姫野四葉は勇者である   作:水甲

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45 決意

樹海へと訪れ、端末を見ると残りのバーテックスが攻めてきていた。

 

「あの時と似た状況か……」

 

あの時、園子ちゃんと須美ちゃんは二人で数体のバーテックスと戦い、私もまた力の限り復活してきたバーテックスを倒した。

これで繰り返される戦いが終わるかどうかわからないけど、今、勇者部みんなの戦いはこれで終わるはずだ。

 

「残り七体。全部来てるんじゃないの? これ」

 

私達は一斉に変身し、敵を見つめていた。

 

「敵ながら圧巻ですね」

 

「逆に言うとさ、こいつら殲滅すればもう戦いは終ったようなもんでしょ」

 

「殲滅ね!」

 

「皆、ここは、あれいっときましょ」

 

「あれ?」

 

「あれって?」

 

私と三好さん以外のみんなが円陣を組んでいた。何だかこういうのは悪くないかもしれない。

 

「え、円陣?それ必要?」

 

「決戦には気合いが必要なんでしょ?」

 

「夏凜ちゃん!」

 

「たく、しょうがないわね」

 

「あんた達、勝ったら好きなもの奢って上げるから、絶対死ぬんじゃないわよ!」

 

「よーし、美味しいものいっぱい食べようと!肉ぶっかけうどんとか!」

 

「言われなくても殲滅してやるわ!」

 

「わ、私も叶えたい夢があるから」

 

「頑張って皆を、国を守りましょ」

 

「よーし!勇者部ファイト!!」

 

掛け声とともに、みんな互いの持ち場につくとまず接近してきたのはアリエス・バーテックスだった。三好さんと東郷ちゃんの二人が一撃ずつ攻撃を与えるが、動きが止まる様子はなかった。

私は剣を取り出し、二人が攻撃した箇所をもう一度攻撃させた瞬間、風さんたちが封印を開始し、御霊が出現した。

友奈ちゃんと東郷ちゃんの二人が協力して御霊を破壊すると今度はタウロスバーテックスが攻めてきて、頭上の鐘を鳴らした瞬間、耳障りな音が響いて私達の動きを止めた。

 

「音はみんなを幸せにするもの。こんな音……こんな音!」

 

樹ちゃんが糸で頭上の鐘を縛り上げ、私は勾玉で鐘を貫いてなんとか音波攻撃を乗り越えるが、どうにも敵の動きがおかしい。

 

「風さん、敵の動きが……」

 

「わかってる。というか見えてる」

 

見えてる?私は風さんが見つめていた場所を見るとレオバーテックスと残りのバーテックスが合体していく。

 

「二年前はこんなのなかった。ううん、見せようとしなかったのかな?それだったら……」

 

私は勾玉で合体バーテックスを縛り上げようとするが、合体バーテックスから無数の炎の玉が放たれ、私達を吹き飛ばした。

 

「うくっ……このままだと……」

 

風さんが立ち上がり、再度攻撃を仕掛けようとするがバーテックスから放たれた水の玉に閉じ込められた。

 

「……風さん、みんな……」

 

銀ちゃんが何を言おうとしたのかわからないけど、このままみんなを見殺しにする訳にはいかない。

 

「お願い……みんなを助けて……満開!!」

 

私がそう叫んだ瞬間、まばゆい光に包まれ、神秘的な衣装と錆びついた剣が握られ、私は錆びついた剣を振った瞬間、風さんを閉じ込めた水球を破壊した。

 

「けほっ、けほっ、四葉!?あんた……」

 

「あのバーテックスは私が押さえ込みます。ううん、他のもすべて……」

 

私は合体していないピスケスバーテックスとジェニミバーテックスに向かって剣を振り、二体のバーテックスを撃退した。

 

『だめです。このままだと四葉……聞いて……』

 

「大丈夫。まだ大丈夫」

 

私は自分にそう言い聞かせながら、合体バーテックスが放ってきた巨大な炎の玉を受け止めた。

 

「みんな、今のうちに……」

 

「四葉……あんたの頑張りを無駄にしないわ……みんな、封印を開始!!」

 

風さんの掛け声とともに、みんなが封印を開始した瞬間、合体バーテックスの御霊が出てくるのだが、出てきた場所が宇宙空間だった。

 

「まだ……まだ……」

 

「四葉、もうやめなさい!!あんた、苦しそうよ」

 

「あとは私達が……」

 

友奈ちゃんたちの声が聞こえるが、私は宇宙に飛び上がり、巨大な御霊へと向かっていく。

 

「これが私の役目……守り神としての役目だから……ハアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」

 

私は錆びついた剣を巨大な御霊へと突き刺した瞬間、まばゆい光に包まれるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

園子SIDE

 

 

大赦のある部屋で私は勇者たちの報告を聞いていた。

 

「多数のバーテックス撃退確認しました」

 

「撃退……違うよね。今の戦いが終わっただけだよ」

 

「園子様、そうは言いますが……」

 

「誰か満開を使ったの?」

 

「……はい、姫野四葉様が……」

 

それを聞いた瞬間、私は後悔した。ミノさん、間に合わなかったんだ……

 

「彼女はどうしてるの?」

 

「……限界まで力を使ったせいなのか………左目、味覚、声帯、左耳の機能を失っています」

 

「四回も使ったの?」

 

「いいえ、犬吠埼風様からの報告では、彼女は一回しか……」

 

「やっぱり神の力を無理矢理引き出したんだね……」

 

私は首につけているネックレスを見つめた。このまま誰かが真実に気がつけば……いつか今以上なことは起きる。そのためにはこれを渡さないと……

 

 

 

 

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