は聞いてない。誰なのあの子……」

 

黄色い衣装の子と緑色の衣装の子がこっちに来てそう言っていた。仕方ない。自己紹介でもしておくか

 

「初めまして、私は姫野四葉。勇者です」

 

「あ、私、結城友奈っていいます。あのさっき助けてくれてありがとうございます」

 

「敬語はいいよ」

 

「ちょっといきなり来て早速仲良くなるのはいいけど、敵はまだ倒せてないわよ」

 

バーテックスの方を見ると何だか再生している。何というか前に比べて倒しにくくなった?

 

「今から封印の儀を始めるわ。準備はいい」

 

今はとりあえず言うとおりにしたほうがいいと思い、私は言われるまま彼女たちと同じように敵を囲んだ。

 

そして端末に映し出された祝詞を唱えた。

 

 

 

「かくりよのおおかみ あわれみたまい」 

 

「めぐみたまい さきみたま くしみたま」

 

「 おとなしくしろ~!!」

 

「「ええ~、それでいいの!? 」」

 

「要は魂込めれば、言葉は問わないのよ」

 

「何というかそういう事は最初に教えてほしかった。そうこうしている内にバーテックスから四角錐の物体が現れた。

 

「なっ、なんかベロンと出た~!」

 

「封印すれば、御霊がむき出しになる。あれはいわば心臓。破壊すればこっちの勝ち! 」

 

「それなら分かりやすい!!」

 

私は御霊を勾玉で縛り上げ、逃げられないようにした。それを見て友奈ちゃんが思いっきり殴るが、硬すぎてヒビすら入らなかった。

 

「かたぁぁい!! これ硬すぎるよぉ~!」

 

「それだったらもう少し縛りをきつくして……」

 

縛りをきつくするとみるみるうちに御霊にヒビが入っていった。私は友奈ちゃんに合図し、友奈ちゃんは思いっきり御霊を殴るのであった。

 

 

 

 

 

 

 

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