姫野四葉は勇者である   作:水甲

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48 絆

樹海へ訪れた私。眼の前には今まで倒してきたバーテックスと初めて見るバーテックスがいた。

 

(あれは……)

 

『そんな……どうしてやつがここに……』

 

守り神様はあのバーテックスのことを知っているみたいだ。一体やつは……

 

『気をつけてください。あれはレクイエム・バーテックス!!ある世界では造反神が作り出したバーテックスです。強さは……』

 

(よく分からないけど、かなり強いんだよね。それだったら……)

 

私は剣を抜き、思いっきり降った瞬間、何体かのバーテックスを切り裂いた。今のこの状態なら何とか……

 

『待って!?奴らの動きが……』

 

気がつくと切り裂いたバーテックスが直ぐ様再生し、無数の矢が降り注いできた。私は勾玉を盾に変え、矢を防いでいった。

 

(威力が強すぎる!?)

 

不意にあたりが暗くなり、後ろを振り向くと巨大な尻尾がこっちに向かって落ちてくる。

防御しようとするが間に合わず、私は巨大な尻尾の一撃を喰らってしまい、そのまま地面に叩きつけられた。

 

(うくっ……神の力を前に出しすぎて……精霊の防御が発動しない……このままだと死んじゃいそうだな……)

 

痛く、苦しく、どうすることもできない。だけどこのまま死ぬ訳にはいかない。だって……みんなを守らないといけないから……

 

レオ・バーテックスが炎に包まれ、レクイエム・バーテックスの前には巨大な光の玉が出現していた。

私は立ち上がり、勾玉を構えた。

 

(声が出なくてよかった。悲鳴をあげることもできないから……ちょと残念なのは……気合を入れられないことだよね)

 

レオバーテックス自身の巨大な炎の玉とレクイエムバーテックスのレーザーが私に向かってくる。私は勾玉を大きく広げて防ごうとする。

 

(みんな……守るんだ!!)

 

「勇者パアアアアアアアアアアアアアンチ!!」

 

攻撃が迫ってきた直前、どこからともなく聞こえてきた声とともに、レオバーテックスを吹き飛ばし、レイクエムのレーザーを喰らわせた。

そして私の前にはみんなが立っていた。

 

「ごめん。遅くなって」

 

「一人で背負い込んだりするからだよ」

 

「全くみんなを守るのはいいけど」

 

「もっと一番大切にしないといけないことがあります」

 

「あんた自身も守ることを忘れるんじゃないわよ」

 

どうしてみんながここに……もう戦ってほしくないのに……

 

「四葉ちゃん。自分のことが守れないなら……これからは私達が四葉ちゃんを守る」

 

友奈ちゃん……

 

「さぁて、勇者部!!行くわよ!!」

 

「「「「オォォ――――――!!」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

園子SIDE

 

「これでよかったんだよね。ミノさん」

 

「あぁ、あいつらならきっと四葉を助けてくれるさ」

 

私とミノさんはただ帰りを待つことしかできない。でも信じることはできる。みんなが無事に戻ってくるって……

 

「あいつに渡したんだよな。お前の大切にしていたペンダント」

 

「うん、必要になるから……」

 

「それで何とかなるのか?」

 

「……わからない。神託ではこれまで以上に勇者たちは苦戦するって……」

 

「そっか……」

 

ミノさんは悔しそうにしていた。私も悔しいよ。一緒にみんなと戦えたら……

 

「園子さん、銀さん」

 

不意に声が聞こえると私達の前に2本の刀を持ったかいちゃんがいた。

 

「渡さなかったの?」

 

「断られました。生き残ることよりすべてを終わらせたいと……」

 

「あいつ馬鹿だよ……本当に馬鹿だよ」

 

私達がどうすることもできない中、突然まばゆい光が私達の前に現れた。

 

『届けてやるよ。それを』

 

この声……どこかで聞き覚えがある。まばゆい光はかいちゃんから2本の刀を受け取り、どこかへと消えていった。

 

「今のは……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

四葉SIDE

 

みんなでバーテックスを倒していくが、すぐに再生していき体力が減る一方だ

 

「キリがないわね」

 

「夏凛!?諦めんじゃないわよ」

 

「そうです。なんてたって」

 

「勇者部五箇条!!一つなるべく諦めない」

 

みんなが必死に戦う中、東郷ちゃんが私の前に来た。

 

「四葉ちゃん、これを……」

 

それは鏡がついたペンダント……もしかしてこれは……

 

「乃木園子が貴方に……」

 

(園子ちゃんが……)

 

「私ね。あの子とは初めて会った気がしないの。それに彼女が話してくれた満開の後遺症について……もしかして私の記憶がないのは……」

 

(東郷ちゃん……あなたも思っているとおりだよ。だけどね。絶望しないで………思い出せなくても私達は貴方の大親友だって)

 

端末で打ち込んだ文字を見せると東郷ちゃんは泣きそうにしながらも笑顔で頷いた。

 

「……うん」

 

私はペンダントを受け取り、3つの神器を握りしめた。

 

(お願い……みんなを守る力を貸してください)

 

みんなは私が守る。みんなが私を守ってくれる。だからこそ……今を終わらせるために……守り神の力を私に……

 

『四葉……もう大丈夫ですよ』

 

守り神様の声が聞こえた瞬間、私と東郷ちゃんの前にまばゆい光が包み込み、光が消えた瞬間、私の目の前に守り神様が顕現していた。

 

「守り神様……あれ!?声が……」

 

『貴方の後遺症は治しました。さぁ終わらせましょう』

 

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