姫野四葉は勇者である   作:水甲

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37 二年の歳月

友奈ちゃんのパンチがヴァルゴバーテックスの御霊を破壊し、何とか撃退することに成功した。

 

「これが今の勇者……」

 

「今のって、あんた何を言ってるの?そもそもあんたは……」

 

黄色い子が何かを言いかける中、世界が樹海から元の姿に戻っていった。

 

 

 

 

 

 

 

気がつくとどこかの屋上に来ていた。ここから見える風景的には学校の屋上みたいだけど……

 

「……あれ、ここ学校の屋上?」

 

「神樹様が戻してくださったのよ」

 

「東郷さん無事だった? 怪我はない?」

 

「友奈ちゃん……友奈ちゃんこそ大丈夫?」

 

「うん、大丈夫だよ」

 

「うん、お姉ちゃんは何ともない?」

 

「平気平気~」

 

「怖かったよぉ~、お姉ちゃぁん。もう訳わかんないよぉ~」

 

「……よしよし、よくやったわね。冷蔵庫のプリン、半分食べていいから」

 

「あれ元々私のだよぉ~~」

 

うんうん、何だか仲のいい感じだな~ ただあの東郷って呼ばれている子……あの子だよね。記憶がないって聞いているから過去のことを話すのはまずいだろうな

 

「ほら、皆見てみなさい。あれが今日私達が守って街よ」

 

四人が屋上から街の景色を眺めているけど、個人的にはちょっと今はやめてほしい

 

「あの~ごめん。ちょっと手を借りていいかな?」

 

「「「「えっ?」」」」

 

私は近くにあった壁に体を預けた状態で四人に声をかけた。樹海に行った時はそうでもなかったのに、こっちに戻ってきたらものすごい疲労感が襲ってきていた。

 

「だ、大丈夫?四葉ちゃん」

 

友奈ちゃんが私に肩を貸してくれた。まさかここまで体力が落ちているとは……

 

『二年間眠っていましたからね。肉体面に関しては徐々に戻ってくる感じです』

 

それはそれで助かるけど、できれば早めに戻してほしいかな。

 

「あんた、姫野だっけ?その服……病院着よね」

 

「えっと、色々とあって……できれば大赦の方に連絡お願いします。きっと病院中大騒ぎになってると思うので……」

 

「そうね。あぁ、私は犬吠埼風。こっちは妹の樹」

 

「風さん、樹ちゃんね。詳しい話をしたいけど、できれば明日でもいいかな?」

 

「分かったわ。あんたの今日の戦いやら落ち着いた感じを見る限り、私達より情報を持ってそうだしね」

 

それから私は風さんに呼んでもらった大赦の車に乗って、自宅へと戻るのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自宅に戻るとそこである人達が待っていた。

 

「おかえりなさい。姉さん」

 

「全くいきなり病院からいなくなったと思ったら……大変だったみたいね」

 

「まぁまぁ今は労ってあげようよ」

 

「桔梗、渚、奏。来てたの」

 

私を待っていたのは桔梗、土居渚、白鳥奏の三人だった。というか私が目覚めてここに集まるの早すぎない?

 

「姉さん、ほら、まだ身体が」

 

「ありがとう。桔梗」

 

私は桔梗の身体を借りながら、家に入るのであった。

 

家に入り、桔梗がお茶を用意してくれる間、家の中を見つめていた。二年間眠っていたからホコリとか何やらがすごいと思っていたけど、意外と綺麗だった。もしかして掃除してくれてたのかな?

 

「それにしても讃州組が勇者になるなんてな~」

 

「渚は納得してないんだね。仕方ないよ。あそこには友奈と鷲尾……東郷がいるから」

 

「大赦は風習によって付けられた女の子を勇者になる確率を上げるために、須美ちゃん……今は東郷さんだっけ?彼女を近くに?」

 

「そうそう、二年前の記憶がないから色々と都合がいいからみたいだけど」

 

奏は何だか気に入らないみたいだ。もしかして勇者になれなかったことがそんなに……

 

「姉さん、一応大赦から伝えるように言われてることがあるけど、大丈夫?」

 

「うん、いいよ」

 

桔梗から聞かされたのは、東郷美森……鷲尾須美に対して失った記憶について触れないこと、理由としては記憶のことに触れて精神的に不安定になってしまうこと。

乃木園子、三ノ輪銀との接触は禁じるとのこと。現状乃木園子は祀られている。おいそれ会える立場ではないということだった。

 

「何というか時間って残酷だね。友達に会えなくなるなんて……」

 

「姉さん……」

 

「何て言ってる場合じゃないよね。今は勇者としてバーテックスを倒さないと……」

 

今やるべきことをやれば、きっと園子ちゃんに会えるはずだ。今は頑張らないと……

 

『………時の流れは残酷……か。それだけじゃないよ。あの世界で彼らから聞いた話が正しければ、四葉、私は貴方が運命を変えられるかどうか見届けますね……』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日、守り神様の力なのか衰えていた身体がもう普通の状態に戻り、私は讃州中学に来ていた。

 

「何というか大赦も準備が早すぎるっていうか……転入手続きするの早いな~」

 

明日から転入することになったけど、これから一緒に戦う人たちに挨拶をしないと、

私は先生にみんながいる場所を聞き、勇者部部室に行くと東郷ちゃんと友奈ちゃんが何故かどこか行く姿が見えた。

 

「何事?」

 

「あれ?貴方は……昨日」

 

「姫野四葉……だったかしら?何で普通に歩けてるのよ」

 

「樹ちゃんに風さんでしたっけ?そこら辺の説明とこれからのために挨拶をと思ったんですけど、お取り込み中で?」

 

 

 

 

 

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