姫野四葉は勇者である 作:水甲
あの戦いから一ヶ月が過ぎようとしていた。特にバーテックスの進行もなく、私は勇者部で依頼をこなしていたある日のこと、私は大赦から呼び出された。
一体何の用なのか思いながら用意された部屋で待っていると、仮面を付けた神官と見知らぬ女の子が部屋に入ってきた。
「おまたせしました。姫野様」
「そんなに待ってないです。所でその子は?」
「こちらは新たなに勇者になった三好夏凛様です」
新しい勇者……何でまた
「一ヶ月前の戦闘記録から戦力増強をするべきという案が出ました。そのため、予てより勇者候補の訓練を行った結果、彼女が任命されました」
「よろしく。姫野」
「こちらこそ」
握手を交わす私達、神官は私に彼女を勇者部のみんなに紹介しに行くように言われ、一緒に向かうのであった。
「姫野って、あの姫野家よね」
「あのってどのかしら?」
「高嶋、神宮、土居、伊予島、白鳥、藤森の6つの名家に並ぶ家のよ」
「名家って、私はそんなんじゃないよ。私一人だし……」
「あんた一人って……」
う~ん、姫野家のことについては詳しく話すと長くなるし、学校まで行くのにはちょうどいいかもしれないけど……
「元々姫野家は神宮家に生まれた長女が姫野家に任命されるっていう話があったの」
「神宮家……あいつね。あいつにはかなり痛い目をあわせられたわ」
痛い目って……桔梗は何をやらかしたのかな?少し前に聞いた限りだと訓練に協力してるって言うけど、それって三好さんたちのことだったんだな
「あ~何だかごめんなさい」
「何であんたが謝るのよ」
「えっと……」
私がいいかけた瞬間、端末から警報が鳴り響いた。一ヶ月ぶりの戦いか
「三好さん、突然で悪いけど」
「えぇ、分かってる。私の初陣ね!!」
何だか頼もしいな~
樹海へ訪れ、早速勇者に変身した私と三好さん。三好さんの戦装束って銀の奴に似てるけど、もしかして……
「ねぇ三好さんの勇者システムって……」
「ん?あぁ確か前に勇者やっていた奴のものを最新鋭にしたものよ。この端末を渡された時に会ったし……」
「なんか言ってた?」
「何かって……まぁあんたらのこと頼んだって言われたわね」
「そっか…」
全く心配性なんだから……
そうこうしている内に敵の姿が確認できる場所にたどり着いた。ちょっと離れた場所にはみんなもいる。
「早速仕掛けるわよ!!」
「了解!」
三好さんは刀をカプリコーン・バーテックスに投げつけ、私はさらに勾玉で攻撃を加えた。
「ふん、ちょろい!!」
更に何本もの刀をバーテックスを取り囲むように地面に突き刺す。もしかして封印の儀を行うつもり?
「封印開始!!思い知れ!私の力を!」
バーテックスの中から御霊が出てきたが、御霊は煙を吐き出した。もしかして目くらましをして逃げるつもりか?
「そんな目眩まし!気配で見えてんのよ!!」
三好さんは御霊を一刀両断した。
「殲滅!!」
『諸行無常』
何だかすぐに決着が着いちゃった。これが三好さんの実力……
三好さんと私はみんなの近くに降り立つと
「揃いも揃ってぼーとした顔してんのね。こんな連中が神樹様に選ばれた勇者ですって」
「何でいきなりそんな事言うかな?」
「だって本当のことじゃない」
「もう」
「ねぇ、四葉、あんた普通に喋ってるけど、こいつ誰よ?」
「私は三好夏凜。大赦から派遣された正真正銘、正式な勇者。あんたたち用済み。はい、お疲れ様でした」
「三好さん、そんな話、聞いてないけど……」
「うっ……」
ツッコミを入れると段々元の世界に戻ってきた。
元の世界に戻ると私は讃州学校の屋上にいた。三好さんの姿はないか……
「四葉、あの子は誰よ?」
「先輩、彼女は今度新しく勇者になった子です」
「私達が用済みっていうのは……」
「大丈夫よ。東郷ちゃん。私はそんな話は聞いてないから」
「良かった~」
友奈ちゃんは安心した表情をしていた。さてさて三好さんはみんなと仲良くなれることやら……
『それは大丈夫じゃない?彼女は彼女で楽しくやれそうよ』
守り神様、何でそんな事がわかるのやら?もしかして未来を見れるとか?
『思い出さないか。まぁ思い出したら思い出したで困惑するからいいけどね』