姫野四葉は勇者である 作:水甲
今日は皆で温泉に来ていた。これまでの戦いの功績もあって、大社が私たちに休息をくれたみたいだけど……
「う~ん」
私の目の前には小石、輪ゴム、クリップが並べられていた。どうにも上手くいかないな~
「どうかしたんですか?四葉さん」
「さっきから唸ってどうしたんだ?トイレでも我慢してるのか?」
「タマっち先輩!?」
「杏ちゃん、珠子ちゃん、ちょっとね。私の力について悩んでるの」
「四葉の力って、何でもないものを武器として変える力だっけ?便利だよな、なんでも武器にできるんだろ」
「そうでもないんだよね」
「もしかして力の使い方がわからないんですか?」
「そう」
自分のことを知ってから、何度か試してみたけど全然発動できない。この勾玉の時は多分、命の危機を感じたから発動できたんだろうけど……
「今後のために武器を増やしておきたいんだけど、全然駄目だ~」
「あの四葉さん、武器は増やさなくても……」
「そうだよ。私達が力を合わせれば何とかなるって」
それはそうだけど、だけど私は皆の守り神になるって決めたんだ。だから頑張ってどうにかしたいけど……
「ん?お前たち、温泉に入りに行かないのか?」
気がつくと若葉ちゃん、ひなたちゃん、千景ちゃん、友奈ちゃんも温泉に入りに行こうとしていた。私も色々と考えすぎて頭が疲れちゃったから少し休憩しよう
その後みんなで温泉に入ったり、ゲームをして遊んだりして楽しい夜を過ごしていた。
だけど私はもう少し力の使い方を調べるため、夜風に当たりながら適当なものを武器に変えようとしていた。
「駄目か~」
「あら、どうしたんですか?四葉さん」
ひなたちゃんが声をかけてきた。どうしたんだろ?もう遅い時間なのに……
「眠れないの?」
「ううん、ちょっと目が覚めちゃって……窓の外から四葉さんの姿が見えたから……」
「そっか」
「四葉さんは寝ないの?」
「うん、神様の力を使いこなそうとしてるんだけど、中々ね……」
「神様の力……無理はしないでください」
「無理はしないよ。でも」
ここ最近胸騒ぎがしている。下手すれば誰かが死んじゃうかもしれないんだ。だから……私が……
「あっ!?」
「どうしたんですか?」
「何となくだけど力の使い方わかったかも……ひなたちゃん、いらない手鏡とか持ってない?」
「え、私は持ってないですけど、旅館の人に聞けば……」
私はひなたちゃんを連れて、旅館の人にいらない手鏡がないか聞くのであった。もしも私の考えが正しければ……きっと………
皆と温泉を楽しんでから数日後、敵がまた襲ってきた。だけど今回は今まで以上に数が多い。
「千景ちゃん、大丈夫?」
「何とか……今回は進化体はいないけど数が多いわね」
「今まで以上にしんどいことになるかもしれないけど、これぐらいタマに任せタマえっ!!」
「タマっち先輩、無理しないで」
お互い背中合わせにしながら話している中、私はこの場にいない若葉ちゃんと友奈ちゃんに気がついた。
「二人がいない?もしかして……勾玉よ!つながれた鎖を解き放ち、撃ち貫くものになれ!!」
無数の勾玉を私の周りに現れ、回りにいる敵を撃ち貫いていく。何となくだけど思った通りに形状を変えられる。
「……なぁ、四葉、今の……」
「えっ、格好良いでしょ」
「えっと……」
「本人が気に入ってるならいいんじゃない?」
何だか皆が微妙な反応をしている。いいじゃん、かっこいいじゃん……
いや落ち込んでる場合じゃない。
私は敵の包囲を抜け、全体を見渡せる場所まで行き、敵の動きを見渡した。敵が二つの場所に集まってる。一箇所は私達がいた場所。もう一箇所にはもしかして若葉ちゃんと友奈ちゃんが……
「敵も馬鹿じゃないってことだね。それだったら………」
私は勾玉を鞭に変え、大きく振り回した。
「みんなぁぁーーーーー頭を下げてぇぇぇぇー---!!」
そう叫ぶと同時、囲んでいる敵に向かって鞭を横に薙ぎ払った。勾玉の長さも自由に変えられ、それに回した事で威力も強くなってる。
敵は全滅。私は直ぐ様若葉ちゃんの所へと行くとそこには傷だらけの若葉ちゃんと友奈ちゃんの姿があった。